銀座アルプス (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 117
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005856

作品紹介・あらすじ

近代文学史の科学随筆の名手による短文集の傑作。「電車と風呂」「鼠と猫」「石油ラムプ」「流言蜚語」「珈琲哲学序説」他30篇。写生文を始めた頃から昭和八年まで、寅彦の鳥瞰図ともいうべき作品を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 物理学者にして、随筆家であり、俳人。加えて音楽や絵画にも造詣が深く、もうこれは知の巨人としか言いようがない。
    エッセイの楽しみのひとつは、著者の空想や妄想を辿ることにあると思っているのだけれど、本書では空想にもある程度の科学的根拠があるから、凡人から見ると空想になっているようには見えない。ましてや、妄想の欠片などどこにも落ちていない。ならばというわけで、酒に酔わせて酔客の戯言を引き出してみたいとの邪心を覚えたのだが、下戸だというからこれも叶わず。
    どこかに付け入る隙はないものか。

  • 夏目漱石と寺田寅彦--サイエンスとアートのハイブリッド的視座 - ZDNet Japan
    https://japan.zdnet.com/article/35111896/

    銀座アルプス 寺田寅彦:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000010/

  • ようやく、開くことができたという感じ。

    あの時代を生きた人のエッセイは今の時代すべてを理解することはできないかもしれないけれど。それでも、と思う。

  • 明治〜昭和初期にかけての日常のあれやこれやを著名な物理学者おじさん(おじいさんか)が好き勝手に考察して書く随筆。
    当時の男性の書く文章で、やや難解だったけれど非常に面白かった。当時の世の中のこともわかり、とにかく大変に興味深い。
    飼い猫のこと、絵画のこと、地震、火災、庭の植物、映画、音楽、ラジオ、研究、そして東京という町…。おじさんの興味は多岐に渡り、それらについて、驚くほど現代にも通じる感性で語られている言葉たち。
    人間の営みの変化する様と同時にその普遍性を強く感じた。

    そして、この人は現代に生きていたら間違いなくスタバで論文を読んでるおじさんになっていただろうな、などと勝手に想像して笑った。

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著者プロフィール

1878–1935
東京に生まれ、高知県にて育つ。
東京帝国大学物理学科卒業。同大学教授を務め、理化学研究所の研究員としても活躍する。
「どんぐり」に登場する夏子と1897年に結婚。
物理学の研究者でありながら、随筆や俳句に秀でた文学者でもあり、「枯れ菊の影」「ラジオ雑感」など多くの名筆を残している。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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