- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043464029
感想・レビュー・書評
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3度目の読了。
いやはや、とにかくとにかく面白い。個人的に中井拓志氏の最高傑作。
中井拓志氏は面白いトピックを選び、それらを組み合わせることに関しては天賦の才があると思っている。それは本作以外の作品でも遺憾なく発揮されているが、本作は氏の作品の中では珍しくかなり現実的な設定となっている点が目を引く。
今となっては珍しくはない学校裏サイトというテーマをいち早く掲げ、そこに集団心理、宗教、洗脳、右翼といったスパイスを加えることで、耽美的で吐き気をもよおす、邪悪で不安定な社会を描き切った。最近のネトウヨといった現象を見るに、中井拓志氏に先見の明があったと賛辞を送りたいくらいだ。
ゲーム的な謎解き要素のおかげでページを捲る手が止まらなかった前半部に比べ、やや冗長な中盤は惜しいといえば惜しい。が、虚無的なラストはやはり印象的で、物語を締めくくるに相応しい。
「月の帝国」が明日にも現実に現れる可能性があるかと考えると、大変ホラーである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本屋さんで、すごく分厚い本だな〜と思ってなんとなく購入したのが出会い。
20年より前に書かれたものとは思えないくらいリアルでした
これはまた数年後に読みたい -
岡山県久米原市では奇妙な不審死が多発していた。自殺や他殺、死に方はそれぞれ異なっているものの、全ての人間が立見台中学校の生徒や関係者、またはそれに近い人物たちであった。そして彼らの死体の傍らには月齢と「わたしの Hauckleberry friend」という書置きが残されていた。
久しぶりに時間を無駄に使ってしまった感じ。こんなにも分厚いのに、中身はダラダラ、盛り上がりも無ければ意外性も無い。何より、リアルさがゼロなのでホラー小説なのに全然怖くない。大人の知らないネットの世界で子供の集いはそりゃああるでしょう。でも、書き込みだけで何十人もの子供が結託して、裏切ることもなく失敗することもなく、誰にも見られずに殺人を数十件犯してきたって・・・ありえない。大体、”いつのまにか増えてる落書き”って。町中に溢れ返っているにも関わらず、教師や刑事の誰ひとりとしてその書き込みをしている現場をおさえられない(おさえられない以前に張り込みすらしていない)とか、どれだけ杜撰というか捜査する気が無いのか。とにかく設定がありえない。 -
タイトル買い。ネット関係のお話。特にチャット。電波系な人がたくさん出てきて面白かった。
チャット中毒者の自分としては「嗚呼、その感じちょっとわかるかも?」ってな記述が多かったです。 -
壮大なる厨二病・・・?ネット社会といわれる今日ならではのテーマですね。
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インターネットでつながった子どもたちが暴徒になる話。
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技術の躍進と共に貧しくなっていくものがあるんだなあって。
ネットの匿名性は魅力ではあるけれど、「個」ではなくなってしまう気がします。