チューイングボーン (角川ホラー文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043805013

感想・レビュー・書評

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  • チューイングボーンとは、犬がしゃぶる骨のこと。

    古い友人に無理やり頼まれ、電車の先頭車両に乗って景色の撮影を
    していたところに飛び込み自殺が何度も起こるという衝撃の展開。

    撮影中に必ず飛び込み自殺が起こるのは何故か?
    撮影を依頼した友人も自殺してしまったのは何故か?

    その理由が気になり、それほどミステリー好きでないにも関わらず、
    一気に読み終わりました。

    理由が明かされる終盤にテンポが少しだれてきたのが残念ですが、
    チューイングボーンがタイトルになっているところも含めて、
    「ハイ、ハイ・・・そういうことね・・・」と妙に納得できます。

    暗い内容と重厚な表現が苦痛でなければ、お勧めです。

  • 第12回日本ホラー小説大賞。
    霊や猟奇といったホラーではない、ちょっと変わったホラー作品。
    フリーターである主人公が依頼された仕事は、「走る列車の最前席でビデオカメラを回すだけ」。偶然か必然か、録っちゃいけないものを録ってしまい、その謎を追求する。読むこちらも早く真相が知りたくてどんどん読み進めてしまう。結局真相はそうビックリするほどのクライマックスはもたらさないものの、本筋のスピード感は、まさに列車の最前席にいるかのようなドキドキを味わえた。
    ただ、タイトルは本筋とまったく関係なく、納得いかない。

  • 「列車の最前列から3度、外の景色を撮影して欲しい」
    原戸登は大学時代の同級生・嶋田里美から
    奇妙なビデオ撮影を依頼された。

    だが、登るが撮影をするたびに人身事故が起こる。。。
    これは偶然か?それとも。。。。
    この死の連鎖に秘められた恐るべき真相とは?

    大学を卒業して、アルバイトで生活をしている登。
    彼の中途半端さや、そんな日々に悶々とする悩み、
    そして、とらえどころの無い狂気が、現代の若者をあらわしているようで、
    ちょっと、ゾッとするのだが、それが、よけいにリアルさを出していて、
    恐怖がじわじわと迫り来る感じがする。

    作家・林真理子が、純文学としても読める、と言ったのに、納得。
    誰の身にも起こりそうな恐怖が、登を通して伝わってくる描写が、
    うまく濃厚に描かれている。

著者プロフィール

1974年生まれ、東京都出身。和光大学人文学部文学科卒。2005年『チューイングボーン』で第12回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。選考委員の林真里子氏から「まごうかたなき才能の持ち主である」と賞賛される。著書に『1gの巨人』『揺りかごの上で』(ともに双葉社刊)など。

「2013年 『紙の眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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