宗教と暴力 激動する世界と宗教

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044003630

作品紹介・あらすじ

●第1部  対論
宗教は人を殺す思想とどう対峙するか
池上彰/佐藤優

●第2部 講演
・中東の紛争イスラーム過激派とテロリズムの論点整理 高岡豊
・信仰があってもなくても、人は人を愛し、人は人を殺す 石川明人

●第3部 総合討論 
・「宗教と暴力」にどのようにアプローチするか 松岡正剛
・パネルディスカッション
松岡正剛/池上彰/高岡豊/石川明人/佐藤優

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ『宗教と資本主義・国家 激動する世界と宗教』のもとになった5名の文化人によるシンポジウム、その第二回が一か月後に開催されました。

    池上彰さん佐藤優さん松岡正剛さんは前回と同じ、
    それに若手が、今回は
    「宗教学・戦争論専門の石川明人さん」と
    「中東に詳しい高岡豊さん」になっています。
    第三回もあったそうで、おそらく同じ形式になるのではないでしょうか。

    それでやっぱり私は佐藤優さんのところが面白かったし、
    パネルディスカッションでは若手は佐藤優さんに頭が上がらない印象を受けました。
    いっぽう佐藤優さんは池上さんにもポンポン言います。
    池上さんは上手に対応します。
    この点も興味深いです。第三回の発行が楽しみです。

    佐藤優さんは
    「自分たちの信じる宗教のために自分の命を捨てる覚悟があると
    他者の命を奪うことに対するハードルが低くなる」
    と指摘しました。

    それは「宗教」以外でも言えると思う。
    怖いです。

  • アイデンティティがどこにどれだけ存在するのか、どのスタンスからそれを考えるのか、によって捉え方はそれこそ人の数だけ細分化されてしまうのではないか…というとりとめなさを感じました。
    本書を読むことによって「宗教と暴力」について自分なりの考えがまとまる?どう考えるべきか?自分の意見が持てる?と思っていましたが逆にもっと混沌としてしまった…ような…(苦笑)

    本書においても議論は未だ未だ途上である、議論は尽きるどころかこれからだったのにという印象。
    本書の印象だけ言えば松岡さんという先生は容赦がないな、ということと池上さんはさすが場をまとめるのが素晴らしく上手でいらっしゃるということでしょうか(笑)

    第一弾とこのあと第三弾もあるとのことでそちらも読んでみたいですが…手に取る機会がありますでしょうか…

  • 「宗教と暴力」について、バックグラウンドの異なる5名が展開するディスカッション。様々な視点から言及してて理解が深まる。難しい話だけど、聴衆(読者)が迷子にならないよう適宜サマリを挟んでくる辺り流石のプロ。
    本編から逸れるけど、「成り注(成り行きが注目される)」はNGワードっていうの面白い。注目してるから分析や検討をしていかないといけないんだって。私も気をつけよう。
    あとは覚書き。

    ・命を捨てる覚悟があると、他者の命を奪うことに対するハードルも下がる。
    ・現代だとISを筆頭にイスラム教が暴力的に見えるけど、歴史を振り返ればどの宗教も暴力的な側面を持っている。また、そもそも初期の宗教は暴力を否定していない。否定し始めたのは現代。
    ・預言者は残虐な神を説得する必要がある。だから論理学が発達した。

    あとがきの池上さんの文章が胸に刺さる。

    QT)自ら信じる宗教に命をかけることができる者は他人の命を奪うハードルが低くなるという傾向があることは前述の通り。であるならば、信じる宗教のために我が生命を大切に扱い、他者の命もまた大事にする。その論理を普遍化することが、今後の課題なのではないか、という重い宿題をいただきました。(UQ

    このシンポジウム行きたかったなぁ。またやらないかな。

  • シンポジウムをまとめる形式の対話型の本。
    なんか評価低いけど、宗教に対するいろんな視点があっておもしろかったけどなー。


    「北朝鮮だからしょうがない」「〇〇だからしょうがない」は思考停止であり分析ではない。

    「殺しあう人数が足りないから紛争が止まらないかもしれない」という分析。第三者の介入ではなく、内部から殺しあうのは嫌だという感情がわかないといけない、というのは衝撃的な考え方。

    エキュメニカルとファンダメンタル

    人間の心の構造はどうなってるかわからないと宗教と暴力の問題は解決できない。心理学が大事。

    テロリストと構成員は異なる。政治的思想を持ち得ない者はテロリストではない。

    宗教において自分の命を投げ出せる者は、他者の命を奪うことにも抵抗が少なくなる。

  • 討論会のまとめ本。深みに欠ける。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/618212

  • 宗教と暴力の対比と関連が 非常に難しいと思う 暴力の定義づけが よくわからない

  • 「従軍牧師・従軍司祭」の存在が興味深い。原爆投下の成功と、無事の帰還を祈ったとか。宗教と暴力は歴史的に親和性が高いのだが、なぜ最近の宗教は非暴力を訴えるのか?という逆転の発想が面白い。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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