天使の牙(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041671160

感想・レビュー・書評

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  • ラストがあっけないというか、なんというか。ラスト直前まではすごくよかったのに、残念。

  • 2008年01月21日 01:31

    ハードボイルドという苦手分野に挑戦してみたけど、意外にも読める。読む手をとめさせないスピード感がある。

    大沢在昌は和製レイモンドチャンドラーとも言われていると後で知ったけれど、確かに現代の中では王道ハードボイルドの名手だとは思う。北方謙三と文通しているとか。

    個人的に精神が残った方のヒロインはちょっと考え方が子どもすぎる気がして好きになれなかった。

    ちなみに映画化は失敗だったと思います。

  • 息をもつかせぬ展開と緊迫感のあるアクションシーン(ラストの襲撃シーンの迫力はすごすぎる!)。久々に面白いサスペンスアクションを読んだ。SF的設定も生きている。M女史より。

  • 正義は勝つと信じる方にはオススメです(笑)

  • 一気に読み終わった。

    ある種の小説は読んだあとに哲学的な満足感や、洗練された感動が味わえるけれど、この小説は違います。

    読んだ後に何かを学んだとか胸が震えたとかではなく、ただ純粋に面白かったと言える本は案外少ないものだと思います。

    いや〜、面白かった。

  • 親近感湧いた。
    人間、やはり中身だと確認。

  • 「自分の傲慢を知った。弱者に対する思いあがりを感じた。」

    今まで当たり前に持っていた肉体を失って、代わりに得たものは、美しいけれど脆弱な肉体。
    元々の『河野明日香』としては、決して必要のないもの。

    そうなって初めて自分が「恵まれていた」ことに気付く。
    このアスカの述懐は結構痛かったなぁと思います。
    それに今自分の傍にいるのは、かつて最愛だった恋人。
    そしてもしかしたら自分を裏切っていたかもしれない男。

    その中でも戦おうとするアスカの強さが眩しい。

    が。
    個人的には好きになれないタイプの人なんですよね、『河野明日香』って。
    『神崎はつみ』はまだ理解できる範疇にいるんですけど。

    仁王は結構ヘタレてますが、かっこいい。
    『はつみ』に対して冷たくすればするほど、『明日香』への想いの強さを知ることが出来るし、『はつみ』に惹かれれば惹かれるほど、結局『明日香』が好きなんだなぁとすべてを知っている読者としては思うわけです。
    一途な仁王が素敵。

  • ある事件がきっかけで女刑事明日香の脳・心が、巨大犯罪組織のボスの愛人はつみの肉体の中に入ってしまい、アスカとして明日香の時の相棒であり恋人の仁王と共に犯罪組織を根絶する話。

    テンポが早くてどんどんページをめくってしまった。警察と犯罪組織の抗争の話だが、スピード感のある描写は凄かった。他人の肉体に心だけ入るという奇妙な話だが、実際に自分がその立場になったらすぐ死にたくなりそう。

    まあとにかく面白かった!続編的な「天使の爪」があるらしいのでさっそく買って読みたいと思う。

  • あらすじ☆

    犯罪組織(クライン)の君国の愛人はつみの身体と、女刑事 明日香の精神を持つアスカは己だけを信じて決死の囮を演じていた。
    組織は警察内部の通報を使い、次々と殺戮の罠。を仕掛けてくる。
    アスカを守るのは 明日香の元恋人 古芳ひとり。 だが古芳はアスカの精神が明日香である事をしらない。
    一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。
    すれちがう2人にさらなる刺客が、、、、、!!!


    殺 殺 殺 殺、、、物語りの一つ、一つが想像できて、リアリティー( ; ; )。。
    怖いけど、警察も悪者。信じられるのは自分しかいないって事が、また恐怖心をそそる。

    終わり方すっきり!!!

  • (レビューは上巻の続きです。)


    文庫で上下巻になるだけあって正直長いのですが、テンポがかなりいい(もちろん緊迫の、いい意味で息の詰まる「間」もありますが)ためページをめくる手が止まらなくなります。

    信じられるのは自分だけ。
    限りなくそれに近い事態に、アイデンティティすら保ちがたい、世界でも例のない脳移植手術を受けたアスカが挑む。
    姿が違うため、自分をかつての自分だと認識する者がいない。
    かつて出来たことが今の体では出来ない。力でねじ伏せることも、長く走ることすらも。
    そんな状態で、そしてかつてこの体で生きていた「はつみ」として認識された状態を利用して、無事に警察内部の腐敗を暴く…ことができるのか?!

    先の読みづらい展開がまた、途中でしおりを挟むことに抵抗を覚えさせるんですよね。
    何度読み返しても楽しめるいい作品です。


    同じアスカと仁王のコンビで「天使の爪」という作品もありますが、そちらは少なくとも仁王との間の信頼関係はしっかりしているので、こちらの方がよりスリリングさが勝っています。
    もちろん爪は爪の良さがありますけどね。

    爪の話はまた、いずれ。
    天使の爪レビューを書く機会があれば触れたいと思います。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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