- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046011190
作品紹介・あらすじ
男たるもの正社員として働き、結婚して、子どもをもち、さらにはイクメンになることが求められており、男性の役割・プレッシャーが大きくなっている。男性学という今注目分野でトップを走る著者が現実を切っていく。
感想・レビュー・書評
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ケアやフェミニズム関連の本を読むようになって、ふと男性の側はどうなんだろうと思い、手に取った本。著者は男性学で知られる田中俊之さん。コラムのような内容なので、さらりと読める。
タイトルは「男はつらいよ」ならぬ「男“が“つらいよ」。これだけ見ると、「つらいのは男なんだ!」という主張のようで、女性のブーイングを浴びそうだが、これは男という「あり方」がつらいという意味だろう。
「男」としているが、本書のメインターゲットは2015年刊行当時に著者と同世代の30代、40代の男性。私は著者よりやや下だが、ほぼ同世代だ。というわけで、書かれていることは、いちいち確かにと頷ける。女性が読んでも男性のメンタリティが理解できるかもしれない。結局のところ、男を生きづらくしているのは、己の見栄なのだ。つらい…。
今年、本書の続編が出ているらしい。7年の間に何が変わったのか、定点観測の意味で、機会があれば読んでみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日読んだ上野千鶴子先生のフェミニズムの本は、社会をA面とB面に分けるならばA面が経済活動や仕事の世界、B面が子育てなど家族の問題、社会的弱者の世界で、B面の苦しさについて書かれていた。この本は、先ほどの本では既得権益まみれで他者への思いやりに欠けるのようにみえたA面の苦しさにフォーカスしてる。セットで読むといいかもー!
この本を読んでみて、「普通になれ」という圧力は女性に対してよりも男性に対してのほうが根強いのかもしれない、という新しい発見があった。(私とか、私より下の世代はちょっと変わってきている気がするけども)
私もかつては長い長い間「普通になりたい」と強く思っていたんだけど、今はもう全くそんなことはなく、とても自由に生きられてる。でも、男性はまだまだ「普通になれ」と社会言われてるのかも。それは辛いな。
男性の謎の生態の解説やデータ的なものも面白かった。男女間で食事をしたときの支払いへの考え方は?なぜ寝てないアピールや昔は悪かったアピールをするのか?などとっても腑に落ちた!笑
友達にこの本をおすすめされたとき「おじさんにもおじさんの境遇と課題がある、個人の問題ではない」的なことを言われたけど、なるほどなと思った。
女性が社会で活躍するには男性の長時間労働問題を何とかしないといけない、男性が女性をリードするのか当たり前という慣習が課題、というのは本当にそうだと思う。
あ、労働関係については、「正社員の女性は、失業者に次いで幸福度が低い」、また「正社員のみ、女性より男性のほうが幸福度が高い(それ以外は女性のほうが幸福度が高い)」というのもなるほどだった。
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フェミニズム本の流れで、男性側の辛さとかも知っておいた方がいいなかなと思って手に取ってみた。
が、うーん。
はじめに
・男の真ん中がどこにあるかわからない。
第1章
・見栄とプライドは別物。プライドはなにか成し遂げた時に成果に対して誇りを持つことで生まれる感情。見栄は人の目を過剰に気にして、上辺だけ取り繕おうとする態度のこと。他人を見下したがる。
・「自分の社会での立場や日常生活に不満があり、なおかつそれを発散できる場所がないために、彼らは座席を二人分占有するという行為でなんとか見栄を張りたいと頑張っているのです。(略)不満を解消するために最も安易な方法である暴力を選択し、さらに、彼らは勝てる相手を選んでいるのです。
とはいえ、社会的地位が高いにもかかわらず、高圧的な態度で人を威嚇する男性がいます。自分に不利な質問には全く答えずに、恫喝して記者を黙らせる政治家などはその典型でしょう。(略)彼らが余裕を持って周囲の人と接することできないのは、実は自分の言動に自信がなく、内面に弱さを抱えているからなのです。
→日本の政治家や首相は自分に自信がないんだね…
・講義で学生に、女性が男性を無意味に持ち上げるからいつまでたっても男女平等が実現しない、と言ったらリアクションペーパーに女性が言う『すごい』は『すごいバカだね』の略だと書かれた。
→講義で女のせいにするなよ…本当にそんなこと言ったの…?
第2章
・夫婦間の家事育児のアンバランス解消のためには男性の働き方の見直しが必要。
第4章
・快適さだけを享受してコストを支払わないのはダメ。社会へのタダ乗りは許されません。
→ほんとよな…
『ダイエット幻想』でも読んだけど、女性は選ばれる性から脱却すること、男性は生き方や常識とされていることを見直すことが必要だな…と。
本書とは直接関係ないけど、自分らしさだと思っているものがどれだけ社会から影響を受けているのか、本当の自分らしさとはなんなのか、環境や社会から影響されずに生きていくことなんてできないのに…ともやもやしている。 -
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ジェンダーってなンダー?
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「卒業→就職→結婚→定年」という”普通”のレールからはじかれ、生きづらさを抱える多くの現代男性に目を向け、希望をもって生きるための指針を男性学という学問から汲み取っていく。
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内容はうすい。だけど、問題提起したことは大きい。
中学生の時にクラスの男子から「女子は背負うものがなくていいよな。」と言われたショックを思い出した。
かれこれ20年。時代は変わっただろうか。
2015年から考えても、ジェンダーを取り巻く環境は変わったと思う。女性は声を上げるようになったし、抵抗するようになった。そして浮彫になる男性の生きづらさ。
性で分断される世の中、はやくおさらばしたい。 -
社会学の本を読むのに「気の利いた皮肉」が好きな点もあるのかもしれない。男の生きづらさを皮肉を織り交ぜ。うなずく部分が多くあった。
学生が使う「やばい」と若者が使う「すごい」は似ている。
大人は「やばい」とは言えないけど「すごい」と言われても、その意味は「すごい(バカ)ですね」の意味かもしれない。
悩みの原因が取り除かれない以上、相談には意味がない。と多くの男性は考える。
生活のすべてを仕事に注ぎ込める能力が、日本の会社では求められる
→生活態度としての能力
台風の日に(朝九時に)出社するのはやめましょう。
社会を変えていくための合言葉
「お父さんが家にいても不安にならない」
先日聴いた講演も面白かったです。 -
いよいよ出てきたかー、という感じの男性の生き方本。「普通の男」として生きることが困難な時代に、どんな生き方が可能なのか、どんな生き方は不可能なのか、を立ち止まって考える。
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これ読んだんだけど、フェミニズムより共感出来た。なぜ共感できたかというと、進路を考える10代前半の段階から私は女性だけど社会的には男性性みたいなのを築き上げたからなのかもしれない。具体的に言えば、レズビアンで将来は愛する女性と一緒になりたいから、仕事を辞めるという選択肢は考えない所とか、恋愛関係で女性に対してアプローチしてる所とか。 -
なぜ現代の男性はつらいのか。
仕事や家庭に男には果たすべき責任らしきものが伴うが社会の変化と共にそれを達成するのは容易ではなくなっている。社会的なプレッシャーの為か、負けず嫌い、弱みを見せない風潮も強い。
そういった男らしさに対して力を抜いて距離を取って、改めて今の男性(自分)というものを考えることが作者の主張である。実際には男らしさは多様で、色んな生き方があるはずである。
男性に焦点を当てて書かれた本だが、全く同じことが男性から見た女性に対しても言える。勝手に古い女性らしさを押しつけないことがフェミニズムに通じるように感じた。 -
日本における男性差別とは。まとまりに欠けるが、気楽な読み物としては良し。
男らしい生き方が時代遅れというが、二律背反を生きなければならなくって、どうにもならんね。