ユージニア (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 9132
感想 : 799
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043710027

感想・レビュー・書評

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  • 初・恩田陸。
    一つの文章の中でも一人称と二人称とが定まっていない箇所が散見され、読み辛かった。
    キャラクターにリアリティがないのも苦手。
    敢えて人物を神話的に描くというのは、作者の狙いだったかもしれないが。
    そういう部分含め、イメージと現実との境目が曖昧になっていく雰囲気は面白かった。

  • 結末を楽しみに読み進めていただけに、モヤモヤモヤモヤ…。1つの事件でも、見え方や考え方、捉え方が全然違って、だからこそしっかりとした結論が欲しかったなぁ…。結論がしっかりあったら、改めて最初から読み返したかったが、残念。

  • 続きはめっちゃ気になったけど、読み終わっても、犯人は各々 考察してね系ですっきりはできなかった、、、 

  • 「夜のピクニック」とは全く違う感じ。
    グレーということは理解できるが、頭のなかはこんがらがったままです。
    すべてのことが白黒はっきりするわけではない、ということは受け入れてますけども。
    読み返すと少しずつ紐解けるところもあるかもね。

  • ユージニア。どういうことか?
    読み始めた段階から何となく結末は見えていたような気がする。
    だけど、読後は少し違う感覚に。
    インタビュー的な文章で、読みやすいが、なかなか解釈が難しい。
    力不足でよくわからない部分も。
    久しぶりに読了に時間がかかった作品だけど、これはこれでいいかな。

    事件の内容とその真相。
    ページをめくるうちに、真相に近づいていく感覚が、読書の真骨頂ですね。
    緋紗子の目が見える見えない。
    これがキーポイント。

  • インタビュー風の書き方なので、読み始めはなんの事か分かりにくいが、読み進めるとじわじわ真相が分かっていくような作品。読後、倦怠感。

  • 途中までの面白さたるや。

    ある高名な一家を襲った大量毒殺事件。
    その犯人と思しき男の自殺。
    事件に改めて光をあてた『忘れられた祝祭』。
    その出版の反響からしばらくして、語り手が新たにこの時間を解き明かそうとする構成。

    正直、エンディングに「ん?」となって、二回読みました。

    事件を『忘れられた祝祭』と、更には語り手からと、二周していくのだけど。
    様々な人物から、事件のピースが当てはめられていき、なんとなく予想図が出来てくる。
    どんな風に最後、追い詰めていくんだろうか、と読者としてはドキドキする訳です。
    だけど、エンディングに、あれ?っとなる。
    ああ、なるほど!ではないのが、賛否分かれる所なのかもしれません。

    結局は、誰もが二周目で止まってしまったということなんだろうか、と(笑)

    以下、好きな文を引用。

    「ノンフィクション? あたしはその言葉が嫌い。事実に即したつもりでいても、人間が書くからにはノンフィクションなんてものは存在しない。ただ、目に見えるフィクションがあるだけよ。目に見えるものだって嘘をつく。聞こえるものも、手に触れるものも。存在する虚構と存在しない虚構、その程度の差だと思う。」

    「日本家屋って、本当に暗いわね。子供の頃の家の中って、暗かった。おばあちゃんの家に昼間行くと、真っ暗で面食らったのを覚えてる。お線香や湿布薬や、煮炊きしたものの匂いが混じりあって、饐えたような甘ったるい匂いがして、理由もなく憂鬱になった。」

    「世の中、異物混入が流行ってるじゃないですか。職場の給湯室なんて、何だってできる。誰に恨まれてるかわからないし、どこにいかれた人間が潜んでるか分からない。
    特に、男は危険ですよね。子供のころから母親に何でもやってもらうことになれてるから、いつでも目の前に自然に飲食物が湧いてきたような錯覚がある。自分の口にモノが入るまでに、不特定多数の人間の手を経てるってことに気付かない。まあ、最近は、女もそうですけど。」

  • 夢の中で走っても走っても前へ進まないもどかしさ。読んでる間はずっとそんな感覚に襲われていました。

    色んな人が語る記憶の断片に惑わされ、たった一つの真実に辿りつけない。記憶の断片達は長い間発酵されて輪郭を失っているので、記憶の断片を組み合わせてあらわれる全体像もぼんやりしている。

    でも必ずどこかで明らかになるのではという期待があるから、もがきながら前へ進みます。足元をすくわれながらも。

    何だかずっと人の記憶の中で旅をしていたような感覚。そんな感覚を楽しみました。

  • 白夜行に似てるかなと思った。

  • ミステリーなのだけれど、犯人が明確に示されるわけでなく、また多くの謎が解けるだろうヒントを匂わせて物語が終わった。正直、真相の部分は知りたかったし、明確な答えが欲しかったのは間違いないけれど、少しずつ事実が明らかになる工程は読んでて面白かったし、退屈することはなかった。
    個人的にミステリーの面白さは謎が明らかになった時の納得感であると感じていて、それを楽しみにミステリーを読む人には手放しでオススメできるものではないかなと思った。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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