人外境ロマンス

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104729

感想・レビュー・書評

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  • 文庫タイトルは「つめたい転校生」の一冊。

    良かった。すごく癒された。

    6話の、人外さんとのちょっとしたミステリアスな出来事。

    もしかして…とドキドキはもちろん、思いもよらぬ鮮やかな展開にハッとしてgood、せつなさにキュンとしてgood。

    そこに絡む謎解き、この絶妙なさじ加減がまたgood。

    締めくくりもどれも綺麗なのがまた印象的。

    しみじみ、北山さんのこういうテイスト、好き。

    せつなさがたまらない「いとしいくねくね」、優しい想いにキュッときた「はかない薔薇」、可愛い未来を感じる「ちいさなピアニスト」がお気に入り。

  • これ、すごく好きです。
    タイトル通り、人外であるものたちの出てくるロマンス、6篇。

    「かわいい狙撃手」
    「つめたい転校生」
    「うるさい双子」
    「いとしいくねくね」
    「はかない薔薇」
    「ちいさいピアニスト」

    どれも好きなのだけど、特に好きなのが「かわいい狙撃手」。
    一本目からキュートでキャッチー♪
    狙撃手の正体が文字通りかわいいんです。本当にかわいい!

    そして「うるさい双子」。
    人外のものは妖怪なのだけど、この妖怪がメインで取り上げられたお話って初めてでした。
    夢がとても幻想的で哀しい。
    夢の中ででも会いたい人。夢でしか会えない人。
    出てきて嬉しい、だけならいいけれど。

    もうひとつ「いとしいくねくね」。
    くねくね、って何だろう?
    くねくねという言葉と、もたらす災厄から思い浮かんだ怪物はいるのだけど、あぶらげ好物では、絶対ない。見た目(?)も違う。
    と、気になって思わず検索してしまった。ほうほう、都市伝説なのね。
    お話は、切ないけれど余韻があって好きです。
    ハッピーエンドならもっと好きになるのだけどなぁ。


    北山さん初読み。
    好きか地雷かの両極どちらかだと「クロック城」を長く積んでいるのだけど、これを機会に読んでみようかな。

  • 以前、フォロワーさんにおすすめいただいてからずっと読みたかった本をやっと図書館で見つけて借りてきた。
    人間と人外の可愛いロマンス物語。人外だけれど怖さとかはなく、こんな事が本当にあったら楽しそうと思うような内容。文章もとても読みやすく面白かった。漫画化されたら似合いそうな感じ。
    特に双子の話は、本来の妖怪(枕返しと言えば『ゲゲゲの鬼太郎』のEDで見たおどろおどろしい姿が浮かぶ…)のイメージをかなり覆すもので良かった。

  • 淡い恋色な人外物語

  • タイトル通り、人外の物とのロマンスの短編集。ミステリだと思って読んだら、ファンタジーでした。

  • 人じゃない何かが出てくる短編集。いとしいくねくねが一番よかった。初めて読む作家さんでしたが、名前からすると男性ですが、すこし女性っぽい感じの文体。他のも読んでみたい。

  • 色々な人外との恋愛ものの詰め合わせ。

    一番最初のかわいい狙撃手とはかない薔薇が特にお気に入り。つめたい転校生も良かったな。というか、どの話も良かった!人外いいじゃないか!

    かわいい狙撃手は、キューピッドとの話。キューピッドがまさか恋愛対象になるとは(笑)
    キューピッド本人もあわあわしてて可愛かったなー。
    そして、まさかの脈有りでヒロインちゃん凄い!
    キューピッドだから、というか人間で無い者だから食の好みなんて無いのに、ヒロインちゃんとケーキを何度も食べに行ったからかチーズケーキ好きになっててもう…!
    そして、ロリと警察官を結び付けようとは分かってるね彼(笑)

    つめたい転校生は雪女との話。
    雪女に萌えた!可愛い!
    きっと初めは本当に好奇心から近付いたんだよね。針のない釣り糸垂らしてなにしてんだこのショタは、くらいの(笑)
    そして、君が釣れた、っていった主人公このときからなかなか垂らしだな。
    言葉を交わして一緒に過ごす内に、主人公に恋しちゃったんだね雪女。電車のホームのとこのお別れには切なくなった。
    きっと主人公が会いに行って結ばれるんだろうなぁ。

    うるさい双子は、妖怪枕返しとの話。
    弓子とシオネについて語るべきなんだろうが、なによりもハルに萌えてしまったからハルで頭いっぱい(笑)
    ハルいいなー、凄い好みだ。
    ハルって身体弱い設定になってるが、妖怪にも強い弱いってあるのか?身体は人間寄りってこと?
    ハルの話も読みたいなぁ。

    いとしいくねくねも妖怪?の話。地元に根付いた怪談みたいな類かな?
    この話は切なかったわ。主人公を村から助け出して村に自分だけ残ったのかと思ったら、まさか妻となってずっと主人公を支えていたとは…。
    しかし、いつ人間の依り代手に入れたの?

    はかない薔薇は薔薇との話。
    堅物刑事と薔薇の組み合わせは激しく萌えた!北山先生天才!
    捜査の手掛りになると思って、堅物でありながらもメルヘンチックに薔薇をお供にしてた刑事に萌えが爆発した(笑)
    一緒に過ごす内に愛着沸いちゃったんだね。だから、犯人が薔薇投げつけたときは一緒になってこの野郎!って思ったよ。
    きっとまた薔薇が咲くよね…。

    ちいさいピアニストは猫又の生まれ変わり猫耳っていう人種?との話。
    ケモ耳良いよねケモ耳。まさか飼い主と恋人になっちゃうとは。

    人外との恋愛の話、凄く面白かった。これ短編連作としてシリーズ化してほしいなー。

  • 人と人ではないものの恋を描いた短編集。
    ホラーやファンタジーの要素を織り交ぜつつ語られる物語は、どこかほのぼのとしていて、とても好い読後感へと導いてくれました。
    どのお話も良かったのですが、「いとしいくねくね」と「はかない薔薇」が特にお気に入り。
    前者はラストがとても切なくて、アレを悲哀で読ませるのは流石だなーという印象です。
    後者は薔薇の鉢植えを抱えるエリート刑事の姿がなんとも(笑)
    とても良かったです。

  • ささきさんの装丁がとてもいい。

  • リアル人でなしとの恋(←

    えぇと、人ならざるものとの恋の短編集でした。

    もうちょっとミステリーかと思ったら全然ミステリーじゃなかった!フワフワしてた!(笑)

    皆とても可愛くてほんわかと癒されました。

    タイトルに偽りなし!ですねー。
    ロマンスがいっぱいでした。癒し系。

著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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