機動戦士Z(ゼータ)ガンダム〈第5部〉戻るべき処 (角川文庫―スニーカー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044101084

作品紹介・あらすじ

宇宙世紀0088。反地球連邦組織"エゥーゴ"と、連邦軍内の急進派反乱軍"ティターンズ"、旧ジオン軍残党"アクシズ勢力"の三つどもえの戦いは、終局に向っていた。コロニーレーザー砲をめぐる"グリプス戦役"の中、ニュータイプ戦士カミーユ・ビダンは戦いで散った人々の命を吸い、さらに大きな存在となってゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 最終決戦で敵味方ともにバンバン人が死んでいく中、カミーユはそれらの人々の意思をZガンダムに取り込んでいく。そして•••
    アニメ版と違い、ロングビームサーベルやウェブライダー特攻の描写は無い。結末も多少違う。その代わり心情描写が細かく、ファンにとっては補完になる。
    前作のガンダムにしても、Zガンダムにしても、ニュータイプという人類の理想像を目指しつつも、結局は戦争マシーンとして機能してしまい、挙句にはマシーンに翻弄されてしまう絶望みたいなものから抜け出せない。次作では救われるのだろうか?

  • 小説版ファーストに比べれば、大分読みやすいし、話のプロットも面白いです。

    でも、読みにくいことには違いない。

    5部の最後の100ページくらいが、忙しない感じでズンズンとすすんでいきます。

  •  Ζガンダムの最終巻。月の近くでティターンズとエゥーゴとアクシズの三つ巴の戦い、そしてパプティマスシロッコは第四の勢力としての動きを見せてさらに敵味方関係は複雑になる。やはりアニメを見てからでないと話の描写についてゆくのは難しいように思う。

  • アニメは小学校の頃に見たし、劇場版も見ていたから知っていたけど、ラストシーンに近づくにすれてバッタバッタと登場人物が死んでいく。
    でも、ラストはアニメ版とも劇場版とも異なっていた。

    富野由悠季がガンダムで伝えたいことって何なのだろう?
    根底としてあるのは、いつでも人種差別問題。アースノイドとスペースノイド。母なる星に住むアースノイドは、宇宙へ暮らすスペースノイドを見下す傾向にあり、その反発が戦争に変わる。戦争を起こす両者に正義があり、そして協調がない大人たちは両者が互いに敵となる。
    それと、その戦争に巻き込まれる少年。その少年は少年であるがために、純粋な子供気持ちがあり、また大人たちに現実を突きつけられて、その狭間で足掻いていく。足掻きながら新しい道、人が建前でなく直感的に理解し合える、分かち合えるニュータイプという存在に覚醒していく。
    しかし、結局はそれも戦争の道具として消費されて消えていく。誰かの記憶に残りながら。

    現実と理想と可能性、そして相対的に見れば変わらない、しかし、絶対的に見えれば革新している、そんな現実をイメージさせようとしているのかな。
    飛躍しすぎ?

    内容は十分に面白かった。
    エゥーゴ、ティターンズ、アクヒズと互いに牽制し、策略を企て、三つ巴の戦いになっていく。
    その最終戦で次々と死んでいく。悲劇の主人公ジェリドも最後にニュータイプに覚醒したように思えるが、それに上回る急成長を遂げたカミーユに無残にも敗北する。
    カミーユなどの兄貴分であったアポリー中尉も戦死。カツも脱出ポッドに攻撃され、潰されて死亡。エマ中尉も死亡。エマ中尉が「まだ恋をしていない」と死に際に思ったことはアニメ版や劇場版では読み取れなかった。
    戦争中に 「・・・みんな死んでいく・・・。こんな死に方・・・嬉しいのかよ!満足なのかよ!誰が・・・誰が喜ぶんだよーーーー!」 とカミーユが叫べるのも大人に成りきれていない、戦争に利用されているためなんだろうな。

  • カミーユが、カミーユが_| ̄|○

  • Z完結。
    小説版をちゃんと読んだのは始めてだったので、色々と納得したりとか首をかしげたりとかしながら読みました(笑)。
    TV版と劇場版は見ているので、ロザミィの扱われ方とか終わりのあのあたりとかはちょっと視点が違ってて興味深かった。

  • 文学的に傑作
    ・Zガンダムの全五巻はアニメファンにとって違和感なく受け入れられる作品に仕上がっています。

    ・ガンダムの小説作品の中で最も、思想的背景を深く描いていながら、すんなりと読めてしまう
     文学的にも思想哲学的にも高度な作品であると思います。

    ・人の可能性と人の今までの限界、戦争と平和。人と組織。人と宇宙。
     示唆に富みながら、楽しめる傑作です。

  •  TVシリーズのノベライズ。小説で読むと、もっと深いです(笑) ちぃ、うるうるしてしまったぜ。それにしてもガンダムの世界観はすごいです。「砂の惑星」や「ファウンデーションシリーズ」に匹敵するものがあると、私は思います。ええ、贔屓の引き倒しですが。
     本文中、やたら「美しい」と表記されるシャア様。性別を問わず、素直に人に「美しい」と感じさせる資質っていうのは、貴重です。上手く言えないけど、美しいと感じるのは決して外見の問題ではなく、そういう資質の問題なのだ。そこんとこを、描ききってる富野さん。シンプルながら、上手い。
     ちっとも、感想になってないなぁ…(苦笑)

  • Zもいよいよ最終章です。エゥーゴとティターンズ、そしてアクシズの三つ巴の戦争も佳境です。やはり最終決戦というだけあって人がどんどん死んでいきますね。(中には生きている人もいますが)「まだだ、まだ終わらんよ」はZの中でも屈指の名台詞ではないでしょうか。そしてカミーユ…お疲れ様です。

  • シャアの逃げ足の速さは異常

  • 痛ましい終わり方でした・・・。

  • キャラクター小説という枠組みは踏まえつつ、宇宙空間に狂気が染み渡っていくような描写が描けているところに脱帽。
    恐らくは小説というものを書くための訓練をしていなかった人間が、これほどのものを書けてしまう、という事実は驚嘆に値する。(脚本を書いていた、という経緯があるにしてもだ。)この当時のトミノ監督はまさにキチ○イとしかいいようがない。

  • SF小説として最高の作品だと思います。富野監督が表現したかったものはすべてこの「Z」のノベルに詰め込まれているなあと思いました。オススメです!

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著者プロフィール

とみの・よしゆき 「機動戦士ガンダム」シリーズの総監督にして原作者。多くのヒットアニメシリーズを手がけているほか、ノベライズ、オリジナル作品も含めて50冊以上の著作がある。

「2010年 『リーンの翼 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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