- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041878026
感想・レビュー・書評
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死刑問題に今日にがあるころに購入。
死刑囚がどのように人生を終えるのかを取材。当時、一気に読み終えた記憶がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦後、我が国で処刑された死刑囚は六百人以上にのぼる。しかし密行主義といわれる現行の死刑制度の中で、我々は確定囚のその後を知ることは出来ない。彼らが処刑までをどのように生き、どのようにして人生を終えるのか…。二十年以上にわたり、“死刑”を追い続ける著者が、世間を騒然とさせた十三人の死刑囚の最期を通して、ベールに包まれた死刑制度の実態に迫る。衝撃のドキュメント。
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実際、死刑というのがどのようなプロセスで行なわれていて、死刑囚がどのように扱われているのかなど、まったく知らないことが多い。
死刑囚は刑務所ではなく拘置所にいるなんて、読むまで知らなかったし。まあ言われてみれば確かにその通りだけど。
死刑廃止論者の著者らしく、死刑囚(=犯罪者)への愛情ともとれそうな思い入れが端々に浮かぶ。
ただ、そのような感情の部分をさっぴけば、普通は知ることのない死刑に関するさまざまな情報が書かれており、それは非常に有意義だと思う。
13人の死刑囚の起こした事件、拘置所内での様子、最後の様子をつづっているのだが、人数を絞ってもう少し詳しく書いたほうが、この手のルポとしては面白かったように思う。 -
4041878020 213p 1996・6・25 初版
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興味深く読めた部分も多かったが、筆者が廃止論に傾きすぎているのが、この手の本としては失敗。
ルポルタージュやその類に私情はいらない。
反対に考えると、筆者が死刑囚に踏み込みすぎている分だけ、その被害者関係者が読めば、死刑が救いだったと思わせられる内容に仕上がっているとも言える。
そして、見方を変えれば、被害者感情に非常に無神経な書き方をしていると考えることもできる。 -
ずっと前に読んだが、再読。筆者が死刑廃止論者なので、死刑囚が死と向き合い処刑される瞬間まで淡々と(と筆者は描いたつもりだろうが根底には死刑廃止のメッセージが感じられる文章で)描かれる。犯罪被害者やその家族を思うとあまり感情移入はできない。仕事として死刑執行に関わる人たちには心から同情する。
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13人の死刑囚のその生い立ちや事件内容、
逮捕から死刑執行までの日々等が書かれている。
反省をし、改心していき、死刑を受け入れていく死刑囚、
反対に自分の死を恐れ、最期のときすら刑務官の手を煩わす死刑囚もいる。
生い立ちや事件の背景を聞けば、情状酌量も考えられるが、
死刑反対の立場から書かれているとはいえ、
こちらはあまりにも死刑囚の弁護しすぎているのがとても不快に感じた。
先に「死刑執行人の苦悩」を読んでいたので、
死刑を言い渡されるような犯罪を犯し、
そのせいで死刑執行人という立場の人ができ、
その人たちは仕事だとしても、したくもない殺人をしなくてはならないと考えると、
死刑囚は何重もの苦しみを世に生み出しているように感じる。