万能鑑定士Qの事件簿 XI (角川文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784043836529

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「万能鑑定士Qの事件簿11」3

    著者 松岡圭祐
    出版 角川文庫

    p150より引用
    “「信者の二文字を横に並べてごらん。儲か
    るって字になる」”

    目次から抜粋引用
    “祈願文
     禅問答
     四条大橋
     大仏
     観音菩薩”

     多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
    鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
     バスの中の女性がざわめく程の美男子・水
    無施瞬が、実家の寺へと帰った。両親や寺の
    様子を見て、彼が思いついたのは…。

     上記の引用は、実家の寺を立て直した若き
    住職の言葉。
    なかなか面白い事を言うなと思います。表向
    き道徳的な事を口にしていても、建物や身に
    つけている物を見れば、この言葉のように
    思っているのかも知れないな、と考えてしま
    う人が見て取れます。上手く行っていない人
    間の、やっかみかもしれませんが。
     主人公と同じ人物を師と仰ぐ強敵が出現し
    ます。ここまでのシリーズの中でも、一、二
    を争う漫画向けのエピソードなのではないで
    しょうか。主役級の登場人物も敵役も、ス
    ラッとした美形という設定は、漫画になって
    も紙面が華やかでしょうから。

    ーーーーー

  • 気楽に楽しめる読み物ではあるけど、
    ミステリーとしては緊迫感がないのがちょっと・・・。

    今までと比べて恋愛色がついてきてますが、
    わざと鈍感なふりしてる感じになっちゃっています。

  • 莉子みたいな人がたくさんいれば、もっと世の中は素晴らしくなるのにと思った結末だった。
    莉子が麻耶に焼き餅妬いたのが印象的。そういうのに小笠原が気付けばすぐに関係は進展するのに(笑)
    そして、まさかの市原市登場(笑)今、そこに住んでる身としては嬉しかったな。大仏あるなんて知らなかった。
    時間は華蓮が出るみたいで、楽しみ!ヨゾラと合わせてお気に入りのキャラ。

  • 京都編。兄弟子でもある音隠寺住職・水無施瞬との対決。女性が恍惚として我を忘れそうになるほどのイケメンって。罪な男(笑)。小笠原が嫉妬してしまうのも致し方ない。莉子が「劇的ビフォーアフター」よろしく、おんぼろアパートを変身させていくところが面白かった。東日本大震災で倒壊した「奈良の大仏」にはビックリ。

  • 水無施という強敵が登場!
    兄弟子との対決にワクワクします。
    小笠原くんと莉子の恋愛模様も気になります。




    わずか5年で京都随一の有名スポットになった音隠寺。そこは、あらゆる願いがかなう儀式で知られていた。京都に赴いた凛田莉子は、住職・水無瀬瞬によるトリックをほぼ見抜くが、決定的証拠を握れずにいた。止められない瞬は、次の話題づくりに安倍晴明の式盤を狙う。所在不明の式盤を密かに探し、盗むつもりだ。「国宝」にたどりつくのは莉子か瞬か?かつてない敵を相手に、究極の頭脳戦が始まる。書き下ろし「Qシリーズ」第11弾。(BOOKデータベース)

  • 莉子の兄弟子である、水無瀬瞬。
    思考の仕方は瀬戸内店長から教えてもらったものなのに、莉子に比べると商才があった、ということになるのかしらね。
    日本人は無宗教者が多いから、時流に乗ればみんなこぞって参詣するとはいえ、数年で観光バスが止まるような観光名所にするなんて、ちょっと工夫するだけじゃだめだものね。
    観光名所を作るには、メディア戦略がいかに大事か、ってのがよくわかるわ。

  • 爽やかに後腐れなく終わり方は好感が持てるが最初からそりゃないよ、という設定が続く事により読むのが億劫になる。
    いくら情報化社会とはいえ、地方のテレビ局が伝えた予言的な物で5年でそんなに沢山の人々を集め、巨大寺社仏閣とかたを並べる様にはなり得ん所から、あまりにチープな改装で借り手が見つかるとは思えない。逆にそんなん借りたあとでそのチープさだと要らない。家具家電付きも要らないとおもうのだが。糸瓜水にいたってはそんな常識知らずに皆んな取引してる訳ないじゃん。
    と、主の筋以外で変なお話で、本筋はまぁあまり今回は激しい事もなく一件落着。

  • 水無施との頭脳戦。もっと嫌な奴かと思いきや後半でがらりと印象が変わる。携帯FAXなどを使ったトリックは本当に上手くいくものなのか半信半疑であるものの最終的には巧く纏まっていたと思う。
    莉子と小笠原の関係も程よく近づいている。恋愛話はあまり得意ではないが彼らの関係は何となく爽やかなので読んでいて嫌みがない

  • 記録

  • 舞台は京都。兄弟子、水無瀬瞬との対決。
    いつも通り読みやすく、知らない知識に溢れた小説だったけど、心情的に莉子より兄弟子の方が共感できた。
    莉子は兄弟子が悪いことをしている、詐欺師だから暴いてみせる、というスタンスだけど、そんなに悪いことしてるのかな?と終始疑問だった。
    終盤の窃盗は犯罪かもしれないが、奇跡のように見せかけて集客を狙ったとしても、両親の借金が返済され、客も幸せそう。同業者は面白くないかもしれないが、かつての瀬戸内さんと同じとまでいうほど悪いことなのか。神道や仏教信者への侮辱かもしれないけど、神社や寺はもはやエンターテイメントとしての側面があることは誰もが納得せざるを得ないし、兄弟子は自分の力で成功しているだけでは?と。
    今回は具体的な被害者がいないから、どうして莉子はそこまで…と引いた気持ちになる。
    とはいえ、莉子がいなければ終盤で兄弟子の命はなかったかも、と考えると莉子が首をつっこんだことに意味はあったのだと思われる。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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