セーラー服と黙示録

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.32
  • (6)
  • (21)
  • (41)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 230
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103418

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヴァチカン管轄下の孤島の探偵育成学校で繰り広げられる推理劇。設定にまず興奮しますね。ホワイダニット・ハウダニット・フーダニットをそれぞれ演繹法・帰納法・ロジック(弁証法、とも呼ぶのでしょうか…?教えて偉い人)で洗いだそうとしたのは、ミステリに関して青二才の私には新鮮でした。
    狸枢機卿が一番感情豊かだった気がします。
    現在小説屋sari-sariにて外伝「消えたロザリオ」が掲載されているようなので、そちらにも目を通してみようかな。

  • ヴァチカンのある計画のために日本の孤島に建設された探偵養成学校で学ぶ少女たち。世界設定、舞台設定はとても魅力的。内容は全体的に若干駆け足気味だったのではないかと。学園の日常の話をもっと読んでいたいです。
    推理パートはちょっと物足りなかった。ロジックはきれいなんですが、単純化し過ぎて都合よすぎではと感じるところがあったので。また、ホワイダニット、ハウダニット、フーダニットを分担して推理するのは面白いとは思いますが、How推理の中では、WhyにもWhoにも触れてしまっているため、他の二人の推理がその補強にすぎないように思えてしまったので。

  • 探偵女学校生徒十字架磔殺人事件。不可能犯罪と探偵たちの論理的謎解きと女の子たちのキャッキャッウフフが並列して盛り込まれ、スケールの大きな陰謀劇に帰結する。講談社からの移籍以後、どこかしっくりとこない作品が多かったのですが、今回はバリバリの初期まほろテイストでした。こういうまほろが読みたかったんです。三人の探偵がそれぞれ動機、方法、犯人を別個に考察し重ねることで、ひとつひとつの推理が多少行き渡らなくとも、結果として互いに互いをフォローし合って多角的に結論に持っていけるのが興味深い。マードレ・バルバラの宿題だけ取り出してみても読む価値アリの本格ミステリです。

  • 図書館にて借りる。随所に有栖川ネタが散りばめられててついにやっとしちゃう(笑)今日子ちゃん達が3年生になった時の話とか読んでみたい。校長との最終戦争か?(笑)

  • (2013.1)

  • 今まで読んだまほろのなかで一番わからない作品。

    ミステリとしての出来はどう考えても一番駄目だったと思うけど、その駄目さがもしかして意味があるのか?とも。
    「探偵小説シリーズ」のコモやら犯人たちだったら、推理にがんがんツッコミ入れてそうだし。

    しかし、探偵役三人が、Who、How、Whyのそれぞれを得意とするってキャラ付けはとても良かった。前半が面白い。
    さらに、作中に出てきた試験問題!
    これはミステリ読みなら一読の価値があるのではないかと。
    遊び心と本気(マジ)が入り混じっていて、こういうアカデミックな感じのミステリに関する問題は初めて見た。
    …………ただし、自分にはほとんど解けない。

    天帝シリーズの新作を、あらゆる小説のシリーズのなかでも、一番心待ちにしています。

  • かなり作風変わったなぁ……ビックリ。
    講談社ノベルズ時代の過剰なルビと衒学趣味にやられた人間としてはやや寂しい。
    それにしても校長先生の喋り方が笑えるw

  • 半分表紙買い。
    天帝・探偵小説シリーズばりの濃ゆい衒学趣味的ミステリの再来を待つ。

全36件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古野まほろの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×