- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042106142
作品紹介・あらすじ
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。-」王子ハムレットは父王を毒殺された。犯人である叔父は、現在王位につき、殺人を共謀した母は、その妻におさまった。ハムレットは父の亡霊に導かれ、復讐をとげるため、気の触れたふりをしてその時をうかがうが…。四大悲劇のひとつである、シェイクスピアの不朽の名作。ハムレット研究の若き気鋭が、古典の持つリズムと日本語にこだわり抜いた、読み易く、かつ格調高い、画期的新訳完全版。
感想・レビュー・書評
-
戯曲というものを初めて読んだが、とても勢いが感じられて、面白く一気読みしてしまった。リズムを感じやすいように段をずらしてあったり、文の翻訳自体も相当こだわってあって、シェイクスピアの表現、比喩の美しさが感じられた。狂気とも言えるほどの憎しみあい、復讐心に面白さがあり、現代まで読み継がれてきた一つの理由なのだと思った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
野村萬斎氏が演じるにあたり、発声した日本語の美しさを熟慮して依頼した新訳。
私は初読みですが、従来訳に比べてわかりやすいのではないかと想像できます。
長年研究されている作品なので身構えていましたが、思ったよりシンプルというか下品というか(笑)。ひっかかる場所ではないのだろうけれど、下ネタ満載のセリフになんだかなーでした^^;
少女コミックなどでもハムレットの舞台を演じる場面があったりして、あのセリフはこのシーンだったのかぁと思ったり。
オフィーリアの立ち位置がイメージと違っていたことも面白かったです。
ト書きなのですぐに読めました。
機会があれば再読するかも…読み手の状況によっても捉え方が様々に変化しそう。やはり名作なのでしょうね。-
2015/02/28
-
2015/02/28
-
-
私の人生で一番読み返した作品。
切れ味が鋭い皮肉やユーモア、深い考察、気持のよい韻律。
何もかもが素晴らしい、人生の一冊。
河合さんとシェイクスピアは偉大な方です。 -
そうか、こういう話だったのか。
-
あまりハマらなかったかな。オリーフィアがどうして死んでしまうのか知りたかったんだけど、ものすごい受動的な感じなんだ。昔のお姫様なんてそんなもんなのかな。太宰治の方も読んでみようかな。
-
2.8
-
読むためではなく、聞くために書かれたハムレット。ハムレットの台詞の歯切れの良さが気持ちいい。
ハムレットの葛藤は、自殺を実行できない人と同じ苦しみではないか。
私は読んでいてそう思いました。
オイディプス王は構造的、ハムレットはより内面的。
-
少年隊のMASKを観、堂本光一さんのENDLESS SHOCKを観た後、有名な所しか知らないな、と買いました。ハムレットがデンマーク王子だというのも初めて知りました。
劇中劇の台詞がテンポよく7・5になっているのがすごい!と思ってたら、あとがきを読んで納得。これはぜひ舞台を観てみたかったです -
2021/2/16
ハムレットが父殺しの復讐に逡巡することを予見するかのように、劇前半にはどっちつかずのセリフが散りばめられている。
例えば…
「片目に笑みを輝かせ、片目に涙を濡らし、葬儀には陽気な調べを、婚礼には挽歌を奏で、嬉しさと悲しさを等しく秤にかけつつ、妻に迎えたのだ。」
「葬儀用に焼いたパイが、冷めたらそのまま婚礼の食卓を飾るのだ。」
「何かよからぬことがあるぞ。夜が待ち遠しい。」
「美しいが、すぐ萎む。」
「天の霊気か、地獄の毒気か、() 祟りか、救いか。」
などなど。
ところが、クローディアスを殺すことを思い止まった後は、この二項対立が解消する。ハムレットの意思が固まったことを暗示しているのか。ここは情動>理性からその逆に転換し、自身の狂気を客観視し始めたのか。
彼は復讐という大きな大義ができたことで英雄ヘラクレスの運命を辿ろうとするが、復讐失敗後はその厳しさを思い知らされてからは人間の限界、無常観に至る。アレクサンドロス大王も臭気を放つ骨になるのが関の山だ。この考えは極めて理性的。
このように二項対立の要素は多々あるが、『ハムレット』を貫く最も大きなテーマは情動と理性だと思う。悲劇は人間の本質を映すと言われるが、その本質たる情動と理性の絶え間ない動きを示してくれる意味において『ハムレット』は普遍的な悲劇だという所以がよくわかる。 -
人生初のシェイクスピア
古典はどうも苦手意識があったけど
こちらの角川文庫新訳はとても読み易く
そして、シェイクスピア、面白い!!!
他も読みたくなった
訳者あとがき
野村萬斎氏が主演する「ハムレット」公演のために、萬斎氏より委託されて訳し下ろしたもの
第四独白
To be,or not to be
生きるべきか、死ぬべきか、それか問題だ。
───死んだら夢は見ないと思う
優れた人物が耐え忍ぶ
くだらぬ奴らの言いたい放題
───人間って、遥か昔からそうなのね…
戯曲
演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品。 戯曲を書く者のことを劇作家と呼ぶ。