サランボオ 下巻 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 47)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042014034

感想・レビュー・書評

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  • 上巻は読むのにだいぶ時間がかかったけれど、状況も人物も揃った下巻は一気読み。下巻もやっぱり戦争小説だった。しかも毎日お肉食べて赤ワイン飲んでないと書けなさそうな、残虐な血みどろの殲滅戦がこれでもかこれでもかと。いい年してこういうのを「うはー」ってなって読むのはちょっと気まずいのだけれど、娯楽作品として面白く読んだ。

    シャアバランのサランボオに対する歪んだ感情、アミルカアルの粘りと冷徹、マトオの結婚したらすぐDV夫になりそうなところなどなど、下巻のほうが人物の個性が際立っていて入り込めた。サランボオはシャアバランにいいように使われちゃった感じでかわいそう...

  • 最初少し読み難かったが、気付くとずんずん読めるようになり、すっかり作品に没頭してしまった。
    物語がどうこうよりも、文章や言葉が惹き込ませるという感じだった。
    有名な作品だけど、有名がゆえに読んでなかった(そういうのものは山のようにある)が、とてもおもしろかった。

    第一次ポエニ戦後のカルタゴとカルタゴに反逆する傭兵たち(蠻人たち)との戦いを主に、カルタゴ側の主宰ハミルカル・バルカ(アミルカアル)の娘サランボオと彼女に恋をした蠻人側主宰マトオの物語である。

    はるか遠くの古い時代の話なのに、苦もなく映画を観ているような感覚で読めてしまった(旧仮名なのでそれが苦手な人は読めないかもしれないが)。
    実際映像にすると残虐的すぎるような場面ばかりだが、その時代の色々なものがとても興味深かった。
    読み終えてからも大勢の人々の声や喧噪、戦で上がる砂埃、血の匂い、腐敗臭、マトオの声、サランボオの肌、色々なものが残像として私に張り付いている感じがしている。

    途中、ふと『サロメ』を思い出した。当時(といっても『サランボオ』が1862年『サロメ』が1891年で30年ほどの差があるが)は、こういう強裂な愛憎を呈する恋の形が流行ったのだろうか。
    挿絵は『サロメ』のビアズリーの方が好きだけど。
    ともあれ、なかなか良かった。

  • リバイバル コレクション(上下巻セット)
    旧仮名遣い

  • 万人向きではないのに星よっつなのは私の執筆活動に影響かなり及ぼしたからだ。罪なやつだぜ『サランボオ』

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著者プロフィール

1821年生まれ。19世紀フランスを代表する小説家。主な作品に、本書のほか『ボヴァリー夫人』『聖アントワーヌの誘惑』『サラムボー』『三つの物語』『紋切型辞典』『ブヴァールとペキュシェ』など。

「2010年 『ボヴァリー夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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