聖家族のランチ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041579428

感想・レビュー・書評

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  • 1つの家族を取り巻く、ある変化のお話です。
    特に仲がいい家族ではないが、割と経済的にも恵まれていて、暮らしていくには何不自由ない家族ですが、あることをきっかけにとんでもない禁忌を犯します。

    他の方の感想を見ると「気持ち悪い」「吐き気がする」と書いてありますが、私はこの物語の中核が何なのかを購入前に調べてから読んだので、特に「気持ち悪い」というような印象は受けませんでした。


    ネタバレではありませんが、カニバリズムという単語だけだしておきますね。カニバリズム描写が苦手な人は読まないほうがいいと思います。

    作品自体は、母親についてはじめは主体的に描かれているものの、後から娘・息子・夫についても書かれ始めます。ただ、文章内に占める割合は母親が圧倒的に多い割に、事件が起こった後、事件の発端の原因である母親の自分の罪についての感情や葛藤の描写が少ないのと、最後のページであっけなくコトが終わるので、物語のスケールにしては各個人の感情や背景の描写が足りないなと感じました。
    少しだけかいつまんで書いてある、けれども物語の中核は進行していく、という感じで少し消化不良でした。

    カニバリズムの描写はそれに比べて割はと細かいと思います。なので、気持ち悪かったりグロいと批判する人もいるかと思います。
    家族が一致団結して犯罪を隠そうとする面と、息子の精神的葛藤については興味深く読み進めることができました。その点は面白いです。

    ↓この本をお勧めしたい人↓
    カニバリズムの話が読みたい人
    家族犯罪の話が読みたい人
    背徳的なスリルを求めている人

    ↓この本をお勧めできない人↓
    カニバリズムが苦手な人
    背徳的な話が嫌いな人
    カルト的宗教について読みたくない人
    幸せな家族の話が読みたい人

  • 途中が気持ち悪くて(描写がリアルで)飛ばしながら最後だけ読んだ。発想が面白かった。

  • 2022 7/24

  • 初めての林真理子。

    想像していた話と全然違う方向にいきなり進み始めびっくりした。でも面白かった。唐突に終わったような感じが少し残念。

    共通の秘密がここまで家族を団結させるのか。 
    残酷なストーリーではあるけど家族の話としてはよかった。

    主人公のユリ子は海外出張あたりまではいけすかない感じがしたけど、事件が起きてからの頼もしさは半端なかった。女って恐ろしい。

    事件を起こした当の息子が一番共感できなかったな。
    大体高校生にもなって母親のことをママと呼ぶ男なんてろくでもない。

  • まさかの人肉を食べるという展開。

  • 読了:2017.10.26

    初の林真理子作品。明らかに伏線だと分かるキラキラスタートに、この後ドロドロ&家族がバラバラになってくんだろうなと呑気に構えていたら、まさかの展開。

    そして皮肉にもそれが強力な力となり家族が歪んだ形で再生していく。

    (ネタバレ要素:みかちゃんの目線や心情がよかったなぁ。けいじが突き放されるのがかわいそうだった。スプラッタ好きなんでそれも込みで面白かった。)
    作品の中でも異色らしいので次はTHE真理子を読んでみよう。

    教団Xからの聖家族のランチだったので宗教要素が続いたわけだけど。与える側と受け取る側に温度差あるとこが恐怖要素に使われる理由よね。神・宇宙とか不確かな題材でいろんな捉え方があるものを排他的にひとつを信じ抜く。それを周りに訴え始める・強制し始める。拒否はできても否定はできないあたり、武器が弱くて恐怖を感じるのかしら。
    ------
    ◆内容(BOOK データベースより)
    大手都市銀行に勤務する夫のヨーロッパ赴任に伴って、現地で料理を学んだユリ子は、帰国後、美貌の料理研究家として一躍マスコミの脚光を浴びるようになっていた。母のアシスタントを務める長女と、有名進学校に通う高校生の長男をもち、母の美味しい手料理に舌鼓をうちながら会話をはずませていたこの家族に、やがて暗い「影」が忍び寄る。ユリ子と雑誌編集長の不倫、夫が遭遇した金融危機の荒波、長男に手を伸ばすある組織…。家族四人がそれぞれに口にはできない“秘密”を抱えていたのだ。家族の崩壊と再生の困難さを、衝撃のストーリーで描いた傑作長編小説。

  • いつも通りの感じかと思いきや、自分の好きな展開になって嬉しかったです。内容に反しておしゃれな感じで好みでした。

  • ダイエットにいい。
    ごはん、欲しくなくなる。


    子供を守りたい。
    って、そういうことなんかな。

    愛がないわけではないけど、
    いちばんではない気がする。

    2015.11

  • 途中からガラリと流れが変わり 、違和感有り

  • 料理研究科の主人公が、息子が殺してしまった自分の愛人の肉を料理して家族で食べて証拠隠滅・・・というストーリー。淡々としつつも、じわじわと気味の悪さがこみ上げてきます。

著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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