草木とともに 牧野富太郎自伝 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.20
  • (0)
  • (7)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 111
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044007096

作品紹介・あらすじ

「植物は人間がいなくても、少しも構わずに生活することができるが、人間は植物がなくては一日も生活することができない」(「牧野一家言」)。近代植物分類学の権威である牧野富太郎は、独学で植物学をおさめ、数多くの新種を発見した。50万点もの標本・観察記録や『牧野日本植物図鑑』などの著作も残している。94年にわたる生涯のすべてを植物研究に捧げた彼の人生に沿いながら選ばれ、編まれた名随筆集。解説・いとうせいこう

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 朝ドラで植物学者である牧野富太郎の話が放送されています.牧野富太郎は、日本の植物を調査研究し、1500種にものぼる植物を新種として発見、命名しました.薬学部の皆さんに薬の基となる植物に関心を持ってもらえたら嬉しいです.

    高取(木下)薫(生薬学)

    https://kensaku.my-pharm.ac.jp/opac/volume/272255

  • 朝ドラの「らんまん」の影響で読み始める。
    朝ドラの万太郎とは少し違う印象。

    そりゃそうか...
    特に植物の名前に当てられた「漢字」には厳しく言及されている。
    読み込んでちゃんと知識として身につけば「豆知識」として
    人前で披露できそうな事柄が多かった。

    学者、パイオニア...だもんなぁ〜
    そりゃ厳しいは...
    そう、とっても厳しい一面もあった人なのではないかなぁ〜と想像しながら、やっと読み終えた...。

  • 20221025035

    94歳にして好奇心旺盛な牧野博士。面白い人物による面白いエッセイ。

  • 想い出すままに:
    幼少のころ
    地獄虫
    狐の屁玉
    寺子屋時代
    永沼小一のこと
    火の玉を見たこと
    佐川の化石
    自由党脱退
    東京への初旅
    狸の巣
    三好学博士のこと
    池野成一郎博士のこと
    破門草事件
    イチョウ騒動
    矢田部教授の溺死
    西洋音楽事始め
    ロシア亡命計画
    わが初恋
    ムジナモ発見物語り
    貧乏物語り
    すえ子笹
    哀しき春の七草
    大震災の頃
    川村清一博士のこと
    桜に寄せて
    長蔵の一喝
    私の健康法

    自然の中に:
    石吊り蜘蛛
    昆虫の観察
    紙魚の弁
    盗賊除け
    あずさ弓
    万葉スガノミ考
    シーボルト画像
    小野蘭山の髑髏
    熱海の緋寒桜
    俚謡の嘘
    御菜葉考
    ニギリタケ
    アケビの実
    霊草マンドレーク
    仰向け椿
    ユリ談義
    美男かずら
    オリーブのこと
    不許葷酒入山門
    ナンジャモンジャの木
    親の意見とナスビの花
    用便の功名
    秋田ブキ談義
    中国の烏飯
    スミレ談義
    地耳
    珍名カッペレソウ
    水仙一席ばなし
    サフラン渡来考
    ヤマノイモ談義
    谷間の姫百合
    浮き草を眺めて
    正月の植物

    牧野一家言:
    牧野富太郎著書目録
    牧野富太郎伝記

  • 2022 牧野富太郎自伝

    1956年10月、急性腎臓炎で倒れた牧野が病床でまとめた自伝

    今年95歳になる〜と自分でも書いているが、それは数え年で、実際は94の時に、書いたり、まとめたりしたものらしい

    幼年の頃のことを、詳細に覚えているのがすごい
    特に人の名前をきちんと記憶している
    草花との思い出があるからなのか?

    きのこの名前に詳しい下女に、たびたびへこまされたなどという思い出もきっと本当に悔しかったに違いない

    自由党脱退などのエピソードは、富太郎らしいというか、大胆な行動で驚く

    初めての東京、そこまでの経路、足を伸ばした日光
    いずれも詳しい

    本郷春木町のお菓子の名前 ドウラン

    ところところまざる「いけん」という方言

    植物学雑誌が、武士で〜雅文体、精錬されている
    動物学雑誌が、町人〜文章稚拙

    率直な人である

    石版印刷を習う

    初恋 寿衛子(すえこ)さん 菓子屋の次女
    石版印刷の主人の口ききで、めでたく結婚

    朝ドラでは誰がすえこさんになるのだろう

    貧乏物語は、有名なところ

    すえこさん、55にして亡くなる
    笹の新種にすえこさんの名前をつけるほど、
    大事に思っていたらしい
    それと墓碑に自作の句を刻む
    折に触れ、句を読む
    東大泉の家を植物標品館にするのはすえこさんの夢であった

    長蔵の一喝は、面白い一節
    尾瀬の採取のことが読売新聞に出たのだが、
    内容はデタラメだとのこと
    尾瀬の主の長蔵に一喝されたとの報道は嘘
    しかし、牧野が採集に行く先では、少々煙たがられていたのではないかと想像がつく

    私の健康法には笑わされる
    ストリップショウを見に行ったこと、ストリップガールと写真を撮ったこと
    若い女はええものであるとの記述 笑笑
    「長生きのために若い女性に接するのは少しも悪いことではあるまい」だそうです

    紙魚の弁 紙魚(シミ)
    紙魚の弁護、フルホンムシ(甲虫の種類)の方が本の害になることを力説
    それもそのはず、貴重な資料を、食ってしまう奴だから。

    万葉集のあずさ弓
    このアズサは日本特有の植物
    梓の字を当てるのは間違っている
    梓は支那の木王もいう木、梓より良い木はないという百木の長
    だから、上梓(じょうし)するという言葉がある

    アズサは別 ミズメ、あるいはヨグソミネバリ

    万葉集スガノミ
    「真鳥住む卯名手の神社の菅のみを
    衣に書き付け服せむ児もがも」の菅のみはヤマスゲ
    麦門冬のこと、と理解されてきたが〜
    これでは染められないので
    スガノミはガマズミ!染められる ズミが染みからの言葉

    万葉集も植物学から見ると変わってくる

    ナンジャモンジャの木

    霊草マンドレーク 別名マンドラゴラ
    有毒植物 麻酔、吐剤、下剤、鎮痛剤
    催眠剤
    日本にきたことはない
    「ロミオとジュリエット」「マクベス」「アントニーとクレオパトラ」に出てくる

    スミレは菫でも、菫菜でもない、墨斗(すみいれ)の形からでた名
    菫はセロリー、オランダミツバ、キヨマサニンジンわ

    正月の植物
    門松〜雄松(クロマツ)と雌松(アカマツ)
    竹は歳寒三友の一つ いつも青々
    しめ縄の意味〜邪気祓い、心の曲がらぬ意味
    ダイダイ〜代々

    裏白 シダ 常に葉色が変わらず剛い


    牧野一家言
    世の中を指導する立場にある人は、その指す物の名称を正しく云って、世人に教うる責任がある。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1862年(文久2年)土佐国佐川村(現、高知県高岡郡佐川町)の裕福な商家と酒造業を営む家に生まれる。三歳で父を、五歳で母を失い、祖母に育てられる。幼少時から植物に強い関心を示し、小学校を2年で中退、好きな植物採取に熱中する。19歳の時、初めて上京し博覧会を見る一方、書籍や顕微鏡を購入する。22歳の時(明治17年)に再び上京し、帝国大学理科大学(現、東京大学理学部)植物学教室に出入りし、文献・資料等の使用を許可される。自ら創刊に関わった「植物学雑誌」に新種ヤマトグサを発表し、日本人として初めて新種に学名をつける。94年間の生涯で収集した標本は40万枚に及び、新種を初め1500種以上の植物に命名し、「日本植物分類学の父」と呼ばれる。

「2023年 『オリジナル普及版 牧野日本植物圖説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

牧野富太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
エラ・フランシス...
宇佐見りん
又吉 直樹
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×