宇宙のみなしご (角川文庫 も 16-8)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043941087

感想・レビュー・書評

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  • 爽やかな読み口
    ほぼほぼ4人の登場人物で構成されたお話は
    読みやすく、何より潔い。
    「カラフル」もあとあと心に響く作品ですが、
    この作品も読む年齢で感じ方がずいぶん変わると思うので何回も読み返してみたいです。

  • もともと短い話だったことに加えて、テンポ感も良く、また登場人物たちの掛け合いが面白くて、サクサク読めてしまった。
    面白かったけど、あっと言う間に読み終えてしまったので、この作者の他の作品も今度また読んでみたいなぁ。

  • 面白かった!一日で読み終えてしまった。こどもたちの興味深い行動が随所にあって、どのように展開するのかわくわくしながら読めました。

  • この作品にはユーモアあり、詩情あり、文章も作者の若々しいセンスに満ちています。夜の空気感や雰囲気の描写が透き通っていて綺麗ですね。夜空を見上げる心のゆとりを思い出させてくれたような。数々の賞を受賞したこの作品。ラストは爽やかで、心が洗われるような気持ち良さがあります。

  • 私達は皆、宇宙のみなしごだから、本当はいつだってひとりぼっちで、自分のことは自分で切り抜けていくしかない。そんなことはきっと誰だってわかっている。だけれど一人で出来ないことは決して恥ずかしいことではないのだ。遊びだったのに、普段から無視する周囲からは理解されるわけもなく、自殺失敗だなんて同情される。それでも、落ちるつもりじゃなくて登ろうとしていたことにちゃんと気付いてくれてる子もいた。なんだ、君は一人じゃないじゃない。宇宙の暗闇に飲み込まれてしまわないように、ちょっと休憩、手を繋いで遊びに行こうか。

  •  ホッとする優しさに包まれる。
     中学生ぐらいの年頃に、ちょうど自分に素直になれない自分に気づくのかもしれない。なるほど。
     気づかせてくれるのは友達。そうそう。
     忘れていた感覚です。
     作者の視点でいくと、素直になれない自分に次々と衣を着せて、いろいろな顔を持つようになるってのが、大人って事かもしれない。
     こねくり回さず、ストレートに気持ちが伝わる児童書は、明日に向けてのエネルギーがあるなぁ。夜空って素敵。
     陽子の気持ちを足踏みで比喩しているのも、楽しい。

  • とてもせつなく感じました。それでいて懐かしいような・・・自分も子供の頃、屋根に上りたいと思ったことがあったなぁと思い出す。屋根に上って宇宙を仰ぐ感じがせつなくてキュンとなってしまいました。一気に読めて、でも心に残る良いお話でした。

  • 夜の屋根って想像するだけで不思議な世界。
    陽子とリンの屋根遊びが、人を惹きつけるのもなんだかわかる。この遊びはとても魅力的だ。わたしもやりたい。

    大人になると自分の悩みで沢山で、友達のことで悩むのはあまりない。この表現がなかなか鋭い。

  • 屋根に上って星を見る。特別でものすごくこっそりと格好よくて。小学生のころから、こんな屋根に、ものすごく憧れていました。読み返してみると、いろんな言葉が刺さってきます。

    「一番しんどいときはだれでもひとりだと知っていた。」

    いまがふんばりどきかな

  • 中学生の仲のいい姉弟が夜中に屋根にのぼる遊びを思いつく。
    そして、ひょんなことから姉のクラスメイトの女の子と男の子も参加することになったり、ちょっとした事件が起こる。

    ただそれだけの物語なのだが、夜中の屋根の上という設定のせいか、星空の様子やひんやりした空気感や、少し悪いことをしているというドキドキ感が手に取るように感じられて、なんだか青春時代にタイムスリップしたような、こそばゆい気持ちになる。

    1日で読める量なので、静かな夜にゆっくり読むのがおすすめ。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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