- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041117361
作品紹介・あらすじ
長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。
◆あの日の光は今も
1981年に大阪府東区巴杵町で2人の少年がUFOを目撃した、巴杵池(はぎねいけ)事件。
母とともに小さな旅館を営む昌輝は、かつてUFOを目撃した少年のうちの一人だった。
事件も遠い記憶になり始めたころ、湯水と名乗るライターが事件の記事を書きたいと旅館を訪ねてくる。
昌輝は湯水と宿泊客であるゆかりに向けて、あの日何が起こったかを語り始めるが――。
◆母と
真琴のもとにず助けを求めにやってきた杏という少女。
彼女が暮らす民間の更生施設・鎌田ハウスに「ナニカ」が入り込み、乗っ取られ、結果的に住人たちがおかしくなってしまったらしい。
杏を救うために真琴と野崎は、埼玉県にある鎌田ハウスへと向かう。
◆さえづちの眼
郊外にある名家・架守家で起こった一人娘の失踪事件。
「神隠し」から数十年後、架守の家では不幸な出来事が続いていた。
何かの呪いではないかと疑った当主は、霊能者の比嘉琴子に助けを求めるが――。
感想・レビュー・書評
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サクッと三篇の一冊。
母と子、そこに怪異を絡ませ比嘉姉妹の活躍をサクッと堪能できた三篇。
表題作は旧家 架守家にまつわる不穏な出来事からスタート。
雰囲気といい読みやすさといい好みな世界観。
でも一本モノにめっぽう弱い自分には一番想像がきつかった。
ずるずる…這い回る実況中継描写に鳥肌が止まらない。
そこに登場した冷静沈着、クール琴子に安堵の涙。
おまじないをアレンジするところも現代風で良い感じ。
一番あり得そうな神信仰と心の闇の哀しいコラボ怪異だった。
まだまだ姉妹の、琴子の活躍が見たい…後ろ髪をずるずると引かれる思い。 -
【収録作品】あの日の光は今も/母と/さえづちの眼
「あの日の光は今も」は真琴と野崎、「母と」は湯水、「さえづちの眼」は琴子が登場。 -
怖くて不思議で面白かった!
短編集で一気読み! -
比嘉姉妹シリーズ本編のサイドストーリー的な感じもありつつも、 1話1話がまあまあのボリュームでどれも違う雰囲気のため、お得感がある。1話だけ比嘉姉妹関係ない?と思ってると、関わりのある人がいてなるほど。今回はそういうの仕込むのか!と驚くようなミステリ的要素が強い部分もあり、新しい一面も見える。本のタイトルにもなってるさえづちの眼は展開も意外で、こう思わせといてこう、とホラーに落とすところや琴子の存在感など、一番インパクトが大きい。
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3編とも導入と中盤はおもしろくてわくわくするんだけど、終盤でしぼんでしまう印象があった。怪異は理不尽なもので、人間の思惑や心情に関係なくふりかかってくる、というのはわかるんですが、物語として唐突な感じがしました(それも理不尽を表現しているのかも、とも思いつつ)。