シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と白の貴公子 (角川ビーンズ文庫 73-3)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044550233

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらずの爽やかで骨太な職人さんの物語。アンやシャルのココロの変化や戸惑いにきゅん。キースのことは嫌なヤツに違いないと全力で疑ってかかってました・・・すみません。ある意味ここからが始まりの物語ですが、はたして。

  • “「にやにやするな。おかしな顔が、さらにおかしい」
    塩漬けにした魚のスープを目の前に、シャルがずけっと言う。
    「え?にやにやしてた?」
    「頭の軽さが、露呈する程度にな」
    ひどいコメントに、ミスリルは軽くシャルを睨む。そして、
    「シャル・フェン・シャル。いつも注意してるだろう。本当のことを言うもんじゃないぞ」
    こちらもけっこうひどいコメントをする。
    「だって、嬉しかったから、つい……ごめん。不気味だった?」
    「なにがそんなに嬉しいんだ?」
    ミスリルはスープのうえに手をかざしながら訊ねた。
    「キースが、わたしの砂糖菓子を見て、ほめてくれたの。あんな腕のいい人にほめてもらえたら、本当に嬉しい」
    するとシャルは、むっとしたような顔をした。”

    今回も、内容がぎゅっと詰まってて一息に読んでしまった。
    キースは特に悪巧みをなんかはしていない、普通にアンと砂糖菓子の腕を競いたかっただけなんだなー。
    最初は、色々と何を企んでいるのかと想像を巡らしてしまったけど。
    アンの立場の弱さがしっかりと描かれてる。もし書いてなきゃ、多分気付かなかった。
    銀砂糖師の称号を得ることができたアン。だけど、そんな喜びもよそに、シャルの羽がブリジットの手に。
    喜んでる暇もない。
    続きがすごく気になる。きっとアンは彼を助けるだろうから、その手段とか。

    “胸の前で両手でしっかりと王家勲章をにぎりしめながら、動けなかった。
    その目の前に、手が差し出された。
    「いけないなあ、女の子がこんなとこに座り込んだら。ドレス汚れちゃうよ?」
    エリオット・コリンズだった。愛嬌のある垂れ目で、見おろしてくる。
    「知らないというのは、哀れだねぇ。俺は女の子の味方だからね、教えてあげよう」
    「コリンズ、さん?」
    「あの妖精は、君の銀砂糖のありかを聞き出すために、ブリジットに羽を渡したんだよ」
    ――羽を……?銀砂糖のために……?
    衝撃でうまく頭が働かないアンに、さらに追い打ちをかけるように彼は続けた。
    「君のために、彼は自由を売った」
    そこでエリオットは、すこし意地悪そうな笑みを浮かべた。
    「さあ。君、どうするかなあ?アン」”

  • 障害をやっと乗り越えたところでまさかの別れが。今回の新キャラたちはこれからどう関わってくるんだろう。

  • 最後が悲しいですね....

    続きが気になります。

    っていうか、シャルならどうにかして!!

    (ノ><)ノ

  • 同業者にとことん嫌われてるなアン…。
    しっかしブリジット嫌な女役の見本のようだwで、サミーは切られるといいと思うよ…。
    今回のは次に続く!って感じで終わってしまったので、彼が戻る日は来るのかなぁ。
    次巻待ち。

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著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。温かく優しい読後感が持ち味で、登場人物の繊細な心理描写も高く評価されている。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、『ここは神楽坂西洋館』『仙文閣の稀書目録』などがある。

「2021年 『転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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