シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と白の貴公子 (角川ビーンズ文庫 73-3)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年11月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044550233
感想・レビュー・書評
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相変わらずの爽やかで骨太な職人さんの物語。アンやシャルのココロの変化や戸惑いにきゅん。キースのことは嫌なヤツに違いないと全力で疑ってかかってました・・・すみません。ある意味ここからが始まりの物語ですが、はたして。
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“「にやにやするな。おかしな顔が、さらにおかしい」
塩漬けにした魚のスープを目の前に、シャルがずけっと言う。
「え?にやにやしてた?」
「頭の軽さが、露呈する程度にな」
ひどいコメントに、ミスリルは軽くシャルを睨む。そして、
「シャル・フェン・シャル。いつも注意してるだろう。本当のことを言うもんじゃないぞ」
こちらもけっこうひどいコメントをする。
「だって、嬉しかったから、つい……ごめん。不気味だった?」
「なにがそんなに嬉しいんだ?」
ミスリルはスープのうえに手をかざしながら訊ねた。
「キースが、わたしの砂糖菓子を見て、ほめてくれたの。あんな腕のいい人にほめてもらえたら、本当に嬉しい」
するとシャルは、むっとしたような顔をした。”
今回も、内容がぎゅっと詰まってて一息に読んでしまった。
キースは特に悪巧みをなんかはしていない、普通にアンと砂糖菓子の腕を競いたかっただけなんだなー。
最初は、色々と何を企んでいるのかと想像を巡らしてしまったけど。
アンの立場の弱さがしっかりと描かれてる。もし書いてなきゃ、多分気付かなかった。
銀砂糖師の称号を得ることができたアン。だけど、そんな喜びもよそに、シャルの羽がブリジットの手に。
喜んでる暇もない。
続きがすごく気になる。きっとアンは彼を助けるだろうから、その手段とか。
“胸の前で両手でしっかりと王家勲章をにぎりしめながら、動けなかった。
その目の前に、手が差し出された。
「いけないなあ、女の子がこんなとこに座り込んだら。ドレス汚れちゃうよ?」
エリオット・コリンズだった。愛嬌のある垂れ目で、見おろしてくる。
「知らないというのは、哀れだねぇ。俺は女の子の味方だからね、教えてあげよう」
「コリンズ、さん?」
「あの妖精は、君の銀砂糖のありかを聞き出すために、ブリジットに羽を渡したんだよ」
――羽を……?銀砂糖のために……?
衝撃でうまく頭が働かないアンに、さらに追い打ちをかけるように彼は続けた。
「君のために、彼は自由を売った」
そこでエリオットは、すこし意地悪そうな笑みを浮かべた。
「さあ。君、どうするかなあ?アン」” -
障害をやっと乗り越えたところでまさかの別れが。今回の新キャラたちはこれからどう関わってくるんだろう。
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最後が悲しいですね....
続きが気になります。
っていうか、シャルならどうにかして!!
(ノ><)ノ -
同業者にとことん嫌われてるなアン…。
しっかしブリジット嫌な女役の見本のようだwで、サミーは切られるといいと思うよ…。
今回のは次に続く!って感じで終わってしまったので、彼が戻る日は来るのかなぁ。
次巻待ち。