海の教場

著者 :
  • KADOKAWA
4.35
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本棚登録 : 439
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041126080

作品紹介・あらすじ

桃地政念(ももち・まさむね)は、海上保安官の中でも調理・経理・庶務などを担当する縁の下の力持ち部門「主計」の専門官。海上保安官といえど、海猿でもヒーローでもなく、小柄でメタボが気になる独身彼女ナシの中年だ。
霞が関勤務の彼がある日、学生時代のマドンナ・高浜彩子から呼び出された。彩子は女性ヘリ操縦士の草分け的存在で、桃地とはある因縁を持つ。
ドキドキしながら向かった待ち合わせ先で告げられたのは「肝臓がんで余命一年」。京都府舞鶴市の病院に入院するという。シングルマザーの彩子は、息子の悠希が春から舞鶴の海上保安学校に入る予定で、そのそばで過ごすためのようだった。
彼女のために現地への異動を企てた桃地は同校の教官として赴任することに。船舶運航システム課程主計コース3組の担任となったが、腐れ縁の校長・比内から、ある事情がクラスに重い影を落としていることを聞かされ……。

命と向き合う機会の多い、海上保安官という仕事。明るく人間味あふれる桃地の、学生たち、そして愛する人とのかかわりの日々に、感涙間違いなし!

装画=西川真以子


推薦コメントが届きました!
===
海上保安学校での生活を巧みに描きつつ、生きることの意味を考えさせられる秀逸な作品。
寮生活や訓練、そして命の現場となる乗船実習。相手を思い自分を見つめ、過去と未来、そして公私の狭間で試練を乗り越えて成長し決断していく過程がリアルに描かれている。
自分の進むべき道を探している人に是非読んでもらいたい。

  海上保安学校 前校長 江口圭三さん
===

感想・レビュー・書評

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  • 青春物。読んでいて清々しい程のストーリー。桃地みたいな指導者がいたら楽しいだろうな。
    青春ものと、命のあり方を考えさせられる本

  • ブクログで、良く目にするので気になって読んでみました❗素敵な本に出会えて ブクログ に感謝です。

    シリアスな内容で、何度も何度も涙が溢れるんだけど登場人物皆、愛おしいキャラクターばかり。
    泣いたり、クスッと笑ったり忙しかったです!
    あと、日本の海を守っている海上保安庁のお仕事の内容を知ることが出来て良かったです。

  • 2024/5/3読了。

    このブクログでたくさんの方達が高く評価していらしたので、私も、と手に取った本。
    今時珍しく、心の優しい人たちしか登場しない、心温まる作品で、うるっとしてしまったことも数えられない。

    いわゆるお偉いさんたちも皆さん、ユーモアがあって、話が通じるところも良い。
    主人公の「桃ちゃん」だけでなく、登場する全員に幸せになってほしい、と心から思った。
    それだけ、それぞれのキャラクターがしっかり書き込まれてるのだと思う。

    海上保安学校や海上保安庁という、普段あまり馴染みのない世界も垣間見ることができたのも良かった。
    吉川英梨さんの作品、また読みたい。

  • 舞鶴の海上保安学校に好きな女性を追って赴任した人の良い男性を主人公とした当該女性、学生、教師との日常。人と繋がること、後悔や罪悪感で縛られた死者との決別、命、生きること、色んなメッセージが、ユーモアも交えながら、がしがし迫ってくる。電車で大人気なく泣きながら読んでしまったりと、、、色んな伏線も回収していく構成もあって、一気に読めます。

  • 感想
    海保学校の熱血物語。主人公の桃地はちょっと頼りないところがあるものの決める時は決める姿がかっこよかった。

    あらすじ
    桃地は海上保安庁の主計に勤めて、20年、独身だ。ある日同期のマドンナでヘリの操縦士の高浜彩子が訪ねてきた。彩子は肝臓がんで余命1年だという。桃地は居ても立っても居られなず、彩子の入院する舞鶴に異動願いを出す。

    赴任した桃地は自殺者が出たクラスの担任をすることになる。学生の1人から彩子の病気を治す方法として生体肝移植を知らされる。家族が肝臓を提供できるため、桃地はダイエットして脂肪肝を治すことと、彩子にプロポーズを受け入れてもらうため努力する。また、彩子の息子が海保学校に入る予定だったが、母親のために断念するというところを桃地が説得して入学を果たす。

    彩子と無事結婚して、肝臓の適合を調べるも、桃地とは不適合であり、移植を諦める。残された道は息子から肝臓をもらうことであったが、息子の身体を傷つけたくないと彩子は頑なに受け入れないのであった。

    桃地はクラスの学生が卒業出来るように導きつつ、彩子が生きられる道を模索する。

  • 良かった!ちょこちょこ涙ながらに読みました。

  • 海蝶のシリーズがとてもよかったからこの作品も読んでみたのだけど、とてもよかった。
    熱いストーリー展開にひきこまれた(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

  • 私がフォローしている方の評価が高かったので読んでみました。
    1人の海上保安官とかつて思いを寄せ余命宣告された同期の女性、残りの期間を近くで過ごそうとなかなかの行動にでます。
    海上保安学校の登場人物のエピソードそれぞれで、ちょちょいうるうるさせてくれる。
    最後もそっちなのって、感動しました。

  • ブクログBEST USER AWARD 2023でSilverを受賞されたひまわりめろんさんのお勧め本です。


    ブク友さんの間で大人気になり、何名もの方がレビューされている人気の作品です。

    吉川英梨さん初読みでした。


    海上保安庁 主計管理課の桃地政念45歳独身。
    桃地は同期だった海上保安庁女性操縦士の高浜彩子が肝臓がんのステージ3であることを知り、彩子のいる京都の舞鶴の海上保安学校に異勤します。
    彩子はシングルマザーで20歳になる息子で海上保安学校の生徒、悠希がいます。
    悠希の父は当真航希という桃地の親友で享年24歳で東北の海で殉死しています。
    桃地は、彩子に生体肝移植という治療法があるのを知りますが、彩子は「生体肝移植はしない」といいます。
    それは生体肝移植は家族間でしかできないからでした彩子は息子の悠希の身体を傷つけたくないと大切に思っていました。

    桃地は悠希が五歳の時に彩子から逆プロポーズされていますが、断ったという過去があります。
    でも、もう一度こちらからプロポーズして、桃地は彩子と家族になり生体肝移植をしようと考えます。
    彩子は、脂肪肝のためダイエットを始めた桃地をみて、すぐに気づいて「桃地と結婚はしない」と今度は言い返しますが…。

    男と男、男と女の厚い友情、信頼の物語でした。
    桃地のプロポーズシーンはとても素敵でした。




    ブクログ内でもの凄い人気になっているので一体どんな作品か、これは読んでみないとと思いました。
    紹介してくださったひまわりめろんさん、ありがとうございました。

    その人の紹介する本はその人のなりを現わしていると、おっしゃられるひまわりめろんさん。
    ひまわりめろんさんは、きっと友情に厚いお方なのでしょうね。
    ブク友さんいじりをよくされているのをお見かけいたしますが、あのブク友さんいじりがシャイなひまわりめろんさんの友情の裏返しなんですね。きっと。

    • まことさん
      ひまわりめろんさん、こんにちは♪

      コメントありがとうございます!
      ひまわりめろんさんから、いいね!がなかなかつかなかったので、レビューが気...
      ひまわりめろんさん、こんにちは♪

      コメントありがとうございます!
      ひまわりめろんさんから、いいね!がなかなかつかなかったので、レビューが気にいらないのかと、心配していました。

      『海の教場』改めて、凄い人気ですね!
      皆さまのレビューを再拝読したら、熱いレビューばかりですね。
      二年前の作品にもかかわらず、ですね。

      ひまわりめろんさんは、コメント好きでも、いらっしゃるんですね。私も、何か気になるレビューがあった時は寄せていただきます。
      2024/04/25
    • ひまわりめろんさん
      ぜひぜひお待ちしております!
      ぜひぜひお待ちしております!
      2024/04/25
    • まことさん
      ひまわりめろんさん♪

      ありがとうございます!
      ひまわりめろんさん♪

      ありがとうございます!
      2024/04/25
  • 一途。

    メタボな中年桃地と、海上保安庁の学生たちが共鳴する、教官・学生の立場を超えた、それぞれの青春物語。

    こうしたい、こうありたい。

    成就しても、その途中で挫折したとしても、その姿はとても美しく羨ましく尊い。

    大切な人を何年も思い続ける気持ち、世の中や、人の役に立ちたいという信念から職業を志すということ。

    とても眩しくて、これぞ、小説が存在する意義なのだ、と感じ、2回続けて読み返してしまった。

    読みたい、と思わせてくれた、フォロワーさんたちのレビューに、改めて感謝したい。

    • bmakiさん
      こんばんは!
      2回続けて読んでしまいましたか!
      でもそのくらい面白い小説でしたよねo(^▽^)o

      続編出てくれるといいなぁと思える...
      こんばんは!
      2回続けて読んでしまいましたか!
      でもそのくらい面白い小説でしたよねo(^▽^)o

      続編出てくれるといいなぁと思えるほど素敵な作品でした╰(*´︶`*)╯
      2024/04/19
    • shukawabestさん
      bmakiさん
      ありがとうございます。本当にいい小説です。読み返してみると、162ページで、恋人に海保の存在を否定され、進路を迷う学生金城に...
      bmakiさん
      ありがとうございます。本当にいい小説です。読み返してみると、162ページで、恋人に海保の存在を否定され、進路を迷う学生金城に対して桃地が、「国境も知らずに陸からつべこべ言うやつらごと、国を守る覚悟を持つこと」と、海保の使命を説きます。こんなセリフまで改めてクローズアップされて来ました。
      僕が読むきっかけとなるステキなレビュー、ありがとうございました。
      2024/04/20
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著者プロフィール

『私の結婚に関する予言38』(宝島社文庫)にて第3回日本ラブストーリー大賞のエンタテインメント特別賞を受賞し、2008年デビュー。近著に『ブラッド・ロンダリング』(河出文庫)。そのほか、「原麻希」シリーズ(宝島社)、「新東京水上警察」シリーズ、「海蝶」シリーズ(ともに講談社)、「十三階」シリーズ(双葉社)、「警視庁53教場」シリーズ(KADOKAWA)、「感染捜査」シリーズ(光文社)など著書多数。

「2023年 『警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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