- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043765027
作品紹介・あらすじ
岩崎陽一は、銀座の高給クラブ「クイーン」の新米ボーイ。昼夜逆転の長時間労働で月給わずか15万円。生活はとにかくきつい。そのうえ素人探偵とは誰にもいえない。ライバル店から移籍してきた摩耶ママは同年代で年収1億といわれる。破格の条件で彼女の運転手を務めることになったのはラッキーだったが、妙な仕事まで依頼されて…。情けない青春に終止符を打つ、起死回生の一発は炸裂するのか。抱腹絶倒の傑作コン・ゲーム。
感想・レビュー・書評
-
コンゲームの小説という訳ではない。といって銀座のドロドロ愛憎劇を描いた作品でもない。この手の話はスカッと爽快感というか、してやったり感とでも言うか、その種の痛快な終わり方をするものだが、その点もショボい。
全体的に中途半端。
銀座の夜の店のシステムが多少分かる程度の本だと思って読むのがオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストーリーで読ませる本、面白いけど企業小説の方が好きかも
キャラクターは浅め -
読後感がとても爽やか。持ってるやつから金を巻き上げる、やってることはエグいのに痛快。主人公陽一が真面目で純情であることが効いている。競輪で借金まみれになった親友と、実家の印刷工場の経営不振に悩む恋人(?)、若年性アルツハイマーを患っている父の介護のためにどうしても大金が必要な歩合ママと一緒に企てたワインのすり替え。しかし思わぬ落とし穴に足をすくわれたママは起死回生の企業恐喝に乗り出す。
-
本作はコンゲーム小説という分野にあたらるらしいです。
その定義は、暴力的な手段を用いないで、知能を使って大金をせしめる詐欺師達の物語。頭脳戦を楽しめる小説とのことです。
しかし、正直、それほど頭脳戦がひしひしと伝わってくる物語ではありませんでした。
頭脳対頭脳で戦っているようなイメージではありません。
本作では、だますというところでは、大きく3つ。
(1)ワインすり替え
(2)競輪を舞台にした裏技
(3)株価操作
ワインのすり替えや株価操作については、巷でも言われているようなことなので、それほど大きな驚きはありませんでしたが、競輪を舞台にしたオッズ操作はしびれました。マイナーなギャンブルゆえに、なるほど、そういうやり方もあるのかと驚かされました。
さすが、楡さんだなぁと思わせる内容でした。
しかし、本当の意味でのコンゲームというところでは、主人公を取り巻く女性人ではないかと思います。
彼女たちの生き方そのものが彼女たちの人生でしのぎを削っているように思えます。
それに比べて男のほうは、やっぱりいまいち(笑)
また、本作を読むことで、銀座のクラブの仕組みも理解することができます。まぁ、自分には程遠い世界なので、理解したところでなにもできませんが...夜の’世界をちょこっと見るにはちょうどよいかなと。
ということで楡さんの小説らしく、さまざまなビジネスの裏事情が事細かにリアルに書かれており、大変ためになる物語でした。
世の中の勉強になります。
とはいうものの主人公の性病に関する記述は主人公のどうしようもないところを描画するためだとは思いますが、冗長だったのでは?と思うところです(笑)
ということで、これもお勧め! -
コン・ゲーム小説のおもしろさよ…!!
頭がそこまで回らないからたまにおいてけぼりになるんだけど
騙し騙されの一進一退が本当におもしろかった。
舞台・キャラ設定・心理戦、
どれをとっても好みだったし
ゲームのハラハラ感もすごくよかった。
久しぶりに出会ったスカッとした読後感のある本。 -
登場人物も多くないのに加えて、展開が早いためスラスラ読めた。最後までドキドキする内容でした。
-
キャバクラや競輪を舞台に三流大学を出たばかりの主人公とその友人がお金に翻弄されながらもその本当の価値に気付くという話。月給15万から果ては億単位の金まで、物語の中で激しく浮き沈み金銭感覚も変わっていく。キャバクラの仕組みは興味深く、また競輪を使った復讐のやり方も常道ではなく面白い。エピローグできちんと気になる登場人物のその後を描いているのも好感。
-
今、個人的に最もアツい作家の本を読んでみました。
(再生巨流とかラストワンマイルの人です。)
冴えない銀座の高級クラブの新米ボーイと
年収1億のママが繰り広げる詐欺小説。
スリリングな話なので、ページがどんどん進み、
あっという間に読めてしまう。
銀座の高級クラブなんて行ったことはないけれど、
こんなシステムになってんだ~って感じ。
個人的にはそこが一番ツボ。
何の役に立つかはわかりませんが。。
ただ、これまで自分が読んできた
再生巨流とかラストワンマイルとかと比べると、
質はやや落ちるかなぁ。。
詐欺の手口もこれホントに成功するか~!?ってのもあったし。
僕は同じタイトルの「Fake 五十嵐貴久」の方が
ぶっ飛んでいて面白かったかなぁ。。
とは言え「個人的最もアツい作家№1」の地位が
揺らぐほどではありません。
楽しく読めるエンターテイメント小説としてなかなかの出来です。 -
銀座の高級クラブを舞台にしたコン・ゲーム。
ページ数も結構あり、加えて前半がクラブの話や主人公の恋愛模様な感じの話でちょっと読むのが辛かったですが、途中から面白さを感じられ、読み切れました。
登場人物たちは女性たちが強かで、所業を褒められずとも美しいなと思う。
男性陣、ホントどうしようもない……いや、人間味溢れるキャラクターたちでした。
高級クラブのしきたりやタブー。公営ギャンブルの事。株の売買の考え方と鉄則。
今後関わりを持つかどうかも、持てるほどの才などないが、勉強にはなりました。