mh1989さんの感想
2012年4月17日
最後まで消化不良で終わった。そもそも対立軸が見いだせず、異能を持ちながらも、非常に狭い世界で戦っていることに意味が見いだせず、それなりに敵役として登場した相手も尻つぼみ的に早々と戦線から離脱、最後に異国の異能者との関連を示唆するのみで話が唐突に終わってしまう。多分に続編を期待している向きが見受けられるが、これでは続編を出してもらっても読む人がいるか疑問である。最後の最後に悪役としても魅力になかった敵役に、さらなる異能を付加して話が少しは展開するかと思ったが、その異能もあまり役に立たなかった。次回作こそは、名作、ソリトンの様な作品を期待したい。
1960年富山県生まれ。1993年『二重螺旋の悪魔』でデビューし、各方面から絶賛を浴びる。続く第2作『ソリトンの悪魔』で第49回日本推理作家協会賞を受賞。その他の著書に『カムナビ』『サイファイ・ムーン』『心臓狩り』がある。 「2018年 『テュポーンの楽園 』 で使われていた紹介文から引用しています。」