山亭ミアキス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.03
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本棚登録 : 383
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041135594

作品紹介・あらすじ

日常から逃げ出したいあなたへ――心に悩みを抱える人が迷い込む、森の中の不思議な宿「山亭ミアキス」。超絶美形のオーナーに不思議な従業員、ロビーでは暖炉が赤々と燃え、食事は絶品のアイルランド料理。しかし、泊まると間違いなく酷い目に遭わされる。ブラック部活に疲弊する少年、マタハラに悩む女性など、今日も救いを求める者がたどり着く。人をたぶらかす、謎めいた彼らの正体と目的とは――? 「マカン・マラン」シリーズの著者が描く、愛と涙の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ☆3.5

    古内一絵さんの作品は「マカン・マラン」シリーズや、「銀色のマーメイド」など心温まる作品が多いイメージだったので、今作を書店で見掛けて購入させて頂きました。
    帯にも「日常を忘れて、おくつろぎください」と記載されていたので、心温まる作品かと思っていたのですが…こ、こ、怖かったです( ˊ•̥ ̯ •̥`)
    表紙のイラストやタイトルの文字の字体から、何となくミステリアスな作品なのかなぁとは予想はしていたのですが、やはり全然くつろげませんでした…。

    猫が好きで、以前から猫が登場する作品は気になってよく読むので、今作でも猫がたくさん登場してくれたのは嬉しかったです❁

    • かなさん
      のんさん、こんばんは!
      この作品気になってたんですけど
      怖いんですかぁ(°°;)
      私が勝手に想像していた感じと違うので
      ちょっと意外...
      のんさん、こんばんは!
      この作品気になってたんですけど
      怖いんですかぁ(°°;)
      私が勝手に想像していた感じと違うので
      ちょっと意外に感じてしまいました…。
      2024/02/18
    • のんさん
      かなさん、おはようございます☀︎
      そしてコメントありがとうございます❁⃘*.゚
      そうなんです…。美味しそうなお料理を食べて、山亭を利用したお...
      かなさん、おはようございます☀︎
      そしてコメントありがとうございます❁⃘*.゚
      そうなんです…。美味しそうなお料理を食べて、山亭を利用したお客さんが癒されるようなお話を想像していたのですが、ホラー要素もあり…フィクションが強めの作品に感じました。
      ただ、出てくるアイルランドのお料理はどれもとても美味しそうで、猫もたくさん登場するので、もしかなさんが猫好きでしたら楽しめるのではないかと思います(*´˘`*)
      2024/02/18
    • のんさん
      ああー!!
      フィクションではなく…ファンタジー要素です!
      打ち間違えてしまいごめんなさい( ˊ•̥ ̯ •̥`)
      ああー!!
      フィクションではなく…ファンタジー要素です!
      打ち間違えてしまいごめんなさい( ˊ•̥ ̯ •̥`)
      2024/02/18
  • 面白かったー。お店がベースの連作短編はあまり読んでなかったのだけれど、このお話好き。今いる場所からどん!て突き出される。それをきっかけに、次の一歩や方向を、自分の足で踏み出していく。シビアで冷たくてでも、決して無慈悲ではない猫たちの姿に魅入られる。
    なんかいいな。
    あたたかさややさしさはあれど、それは決して無償のものではなく、相手によるというか。ある意味とても公平というか。とても好きだな、てなった。

  • 一言でいうと、「異世界でデトックスする」話。
    背筋が怖くなる話だ。

    霧の向こうに現れる山亭ミアキスという場で起こる出来事を通して登場してくる人々は変わっていく。

    まるで宮沢賢治の「注文の多い料理店」のような入口仕様なんだけど、そこへいざなわれた人は皆、今自分が置かれている状態(膠着しているとか、絶望しているとか、マイナス要素満載の状態)から動けない。自分では動かないと思っているフシもある。そして、ここで、彼・彼女にとって心が(荒)療治されていく。

    「猫魔ケ岳」という場の力、そして「猫」の「魔力」が怖い。ヒトが現実にすることはもっと怖い。

  • 悩み苦しむ者、現実逃避したい者が、たどり着く場所。
    個性豊かなホテルの従業員、オーナー。

    猫の物語を語るオーナー、その話の中でそれぞれ、自分の悩みに正面から向き合う。

    猫の修行の目的が、良かった。
    (人間に惹かれる理由も。)

    『助けたいのはお前ではない、声なき小さな者だ。』

  • 悩める人に優しく寄り添う という話ではないと感じた。
    ただ、後ろは向いていない。

    2話めはちょっと(かなり)イラッとしたけど。

    出てくる料理はどれも美味しそうだった。

  • 色んな理由で現実から逃げ出したり目を背ける人が迷い込む「山亭」
    各々ちょっと怖い思いをし、なんとか現実と向き合えるようになります。
    優しいんだか怖いんだかわかりませんが、ちょっとスッキリするお話です。

  • 【選書No】161

  • 古内さんの作品は「マカン・マラン」シリーズを読んで良かったので、この作品を手に取りました。

    心に悩みを抱えた人が迷い込んだ先には、森の中にある不思議な宿「山亭ミアキス」。
    宿の中では不思議な従業員、絶品の食事はアイルランド料理。
    この宿で不思議な体験をした人だけが次の人生への一歩へと導くという物語。

    「山亭ミアキス」に到着し、怪しく不思議な雰囲気は
    宮沢賢治の「注文の多い料理店」を彷彿されるような緊張とワクワク感がありましたが、「マカン・マラン」の時のような突拍子もないような衝撃度はやや少なかったと思います。

    けれどどの主人公の心の悩みも現代を象徴しているような
    内容だったので、この5人の中に心を動かされる人が
    少なからず存在すると思いながら読んでいました。

    帯には「日常を忘れて、おくつろぎください。」
    と書かれているので、ゆったりと心を落ち着かせながら
    読めるものだと思いましたが、日常は忘れますが、
    違った意味で非日常が味わえるかと思いました。

    やっぱり猫は一枚も二枚も上手で怖いなと思ってしまいましたが、悩みが少しでも消えるのならばこんな方法でも良いかなとも思えました。

    猫の視線で人間観察をして人間に助言をしているという点も斬新だと思い、猫だからこそ厳しい指摘も許せるものだなと思いました。

    猫の生態や古くからの物語などのエピソードも
    織り交ぜてあったのでそれも興味深く面白かったです。

    「助けたいものはお前ではない。声なき小さな者だ。」
    という言葉が、古内さんが読者に伝えたかった事だと思うので、
    今後はあらゆるものに対して声なき小さな者に
    対して耳を傾ける心掛けをしていきたいと思いました。

  • 森の中に現れる不思議な宿「山亭」には、迷える者、悩める者が訪れる。吸い込まれそうな美貌を黒髪の持つオーナーに、個性豊かな従業員たち。しかし、「私が救いたいのはお前ではない。声なき小さき者たちだ」というセリフに象徴されるように、訪れる者たちが救いを得て帰るというだけではない。そんな一捻りが効いた設定が面白い。猫にまつわる寓話の数々も効いている。

  • 2024年8冊目
    古内一絵さん/山亭ミアキス
    森の奥、青い湖のそばに佇む「山亭ミアキス」。迷い込むのは、現実から逃げたい気持ちを持つ人々。
    一風変わった従業員からの温かいおもてなしに一旦心がほどけるが、実は意外な展開が‥。ファンタジーとミステリーの要素を持つ、読み応えのあるお話。
    #読了

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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