- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043747023
感想・レビュー・書評
-
久々におもしろかった小説。重度のひきこもりな主人公に、少しでも共感できるかどうかが分かれめ。根がヒッキーな自分は途中全部は笑えず、最後はうるっときちゃいました。無縁なドラミさんはわかってくれないだろな~?(その後、コミック版のキャラクタを見てどんびき、やっぱ小説版がいい)
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10代の頃から大槻ケンヂの小説を愛読してたんだけど、しだいにオーケンは「のほほん」を深め、毒が減っていった。
「くるぐる使い」や「新興宗教オモイデ教」を書き、「いくじなし」や「サンフランシスコ」を歌いあげたオーケンが…と、それはそれでひとつの到達点として感慨深いが、そんな時期、彗星の如く現れたのが、オーケンの影響を受けていて別の毒も持った滝本先生だった、というような印象。
鬱屈した日々を過ごす佐藤くんに最終的な救いを与えたのは、創作活動でもアツい友情でも高嶺の花の先輩でもなく(それらも大切に描かれているが)、
マチズモすら感じさせるような共依存的な人間関係だったという甘い(現実感は薄い)話を前向きに提示する本作品には、発表時の時代感にとっても妙なリアリティーがあったのは間違いないと思う。
その大きな優しさを前にまさに”口も耳も目も洪水”である。 -
大学を1年目で中退して、以来4年間引きこもりしている25歳男の話。なぜか、こういう話だと綺麗な女性と知り合いになるという展開になるんですが、案の定という感じ。途中ダレたけど、最後の方は結構面白かった。
-
ひきこもりと不遇の悲観少女の苦しみながらもがく日々。チェーンソー男の代わりのNHK、「ネガティブハッピー」の発展版といった感じ。自分を守るために他人を見下さなければ生きてゆけない辛さ、そんな自分に絶望する心理、とてもよくわかる
-
思ったより明るい話ではなくなんだか救いがあるようなないような。ずっと平行線上を少しだけ浮沈しているような感じでした。
-
「妄想垂れ流し物語」
ひきこもりの主人公が美少女と出会い、振り回された挙句突き放される。渋々付き合うという形を表面上とっていた主人公はそれを望んでいたことを受け入れ、自ら行動を起こし成長するという、いかにもなラノベ展開なのだが、作者もまたひきこもりであるということでこの作品の読み方は変わる。
通常の小説は登場人物の言動や思考が作者の創作なことが多い。だが、作者と主人公のシンクロ率が極めて高いこの作品は妄想部分のみが真実なのだ。自らが英雄となれる瞬間を待ちすぎた作者がその時が来るよりも先に小説という形で偶像化してしまったのだろう。等身大すぎて寒いと思える言動も作者の叫びと思えば大いに興味を惹く。主人公の思考回路が作者のそれそのものと思うとよくここまで赤裸々に心情を吐露できるものだと感心する。
合法ドラック、エロゲ製作、新興宗教、陰謀論、ロリコン、妄想、妄想、妄想…。作者の頭の中はいかがしいことこの上ないのたが。
ほんの些細な衝撃でも主人公は心の殻を閉じ鎖国モードに入ってしまう。その弱さに他人事とは思えない身の覚えを感じるのだった。
2014.10.8 MORIOKA TSUTAYAで購入 -
アニメは名作である。こっちは作者の思いがかなりダイレクトに出てしまっているので、ドラッグ吸ったりしたり心の病にかかったりといろいろとやばい。アニメは極端にやばい部分を取り除き、上手く構成したなと思う。引きこもりが天使に救われるという構図は『罪と罰』にもある構図であり、人間は救いを求めるものだなと感じた。本作の天使は別に天使ではないけどな。
-
漫画版、アニメ版よりエピソードが3、4つほど少ない。
逆に、ドラックに関するエピソードは妙に生々しく描かれている。
痛々しく、情けなく、馬鹿馬鹿しく、切なく、空しく、下世話で、非道徳的で、露悪的。
社会性ゼロなくせに妙に饒舌。
だけれど、本当に描きたかったのは、行間にそこはかとなく漂っている空虚、そのものだったのかも。 -
表紙からして中高生向けやと思って読んでみた。
ら、えんらい話。ひたすら真っ暗で最後のちょっと以外は絶望だらけ。明るい雰囲気はなかった。
実際の引きこもりってこんな感じなのだろうか。
高1の私には衝撃だった笑笑