ミュージック・ブレス・ユー!! (角川文庫 つ 11-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.84
  • (81)
  • (98)
  • (78)
  • (22)
  • (1)
本棚登録 : 970
感想 : 108
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944477

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルと装幀のポップさに惹かれ購入。あんまり読んだことないジャンルかも。たまにはこんな感じのもいい。

  • ちょっと変わってるけど、でもどこかにはいそうな個性を描くことに関しては、この人は天才なんじゃないかと思うくらい著者に心酔しています。

  • うーんやっぱりこの人が描く女の子は好きだなあ。
    社会人女性だと苛々してしまうだけの立ちゆかなさも、それが高校生だと惜しみなく愛しい。

  • 自分も環状線沿いの高校にかつて通っていたので(場所は少し異なりますが)、お話の中に出てくる風景が逐一記憶の中のものとリンクして楽しく読んだ。
    アザミとチユキの暴れっぷりが爽快。バカをしながら、もがきながら、少しずつ大人になっていく。青春っていいなぁ、と思わされた。それと同時に、失われていくものに少し胸が痛んだ。

  • アザミと親友チユキの高校生活。2人ともタイプは違うけれども,問題児と言われる子なのかもしれない。でもこの2人の誠実さというか,自分が正しいと思うものを信じる気持ちに心を打たれる。印象に残ったのは

    「こんなことでそんな抜け道探してたんやったら,ずっとなんでも半端にしか楽しまれへんやろうね」というチユキの言葉。

    要領とか損得とか関係ないところで2人は動く。痴漢に立ち向かう,女の子にひどいことをいった男子高校生に仕返しをする,友達を傷つけた人と喧嘩をする。もちろん良いことばかりではないんだけど,作者に「行動しろ!」と言われているような気になる作品。

  • 『世の中には趣味的なものも他者も一緒に手にできる幸運な人もたくさんいて、それは、両方持っている人、他者を持ってる人、趣味的なものしかない人、の順に人間の序列は決まっている』

    不器用だけど(だから?)流されない、津村記久子の主人公たちが好きだ。
    自分と似てるけれども違うところ。

  • いいなあ。すごくいいなあ。
    あからさまな成長物語ではないし、そもそも主人公は作中でなにひとつ手にしていない、失敗に始まり失敗に終わってるんだけど、逆にそれがすんごくいい。
    物語の底辺に流れ続ける音楽が、腹の底に響き続ける、気持ちのいいお話。

  • タイトルにすべてがあらわれている。音楽と本がわたしのお守りだ。そして友達。(猫がいれば完璧!)

  • 面白かった。
    文庫の解説もよかった。

  • すんごい好き。
    津村記久子小説は、八番筋カウンシル→作家の口福(エッセイ)→ワーカーズダイジェスト→ポトスライムの舟(文庫)の番で読んできたけど、今現在いちばん好きかも!

    今は好き過ぎて感想書けないので、以下、叫びながら悶絶した文章のほんの一部。

    ‘音楽室に入っていく吹奏楽部の部員を横目で見ていた。彼らはいつも大人数でつるんでいて、楽しそうでいいな、と心の表層だけでその羨望を転がしていると’

    アヤカちゃんを痴漢した男をアザミが撃退した後の場面で
    ‘あいつらはいい、とチユキは言う。あいつらがずるいのは、誰もあいつらに欲情したりしないからだ。あいつらがあまりに汚いんで誰もあいつらを辱めることに興味がないからだ。’

    ‘音楽がそこにあるとはどういうことだろうと考えた。背後でドアが閉まる音を聞きながら、アザミは、今はヘッドホンをかぶっていないし、何も持っていないし、これからもそうだけど、自分はひょっとしたら、音楽を聴いたという記憶だけで生きていけるのではないかと思った。’

    それとロッキンオン・RO69の兵庫氏の解説にビックリ。
    私、兵庫氏がブログで「婚礼、葬礼、その他」やsightのインタビューとかでえらく注目&褒め称えていたので津村作品を読み始めたという経緯があるので解説はめちゃくちゃ嬉しかった。

    本文最後の方の、
    ’言いたいことができたらトノムラはまた自分をつかまえるだろうと思った。’

    かっこいい…。

全108件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

津村記久子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×