ウェルベル・コレクション I 蟻 (角川文庫 ウ 19-1 ウェルベル・コレクション 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042915010

感想・レビュー・書評

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  • 失業中のカギ職人ジョナサンは、伯父が遺したアパートに引っ越した。その地下室には立ち入り禁止と書かれてあったが、好奇心に負けた彼はその禁を破り姿を消す。その後に続き妻のルーシー、息子のニコラも姿を消す。そしてその捜索隊たちも。
    一方、蟻の王国の話も同時に進む。蟻同士の戦い、やがてくる旅立ちと新しい女王の誕生と王国の形成。
    この二つの話がどこでどう交わるのか。

    ある意味SFであるが、非常に哲学的な話でもある。この話が現実になれば非常に面白く、一方では非常に恐ろしい。

  • アリ好きの人に勧められて読んだ。
    確かにアリ好きな人には堪らないだろうなぁと思うほど、アリの生態がみっちり書いてあった。それだけではなく、人の世界の失踪事件とアリの世界の話がうまく繋がってるところが見事。面白かった。
    異文化コミュニケーションなSFとしても読めるように思えた。

  • 虫ものSF!
    読ませる、かなり面白い。
    思わず、アリの生態について、調べてしまった。
    麻薬を与えるハネカクシは本当なのね。

    蛇足だけど、文明論についても作者は作中人物に、いろいろと語らせていて、結構、興味深い。
    たとえば。
    『アリたちは、ファシストでもアナーキストでも王政主義でもなく、まず、アリなのです。われわれの世界とはまったく違うのです。それこそが、彼らの世界の豊かなところなのです。』
    『…間違っています。アリたちを人間的な理解のわくにはめこもうとするからです。』
    これ、
    アリ:日本人、チベット人、ヒンドゥー教徒
    人間:西欧人
    に置換して読むと面白いよ!

    さらに、
    『われわれは、日本人、チベット人、ヒンドゥー教徒などを理解することはできませんが、その文明や音楽や哲学は興味深いものです。たとえそれが、西欧的理解によって変形された理解にしても!』
    ふ~ん、やっぱりそうなんだ。西欧人!

  • なんだ蟻かと侮るなかれ。戦闘に兵器を用いたり、生活面でもさまざまな発明を生み出したり、その知能はかなりのもので、それだけでも面白いのに、生態描写がまたすごい。殺戮シーンは正直気持ち悪いほどだが、ひとときのロマンスもあったりして、人間とは違う思考に興味をひかれた。そんな蟻たちの生き様と平行して、人間世界ではある館で人々が次々に消えていた。彼らははたして無事なのか。蟻と人間たちはいったいどこで交錯するのかと、じりじりしながら読んだ。とても読み応えのある小説。

  • これはいったい!

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