- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044007164
作品紹介・あらすじ
NHK「100分de名著」で出会った本から伊集院光が3冊を厳選。名著をよく知る3人と再会し、時間無制限で新たに徹底トークを繰り広げる100分de語りきれない対談、好評第2弾! 松尾芭蕉『おくのほそ道』、デフォー『ペストの記憶』、コッローディ『ピノッキオの冒険』を収録。
感想・レビュー・書評
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前作が面白かったので、続編も読んだ。
伊集院光さんと俳人の長谷川櫂さんによる、松尾芭蕉の句の解釈鑑賞は、学生時代に学んだはずの記憶とは全く違い(忘れているだけかもしれないが)、こんなに広い世界を持っていたのか!と心を揺さぶられた。
『ピノッキオの冒険』は、ディズニー映画しか知らない私にとって新鮮であった。
ひねくれ者としては、ぜひ読んでみたいと思った。
円楽さんへの想いが込められている、あとがきは温かな心にさせてくれた。 -
ちょうど芭蕉を授業中。でも教科書に載るぶんしか読んでなかったことに気づきました。
ピノッキオの冒険、ペストの記憶、読んでみたいです。 -
名著の話第二弾。
番組のファンなのでつい購入してしまう。
伊集院さんがおくのほそ道をこんなにお好きとは知らなかった。
最後のあとがきが素晴らしかった。
こんな偶然がと思ったけど、
おくのほそ道同様盛ってるかも。
その現実とフィクションのあいまいさが面白い。 -
シリーズ前著もすごく面白かったので、今回もほくほくと読み始めた。『奥の細道』『ペストの記憶』『ピノッキオの冒険』が扱われている。まず選ばれた作品に対して、それが来るの?と思った。『ペストの記憶』はまあ、世相というものがあって、選ばれても納得。でも、後の二冊は?
『奥の細道』は、諄々と語りをつなぐようでいて、ここぞというところに短詩型で、ぐっとフォーカスして切り取った、心動いたものを提示する。それは、タレントとしての伊集院さんの達者な語りの中に、ここを聞かせたい!(あるいは効かせたい!)と思ったところを、ぐっとパッショネイトな『盛った』表現をするのと似ているのかもしれない。『あとがき』に、芭蕉の句碑の前で、故・円楽師匠のために号泣なさったとあるから、楽しい普段の語り口とは別に、伊集院さんの中にある、閑とした心境、深い静けさというか…情の熱さと賢明さの交差する部分にも響いたのだろう。
『ピノッキオの冒険』については、読まずにおとなになり、ディズニー映画も好きでなく来た私であるので、本当に何も知らず、この本で概要を知ったていたらくである。対照される『クオレ 愛の学校』も同様に読んでいない。こちらは、なんとなくタイトルが虫が好かなかった。子供時代から、ひねくれたガキンチョであったのだ。手元にあったのに、読まずにお友達にあげてしまった。
ただ、鮮明に覚えているのは、灰谷健次郎さんが、ご著書のエッセイ(『島へゆく』か『島で暮らす』のいずれかであったと思う。母の蔵書にあったものを読んだのだが、なんとも記憶が定かでない。)で、『クオレ』を、非常に差別的であり、貧しい悪行の少年とされる人物の、いかにも悪く性根の汚げな描写と、主人公の裕福で曇りない、方正な描写が対照的で、こどもに本当に心を寄せた文学ではない、という趣旨の批判をしていらしたこと。大変舌鋒鋭く、憤懣やるかたないという印象を、初読の時から強く持った。今回この『名著の話』でも、『クオレ』には、なかなか厳しい批評が加えられている。しかし、興味深いことに、指南役の和田忠彦氏は、『クオーレ』の岩波文庫版をも訳しておられるのだ。これは、すごく興味深い指摘ではないか。ふたつの作品の何が、どう違うのか。どこが評価されて両者読みつがれてきたのか。あなたは、知りたいとお思いには、ならないだろうか?
読書案内の本というのは、とにもかくにも、紹介した本を読む気にさせてなんぼである。高尚である必要もないし、小難しい必要もない。出会ったその本に寄って行って、ためつすがめつ、その率直な結果を、面白く伝えてくれることが一番の使命である。その意味でこのシリーズ、楽しくて楽しくてたまらない。そして出てきた本はことごとく、読みたくなるのだ。自分がえらそうにここで色々書いてるけど、名著を死ぬまでに何冊友だちにできるか。解っていない本がたんとあるのが、こんなに嬉しくなるなんて。いいのかしら。いや、いいのだ。最高のお楽しみが、まだまだ私を待っている。早く次のシリーズが出ないかなあ? -
毎回のように、テレビで見ている"100分で名著"の裏話。伊集院さんの素直な謙虚な感想が、すごくわかりやすく読み解いてくれている。
ぶっちゃけの感想もなかなか。読んでいて楽しかった。 -
100de名著で取り上げられた本を、伊集院光と紹介者とが対話形式で読み解いていく本。
本の紹介というよりも、本のこの部分を語り合うと言った方が正しい気がする。
ラジオでのトークを聞いて読む。
一番気になっていたキノッピオがやはり好き。
童話作家としてのしっかりとした下地と風刺作家として見方、突き付け方が、道徳的ではないけれどちょっと立ち止まらせる内容になっている。
借金を返すために鬱憤を反映させた前半、請われて自分が反映しだした後半。
善人も悪人もおらず、勧善懲悪でもなく、言い訳も語らせない。そこが好き。 -
ピノッキオの冒険、これは必ず原作を読もうと思いました。比較されてる「クオーレ」も。
ピノッキオの原作者があんなトンデモ人間だったとは初めて知りました。忠実に再現されてるほうの(笑)ピノッキオの映画も観たいと思います。
伊集院さんのあとがき、泣きそうになりました。こんなことってあるんですね。 -
松尾芭蕉の『おくのほそ道』、デフォーの『ペストの記憶』、コッローディ『ピノッキオの冒険』の三作品について語る。「おくのほそ道」って、実は話をもっているところあるんだぁ、とか、ピノッキオ、人間になったあと、木の時の自分の体は動かなくなって転がっていたんだとか、しらなかった話に妙に感心した。
ただ、一番印象に残ったのは、伊集院光氏が師匠である三遊亭円楽の死後について語った話。おりあいをつけたつもりで、執筆活動ができず、なんかもやもやしたまま思いつきで石川県を訪れる。そこでみた松尾芭蕉の石碑の俳句に号泣し、その勢いで本書の原稿を書いたとか。喪のプロセスというのは、人それぞれたどらないと次へ進めないということなのかもしれないな。