万能鑑定士Qの事件簿X (角川文庫 ま 26-319)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043836512
作品紹介・あらすじ
凛田莉子は3年前のことを思い出していた。「万能鑑定士Q」を開業したものの、人を疑わない天然の莉子は騙されてばかり。身につけた知識を活かせず、経営も惨憺たる有様だった。見かねた恩人・瀬戸内陸は、門外不出の思考法を莉子に授ける。それは莉子の知性を飛躍的に高め、比類なき推理力を獲得させる重要なキーだった。莉子はなぜ、難事件を解決できるほど賢くなったのか。いま全貌があきらかになる。書き下ろし「Qシリーズ」第10弾。
感想・レビュー・書評
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凛田莉子の独立前後の話。天才へと変貌していく過程が描かれていた。
有機的自問自答(理由をひとつに絞れ)、無機的検証(それが終わればすべて終わりか否か)。これをできるようになれば騙されないようになるらしい。難しい
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莉子の過去編。実印の偽装問題について、会社を知らないうちに売却された美容室チェーンの話。シリーズの全部ではないが、少なくとも最初の3つぐらいは読んでいることが前提。
論理的思考法を莉子が瀬戸内店長から学ぶ場面は、自己啓発本のようで、参考になった。
シリーズの醍醐味である、終盤まで真相が読めないスリルは薄かった。過去編の登場人物がたくさん出てくるからしょうがない。 -
シリーズ第10作目にして、過去に遡るか…莉子の直感がスカッとするので、それ以前の莉子にはあんまり魅力を感じなくて、少々中だるみ。
シリーズに登場する人物の描かれなかった一面が描かれているのは、面白いが、後付感も満載… -
開店直後の詐欺に遭いそうになった頃の話から小笠原君と良い仲になりそうなところまで~飯田橋に開店した店を訪ねたのは清掃業者と壺の鑑定を依頼した初めての客。動顚して変な文書に判を付き、7万円近い弁償をしてしまった。瀬戸内は論理的思考と無機的検証を課した。社印の鑑定を依頼してきた美容室チェーン経営者の母子の期待に応えたくて奮闘し、同じ頃に機会彫りで二個つくられた黄楊の印鑑の減り具合が他のものと比べて軽傷なのに気づく。弁護士は社長が目を離したすきにすり替えて同じように減るように細工していたのだ。美容室チェーンは乗っ取られようとしている。国際航路を利用したエメラルド密輸出を画策している反社会集団に顧問弁護士は手を貸しているらしいが、そのやり口は?~髪の毛を溶かす溶剤とエメラルドの屈折率が同じ・・とは!
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最近話題の「印鑑」の問題ですが、印鑑偽造疑惑から大事件に発展する驚愕のどんでん返しが楽しめる万能鑑定士Qの事件簿10巻はもう読みましたか? 1、2巻の続編なので、まずはそちらから、と言いたいところですが、3巻、6巻、9巻もぜひ読んでほしいですね。
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開業したばかりの頃、どうして莉子は知性が伸びたか。
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莉子の開業して間もない頃の1、2巻の前日譚プラスの今まで出た巻の色々がチョロチョロ。
知識はあるもののその活かし方が上手くいかず、騙される莉子に対して師匠である瀬戸内がモノの考え方、思考術を身につけさせようとする。実際あのやり方であの莉子が出来上がるとは思わないが、思考の転換、展開に広がりは出来るのかなぁ。いや詐欺対策にはなりそうにはないが。まぁいつものように苦労しつつも悪人が成敗されると気持ちいい。現実がそうでないので