リラと戦禍の風 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 153
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041124390

作品紹介・あらすじ

第一次世界大戦下、両親を亡くしたポーランド人の少女リラは、不死の魔物である「伯爵」と館で暮らしていた。護衛のドイツ人兵士イェルクと共に、ヨーロッパ中で起こる悲劇を目の当たりにした彼女は、伯爵の力を借りて祖国を助ける計画を立てる。一方、イェルクもまた人類を救うため、大きな決断をする――。
なぜ人は争いを繰り返し、生きるのか。愚かで愛おしい人類の歴史と業を描き切る、重量級エンターテインメント長編。

感想・レビュー・書評

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  • 物語が教えてくれることがある。 「戦争を扱った小説5選」 | カドブン
    https://kadobun.jp/feature/readings/entry-45589.html

    ファンタジーの目を通して描くリアル | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/567202

    上田早夕里・公式サイト
    https://www.ueda222.com/shinkan_new.html

    「リラと戦禍の風」 上田 早夕里[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322112000455/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      戦争を描くこの物語がファンタジーでなくてはならない意味があった――上田早夕里『リラと戦禍の風』文庫巻末解説 | カドブン
      https://k...
      戦争を描くこの物語がファンタジーでなくてはならない意味があった――上田早夕里『リラと戦禍の風』文庫巻末解説 | カドブン
      https://kadobun.jp/reviews/entry-45809.html
      2022/05/11
  • この小説には魂を半分に分けられた若い男が登場する。
    片方は戦地で実体に宿って戦闘に明け暮れ、もう片方は戦争とは縁遠い古城で魔物によってつくられた「虚体」という器に宿り少女の護衛をつとめる。

    まだ読んでいる途中だが、色々考えてしまった。

  • 「『人間である』とは、どういうことなのか。おそらく人間は、常にそれを己自身に向かって問い続けていなければ、容易に、人でないものに変わってしまうのだ」
    かのワラキア公ヴラド3世の血を受けて、不死となった「伯爵」以下の魔物の目を通して描かれる、第一次大戦。庶民の窮乏など知ったことかで、戦争の継続を選ぶドイツの上層部には歴史と分かっていても怒りが募るが、2022年4月現在、似たようなことがリアルタイムで起きてるからなあ。ヒロインのリラが伯爵に、「私たち、美味しいパンと寝床があれば、それだけ充分なのに」と言うのだが、これはもちろん「どうして」と続く。ホントにどうしてなんだろうね。

  • 単行本の方で読んだけど一覧になかったので文庫で感想。
    不死の魔物が出てくるファンタジーとはいえ、ガッツリと世界史に出てくる戦争モノなので、分割して少しずつ読み進めました。戦争シーンリアルでえぐいんですもん…。食料事情とかも鬼気迫ってて文章から情景が浮かぶだけに読んでてしんどかったです。主人公の兵士・イェルクがわりと柔らかい性質なのが救い。

  • 昨年からちょっとずつ読み進めて、1月に読み終えてたのに感想書かずに放置状態。
    第一次世界大戦中、床屋さんから従軍し、死の淵で怪しきものに出会い半分人で亡くなったドイツ人のお兄さんが、人でありながら妖に育てられたポーランド人の少女の護衛となりやがて本物の妖になる。
    世界史知識が中学生レベルで止まってるものの、色々あの時代興味深いわ。
    更にその妖ことシルヴェストリ伯爵が妖になったきっかけがワラキアの串刺し公ヴラド3世とか、なんというかほんと個人的にご縁を感じます。(結局その辺りの歴史が好きなんだなあという。皆川博子先生とか、佐藤亜紀先生とか)
    2023年3冊目。

  • 戦争をファンタジーで描いた物語。
    途中まではどう落とし込むのか分からなかったけど、ちゃんと終わってた‥
    解説のメタファが指しているものが分からない。
    それにしてもあんなにたくさんの資料を元に書いたの作家さんほんとに凄い。普通に読んだら何年もかかりそうなので必要な部分だけ読んだのだろうけど…

  • タイトルからリラが主人公かと思って読み始めたが、作者はむしろこの時代を生きた人々全てを主人公として描きたくて、そのために人間よりも長く生きる魔物の視点を取り入れたのだと思う。終盤でミロシュがイェルクに語った「『人間である』とは、どういうことなのか」に胸を打たれた。

  • 魔物より魔物らしい人間と、人間になりたい魔物と、人間のために魔物になる人間と。虚構を通じて伝わるは信条とは何か、人の愚かさ、そして未来。この世は有史以来の魔物の巣窟なんだろうなぁ。

  • 面白かった
    戦争をテーマに描かれていて、その中での人の残虐さや、思いが凄く伝わってきました
    魔物や魔法が出てくるファンタジーでもあったので大変読みやすかったです
    キャラの対比で、戦争が人に与える影響が浮き彫りにされたように感じました

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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