100万回生きたきみ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.21
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本棚登録 : 2234
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041118405

作品紹介・あらすじ

「実は100万回生きているの」そう告白をしたきみ。だけど、黙っていてごめん。僕はきみより1回多く生きているんだ――。ミリオンセラー『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の著者が紡ぐ、真実の愛。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めはすごく面白くて引きこまれた。
    しかし第2章のタイトルを見て、そこから話すのかー、とげんなり。
    いつ最初の場面に戻るかとパラパラ飛ばし読みしていたら残り数ページになっていた。

    古代の話が長すぎたー。

  • ─100万回生きたのは、俺の方だ。
     過去に生きた記憶と現代とが交わりながら、一途な恋を描いていくラブストーリー。壮大な世界観が瑞々しく表現されていて、気づけばのめり込み、あっという間に読み終えていました。表紙の美しさに購買意欲をそそられます…笑! いやいや、表紙も大事ですよ!! 本を買うときの理由みたいなもの…笑

  • 2021年8月角川文庫刊。書き下ろし。思い返すととてつもなく深い話でジーンと来ます。構成と展開がもう少しなんとかならんかったのか!と残念に思うところもありますが、後ろ1/3で語られる二人の行末と謎と呪いと運命と消えたハルカのストーリーが壮大で楽しい。

  • Amazonの紹介より
    「美桜は100万回生きている。さまざまな人生を繰り返し、今は日本の女子高生。終わらぬ命に心が枯れ、何もかもがどうでもよくなっていた。あの日、学校の屋上から身を投げ、同級生の光太に救われた瞬間までは。「きみに生きててほしいんだ」そう笑う光太に美桜はなぜか強烈に惹かれ、2人は恋人に。だがそれは偶然ではない。遙かな時を超え、再び出逢えた運命だった──。100万の命で貫いた一途な恋の物語」


    時空を超えて、一途に愛した感動物語でしたが、個人的には、都合が良すぎる要素が多くあったため、感動よりも疑問の方が多く記憶に残ってしまいました。

    たしかに2500年の時を超えてのラブストーリーで、愛を貫いていく男の姿がカッコ良く見えて良かったです。
    しかし、恋人の出会いは、2500年前のフランスということで、顔立ちや言語といった現実的なことを考えてしまったせいか、それアリなの?と思ってしまいました。

    また、恋人に至るまでの流れがサラッとしていた印象だった分、なぜそんなに深く愛することができたのか?
    そういった意味では、すごい執着心だなという解釈もしてしまいました。

    100万回生きたということで、てっきり100万回タイムリープしていると思っていましたが、実際は長い年月を人間だけでなく、虫や麦などあらゆる生命に転生しながら、今に至っているということでした。

    美桜だけでなく、恋人(現代では光太)も一緒に転生してきたということで、フィーリングでよく現代になって見つけられたなぁと感心してしまいました。
    といっても、美桜のほうは、大昔の記憶というものがなく、光太とは運命としてまた結ばれていきます。

    これで輪廻転生が終わるかと思いきや、今度は過去にタイムリープするという展開に「どういうこと?」と新たな疑問が浮上してしまいました。

    タイムリープというと、何かの規則性で発生するというのが他のSF小説で多く見受けられます。しかし、こちらは特に規則性はなく、イレギュラーなことが多く発生するので、それがなんとなく都合よく、二人のために展開されているのでは?という感覚がありました。

    そもそも、なぜこのようなことが起きるのか?特に明確な答えがないので、感動する一方でモヤモヤ感はずっと続いていました。

    色んな疑問は残りましたが、数えきれない困難を乗り越えての二人の結末は良い結末でホッとしましたし、エモい気持ちにもなりました。

    他のレビューを見ると、感動したという感想が多く見受けられたので、否定的な感想を書くのはちょっと躊躇ったのですが、こういった感想もあるということで書かせていただきました。

  • 七月隆文さんのを大分追いかけてきて、少し久しぶりの作品。
    タラニスとミアンであった2人が長い長い旅路の果てに再会し、さらなる呪いで2人が永遠の生を繰り返すことになり、その結果辛くなって、どうしようもない閉塞感のある展開に。
    100万回生きたのはその「きみ」ではなくて、もう一人の「きみ」だったのか。その「きみ」は自分が呪いだと気づいて、自らを消すことで呪いを解いてくれ、どうやら再会したふたりに永遠ではない生が訪れる。閉塞感がハッピーエンドに変わった。

  • 100万回生きたきみとわたし
    きみと彼女には明確な存在意義があり、名前もあった。
    わたしに明確な存在意義はあったのだろうか?
    わたしは自分の存在意義を問えるほどの知能を得ることが出来てしまっていることに、100万回生きた時間経過を感じた。
    わたしはきみと共に100万回もの時間を共有してきた。
    きみが見たものきみが聞いたものは、わからないながらに、わたしにも記憶が残っていた。
    だからわたしは片時もきみと離れることなく、きみが気にかけた人の言葉を体現するようになった。
    きみはわたしのことを、どう思っているのだろう?
    わたしの存在意義はきみだった。
    だけどきみが見ていたのは追いかけていたのは彼女だった。
    わたしが彼女だったらよかったのに…。
    わたしという存在は、誰に認められることもなく帰る場所もなく、ただ消えていく。
    きみの為に…きみと彼女の物語の為に、ただ消えていく。
    これは自殺になるんだろうか…。


    蝶になり鳥になり猫になり人間となり…タラニスを呪うエネルギーから物質化し意思も確かなものになり、最期には消えてしまった呪いの事がただただ気になって、モヤっとした気持ちを書き起こしてみました。が、呪いが1番ピュアで誰を恨む事もなく、自分の好きな人の為に身を引いて消えていったんだなと。誰かが呪いを救ってあげられないかなとなりました。タラニスと共に過ごせた日々、愛情を向けられていた日々だけで、呪いは本当に満足だったのだろうか?泣いてはいないだろうか?気になってしまって、呪いのスピンオフを書きたい書けないしています。書いてみたいな。
    2人は本当に自分たちのことしか考えていなくて、呪いが解けた方法にも目を向けていないような?いなくなった友のことはどうでもいいのか?なんかよくわかんないけどハッピーみたいなところにタラニス薄情だなとモヤモヤ。終わりよければ全てよしなのか。

  • 神話の話のような物語だった。
    読む前・最初のほうはベタな恋愛小説かなと思っていたが、
    想像の斜め上を行くユニークな話で、よかった。
    スケールがでかくでも物語に入りやすかった。
    呪いや神など、神秘的な面もありより物語華やかになっていると思います。
    心に残った言葉ー世界から神秘が消えたのは
            人の意識が変わっていったからなのよー
    です。
    小説の読んでるとよく思うのですが、どの物語にも神秘的を求めがちだなと思って、小説に限った話ではなく、漫画・アニメ・映画など。現実味がある物語をわざわざ娯楽で楽しもうと思わないじゃないですか。人間はどこかで神秘的なものを本質で求めてるんじゃないかとこの本を読んで感じました。

  • 前世もの。
    生まれ変わっても一緒にいようね……
    その愛は本物か否か。

    一生を添い遂げたいと思える人がいるというのは、なんと幸せなことだろう。

  • 女子高生の美桜は、繰り返され終わらない人生に心が枯れて、どうでもよくなっていたある日、高校の屋上から身を投げ、同級生の光太に人並外れた力で助けられます。それをきっかけに二人は恋人になるのですが、それは偶然ではありませんでした。その恋は2500年前に始まりました。
    長くて遠い旅をしてきた光太と美桜の一途な恋が奇跡を生む壮大なお話です。

  • 壮大なラブストーリー。
    どれもが一途で美しくて切ない。

    『世界から神秘が消えたのは、人の意識が変わっていったからなのよ』
    なるほどそういう考え方もあるのね。と思ったりする。
    そして、『呪い』もいくたびもただただ存在し続けて終いには『別のもの』に自らを置き換え、愛する彼を救う奇跡になる。

    本当に切ない。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。『Astral』(電撃文庫)でデビューし、ライトノベル、一般文芸などジャンルを超えて幅広く活躍。第3回京都本大賞受賞作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(宝島社文庫)はミリオンセラーとなり話題を集めた。他の著書に『君にさよならを言わない』(宝島社文庫)、『ケーキ王子の名推理』(新潮文庫)などがある。

「2021年 『100万回生きたきみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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