武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

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  • / ISBN・EAN: 9784046023919

感想・レビュー・書評

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  • 圧倒的名著
    マジで全人類に呼んでほしい
    面白すぎる

  • 『感想』
    〇簡単に具体的に説明してあり、それもどのような場合に生かせるかが書いてあるので、理解しやすく、納得できる。

    〇普段の生活の中で、言葉を知っていてもそこに紐づけすることが難しいのに、これらを考えた人は、ゼロから新たに閃くのだから、驚きだ。

    〇確かに今から見ればおかしい概念もある。しかしその時々の状況が分かれば、そこに導かれるのは仕方がないし、結果的に間違っているとしてもそれで唱えた人の功績が霞むわけではないと思う。

    〇哲学の本のさわりの部分しか書かれていないかもしれないが、この部分だけでも知っているか知らないかで他の人との差が出る。

    『フレーズ』
    【アリストテレス:ロゴス・エトス・パトス】
    ・人の行動を本当の意味で変えさせようと思うのであれば、「説得よりは納得、納得よりは共感」が求められます。(p.58)

    ・人を動かすためには「ロゴス:論理」「エトス:倫理」「パトス:情熱」の三つが必要。(p.62)

    【ジョン・ロック:タブラ・ラサ】
    ・その人が何を言おうとしているのかをより正確に理解しようとする場合、その人が何を肯定しているかよりも、その人が何を否定しているかを知る方がより重要な場合があります。(p.71)
    ・生まれたときは、誰の心の状態も白紙なのであれば、人間に生まれついての優劣はない、ということになるからです。(p.72)

    【フリードリッヒ・ニーチェ:ルサンチマン】
    ・弱い立場にあるものが、強者に対して抱く嫉妬、怨恨、憎悪、劣等感などの織り交ざった感情をルサンチマンという。手が届かないものに対して、単に悔しがるのではなく、いらないものだと価値判断の転倒を行い、留飲を下げる。(p.73)

    【カール・グスタフ・ユング:ペルソナ】
    ・ペルソナとは、一人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である。つまり、実際の自分のありさまを保護するために外向きに形成された「お面」ということ。(p.81)

    【エーリッヒ・フロム:自由からの逃走】
    ・自由であることには耐えがたい孤独と痛烈な責任を伴う。これらに耐えつつなお、真の人間性の発露と言えるような自由を希求し続けることによってはじめて人類にとって望ましい社会は生まれるはずですが、しかし、自由がその代償として必然的に生み出す、刺すような孤独と責任の重さに多くの人々は疲れ果て、高価な代償を払って手に入れた「自由」を投げ捨ててナチズムの全体主義に傾斜することを選んだ。(p.88)
    ・人間の理想である、個人の成長、幸福を実現するために、自分を分離するのではなく、自分自身でものを考えたり、感じたり、話したりすることが重要であること。さらに、何よりも不可欠なのは「自分自身であること」について勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定することだ。(p.90)

    【バラス・スキナー:強化理論】
    ・行為は、その行為による報酬が必ず与えられるとわかっている時よりも、不確実に与えられる時の方がより効果的に強化される。(p.93)
    ・欲求系ドーパミンと快楽系オピオイドは相補的に働くらしい。一般に欲求系は快楽系より強く働くため、多くの人は常に何らかの欲求を感じて追及行動に駆り立てられているのです。【ケント・バーリッジ】(p.95)

    【ジャン・ポール・サルトル:アンガージュマン】
    ・人の一生のうちに”偶発事件”などというものは存在しえない。あらゆることが可能であるのに対して、それをせずに受け入れた以上、それはあなたにとっての選択である。(p.98)
    ・私たちは外側の現実と自分をふたつの別個のものとして考える癖がありますが、サルトルはそのような考え方を否定します。外側の現実は私たちの働きかけ、あるいは働きかけの欠如によって、「そのような現実」になっているわけですから、外側の現実というのは「私の一部」であり、私は「外側の現実の一部」で両者は切って離すことができないということです。だからこそ、その現実を「自分ごと」として主体的に良いものにしようとする態度=アンガージュマンが重要になるわけです。(p.99)

    【ハンナ・アーレント:悪の陳腐さ】
    ・「システムを無批判に受け入れるという悪」は、我々の誰もが犯すことになってもおかしくないのだ、という警鐘を鳴らしています。(p.103)
    ・多くの人は、現行のシステムがもたらす悪弊に思いを至らすよりも、システムのルールを見抜いてその中で「うまくやる」ことをつい考えてしまうからです。(p.103)
    ・凡庸な人間こそが、極め付けのあくとなりうる。(p.105)

    【レオン・フェスティンガー:認知的不協和】
    ・人間は「合理的な生き物」なのではなく、後から「合理化する生き物」なのだ。(p.118)

    【スタンレー・ミルグラム:権威への服従】
    ・権威に対して驚くほど脆弱だというのが、人間の本性ですが、権威へのちょっとした反対意見、良心や自制心を後押ししてくれるちょっとしたアシストさえあれば、人は自らの人間性に基づいた判断をすることができる。(p.117)

    【ミハイ・チクセントミハイ:フロー】
    ・「無気力」のゾーンを抜け、幸福な人生を送るために「フロー」のゾーンを目指すことを考えた時、「スキルレベル」も「挑戦レベル」も、一気に高めることはできません。まず「挑戦レベル」を上げ、タスクに取り組むことで「スキルレベル」を上げていくしかありません。ということは、幸福な「フロー」のゾーンに至るには、必ずしも居心地の良いものではない「不安」や「強い不安」のゾーンを通過しなければならない。(p.134)

    【エドワード・デシ:予告された報酬】
    ・報酬が活動の従事/遂行/結果のいずれに伴うものであるとしても、予告された報酬は、すでに面白いと思って取り組んでいる活動に対しての内発的動機付けを低下させる。(p.138)

    【ニッコロ・マキャベリ:マキャベリズム】
    ・マキャベリは「不道徳たれ」と言っているわけではなく、「冷徹な合理者であれ」と言っているだけで、時に「合理」と「道徳」がぶつかり合う時には、「合理を優先せよ」と言っているだけ。(p.147)
    ・リーダーの立場にある人であれば、状況次第では歓迎されない決断、部下を傷つける決断を迫られる時があります。それでもリーダーは、自分が長期的な繁栄と幸福に責任を持つのであれば、断じて決断し、あるいは行動しなければならないときがある。(p.148)

    【ジョン・スチュワート・ミル:悪魔の代弁者】
    ・組織における意思決定のクオリティは、侃侃諤諤の意見交換が行われれば行われるほど高まることが、多くの実証研究によって明らかにされています。(p.151)

    【ミル:自由論】
    ・自分の意見に反駁・反証する自由を完全に認めてあげることこそ、自分の意見が、自分の行動の指針として正しいと言えるための絶対的な条件なのである。(p.150)
    ・その人の判断がほんとうに信頼できる場合、その人はどうやってそのようになれたのだろうか。それは、自分の意見や行動にたいする批判を、つねに虚心に受け止めてきたからである。どんな反対意見にも耳を傾け、正しいと思われる部分はできるだけ受け入れ、誤っている部分についてはどこが誤りなのかを自分でも考え、できればほかの人にも説明することを習慣としてきたからである。ひとつのテーマでも、それを完全に理解するためには、さまざまに異なる意見をすべて聞き、ものの見え方をあらゆる観点から調べてゆくという方法しかないと感じてきたからである。じっさい、これ以外の方法で英知を獲得した賢人はいないし、知性の性質からいっても、人間はこれ以外の方法では賢くなれない。(p.152)

    【エマニュエル・レヴィナス:他者の顔】
    ・「解るということは一体どういうことか」という点についても、先生があるとき、「解るということはそれによって自分が変わるということでしょう」といわれたことがありました。それも私には大きなことばでした。(阿部謹也:p.180)
    ・未知のことを「わかる」ためには、「いまはわからない」ものに触れる必要があります。いま「わからない」ものを「わからないので」と拒絶すれば「わかる」機会は失われてしまい、「わかる」ことによって「かわる」機会もまた失われてしまう。だからこそ「わからない人=他者」との出会いは、自分が「かわる」ことへの契機となる。これが、レヴィナスの言う「他者との邂逅がもたらす可能性」です。(p.180)

    【ロバート・キング・マートン:マタイ効果】
    ・条件に恵まれた研究者は優れた業績を挙げることでさらに条件に恵まれる、という「利益―優位性の累積」のメカニズムの存在を指摘。(p.187)

    【ジョン・ナッシュ:ナッシュ均衡】
    ・「囚人のジレンマ」とは利得を最大化するための合理的な戦略を採用した結果、必ずしもプレーヤー全体での利得を最大化されない。(p.191)
    ・「繰り返し囚人のジレンマ」とは、まず協調し、相手から裏切られない限り協調し続けるというプログラム。(p.194)

    【ヘールト・ホフステード:権力格差】
    ・組織のリーダーは、部下からの反対意見について、それが表明されれば耳を傾けるという「消極的傾聴」の態度だけでは、不十分だということが示唆されます。より積極的に、自分に対する反対意見を、むしろ探して求めるという態度が必要なのではないでしょうか。(p.201)

    【ナシーム・ニコラス・タレブ:反班脆弱性】
    ・反脆さは耐久力や頑健さを超越する。耐久力のあるものは、衝撃に耐え、現状をキープする。だが、反脆ものは衝撃を糧にする。この性質は、進化、文化、思想、革命、政治体制、技術的イノベーション、文化的・経済的な繁栄、企業の生存、美味しいレシピ、都市の隆盛、社会、法体系、赤道の熱帯雨林、菌耐性などなど、時とともに変化し続けてきたどんなものにも当てはまる。地球上の種のひとつとしての人間の存在でさえ同じだ。そして、人間の身体のような生きているもの、有機的なもの、複合的なものと、机の上のホッチキスのような無機的なものとの違いは、反脆さがあるかどうかなのだ。(p.203)
    ・システムに害をもたらす事象の発生を予測するよりも、システムが脆いかどうかを見分ける方がずっとラクだ。脆さは測れるが、リスクは測れない。(p.205)
    ・(組織論として)意図的な失敗を織り込むのが重要だ、ということになります。ステレスの少ない状況になればなるほどシステムは脆弱になってしまうわけですから、常に一定のストレス、自分自身が崩壊しない程度のストレスをかけることが重要です。なぜかというと、その失敗は学習を促し、組織の創造性を高めることになるからです。(p.206)
    ・(キャリア論として)大きな組織に努めてその中でずっと過ごすということになると、その人の人的資本(スキルや知識)や社会資本(人脈や評判、信用)のほとんどは企業内に蓄積されることになります。ところが、この人的資本や社会資本は、その会社を離れてしまうと大きく目減りしてしまう。ではどうすればいいのか?多くの失敗をできるだけ若いときに重ねること、人的資本と社会資本を分散した場所に形成することなどの要件が重要になってきます。重要なのは、その人の人的資本・社会資本の残存性です。仮にその組織やコミュニティが消滅してしまったとしても、そこに所属していた人たちのあいだで信用が形成されているのであれば、その人の社会資本は目減りせず、アメーバ状に分散して維持されることになります。(p.207)

    【チャールズ・ダーウィン:事前淘汰】
    ・一般に生物の繁殖力は環境収容力(生存可能数の上限)を超えるため、同じ生物種内で生存競争が起き、生存と繁殖に有利な個体はその性質を多くの子孫に伝え、不利な性質をもった個体の子供は少なくなります。このように、個体の持つ環境への適応力に応じて一種の「篩い分け」が行われる、というのが自然淘汰というメカニズムです。(p.236)

    【ジル・ドゥルーズ:パラノとスキゾ】
    ・積み上げ型の論理思考よりも、大胆な直感が大事だ。(p.262)
    ・周囲が「まだ大丈夫」と言っていても、「危ない!」と直感したらすぐ逃げる。ここで重要になってくるのが「危ないと感じるアンテナの感度」と「逃げる決断をするための勇気」ということになります。(p.262)

    【セルジュ・モスコヴィッシ:格差】
    ・公平・公正の対極にある差別は「異質性」によってこそ生まれると考えがちです。しかしそうではない。差別や格差というのは、全く逆に「同質性」が高いからこそ生まれると考えるべきです。(p.267)

    【ソクラテス:無知の知】
    ・学びは「もう知っているから」と思った瞬間に停滞する。(p.288)
    ・達人=マスタリーへの道として整理すると、次のようになります。(p.288)
     ①知らないことを知らない - 学びへの欲求や必要性は生まれません。
     ②知らないことを知っている - 学びへの欲求や必要性が生まれることになります。
     ③知っていることを知っている - 自分が知っていることについて、自分で意識的になっている
     ④知っていることを知らない - 知っていることについて意識的にならなくても、自動的に体が反応してこなせるくらいのレベル

    【フェルディナンド・ソシュール:シニフィアンとシニフィエ】
    ・概念を示す言葉をシニフィアン、言語によって示される概念そのものをシニフィエと名付けます。(p.319)
    ・より多くのシニフィアンを持つ人は、それだけ世界を細かく切って把握することが可能になります。(p.321)
    ・なぜ、概念が洞察を与えてくれるのかというと、それは新しい「世界を把握する切り口」を与えてくれるからです。(p.322)

    【カール・ポパー:反証可能性】
    ・「科学的である」ということは「反論の可能性が外部に対して開かれている」ということであり、さらに言えば、科学理論というものは「反証可能性を持つ仮説の集合体」でしかない、ということです。(p.331)

    【ジャック・デリダ:脱構築】
    ・脱構築の基本的な考え方は「二項対立の構造を崩す」ということです。(p.345)

    【アラン・ケイ:未来予測】
    ・未来の世界の景色は、いまこの瞬間から未来までのあいだに行われる人々の営みによって決定されることになります。であれば本当に考えなければいけないのは、「未来はどうなりますか?」という問いではなく「未来をどうしたいか?」という問いであるべきでしょう。(p.348)

    【アントニオ・ダマシオ:ソマティック・マーカー】
    ・適時・適正な意思決定には理性と情動の両方が必要である。(p.353)

  • 時系列ではなくテーマ別に思想が並んでいる、筆者の実務に役立つものをピックアップした、というコンセプト通り、組織開発・イノベーションの課題設定/解決のヒントになる思想のフレームワーク目白押しである。
    一方、昨今のコロナ下における政策の迷走ぶりや一般市民の分断がなぜ起こるのか?なぜ防げないのか?のヒントにもなりうる内容が多々ある。自分や家族の人生を豊かなものとするには今こそ先人の知恵に立ち返るべきで、読みやすい本書はまさに混沌とした時代である今こそ手に取るべき良書である。

  • 数十年前、若気の至りで、各種哲学書、派生本に手を出したことはあったが、単に読んでいること自体がかっこいいことと勘違いしていただけで、正直それらの本は面白くなかったし、ためにならなかったし、なにより理解できなかった。
    今回「武器になる」との題名にひかれ、「有用性に基づいている」との前書きを信じ読んでみた。
    面白くてためになる本だと思う。

    課題設定能力を高めるには、現実から課題を汲み取ることがまず求められる。そのためには常識を相対化すること、そして相対化のための言語を得る必要がある。哲学はその力を与えてくれるということを理解した。一度本書のなかのひとつのコンセプトを用い、身の回りのビジネスで起こる事象を考察してみようと思う。
    加えて、ナッシュ均衡や権力格差指標など、個別のキーワードは仕事上の話のネタとして使える。

  • 哲学はアウトプットとそれにいたるプロセスがあり、プロセスに学びがあることが多い。アウトプットに目を向けると陳腐な可能性がある。
    例:地面は浮いている
    地面がもし水に支えられているなら、水は何かに支えられている。なら何かは何かに支えられている。無限にループ。無限はありえないから、宙に浮いていると考えられる。とか

    1.人を動かすには論理、倫理、情熱

  • 一つ一つの項目が短く、さらっと読めるし、内容が平易なのに身の回りの問題をよく捉えていて、興味深く読む事ができた。

  • 2020.4.8 読了
    哲学の解釈として1番いい本かも。
    山口周の文章は理路整然としていて非常にしっくりくる。
    多くの参考になる洞察があった。

  • 哲学、教養がどう大切か前半の考えは厳しい言葉ながらも非常に為になることが書いてあります。
    また著者が良いと思う哲学者のさまざまな考えを紹介していくのですが、自分に合う必要なものだけ読めば良いと思う。
    仕事において、自分の人生において、必要なことが見つかると思います。わたしは過去の歴史の哲学的考察と今の日本の政治の在り方が非常に似ていて学習していなさにこわくも読み入ってしまいました。行動を正当化・合理化するために意識や感情を適応させるのが人間、今の国会で起こっていることに当てはまりすぎていてこわいです。

  • 哲学ってとっつきにくいと思っていたけど、身近なことやビジネスに活かせそうな内容に絞られているからわかりやすい。
    哲学学びたいけど、哲学よくわからない、って人の導入本として最適

  • 使えるか使えないかという観点で編集された哲学入門書。
    哲学書の中ではわかりやすい部類の本だと思うのだけど、そもそも哲学というものが概念的なものなうえに、わけわからない横文字がでてきたりするのでどうにもすっと頭に入ってこない。
    せめて、「我思う、ゆえに我あり」とか「無知の知」とかよく聞く言葉については、どの年代の誰が言ったかということは覚えておきたいなと思った(前者は1600年代のデカルト、後者は紀元前400年ごろのソクラテスの言葉)。
    構成としては、最初の数十ページに哲学の重要性や本書の特徴が書かれており、その後は50人の哲学者とその言葉が紹介されているというもの。
    紹介されてる哲学者(中には、心理学者という人も)は欧米の人ばかりだったように思うのだけど、ただたんに著者がアジア系の哲学者を知らないだけなのか、そもそもあまり役にたたないと思ってるのかどっちなのだろう。釈迦とか孔子とかいると思うのだけど。
    なお、哲学を学ぶことについては、過去の哲学者が伝えた言葉よりも、その言葉がでてきた経緯を知ることが重要ということらしい。プロセスを知ることが大事ということか。でも、そこまで考えるなら世界史を学んだほうがいいような気がする。
    ちょっとよく分からなかったのが、スキナーの報酬の実験について。レバーを押すと必ず餌がでるタイプと、レバーを押すと不確実に餌がでるタイプだと、不確実に餌がでるほうをよく押し下げたと書いてあるのに対し、著者が違和感があるものではないでしょうかと書いてること。よく分からないのだけど、毎回餌がでるのだったら1回押せばいいだけなのに対し、2回に1回餌がでるのだとしたら、2回押すことになるのだから、そりゃあ不確実に餌がでるほうがよく押し下げるんじゃないかと思ったのだけど、自分の考えは何か間違ってるのだろうか。そりゃそうだろとしか思わなかったのだけど。
    ちなみに、マズローの欲求五段階説はどうも間違ってるらしいし、マズロー自身も後年はあらためたらしい。まあ、そりゃそうかもね。確かに、分かりやすいといえば分かりやすいのだけど。
    ちょっとショックなのは、エドワードデシという心理学者が実験した、予告された報酬は意味がないどころかむしろ害悪だという実験結果。まあ、あくまで予告であって、予告なしで報酬をもらったら次からもいい影響を与えると考えていいのだろうか。
    後は、マタイ効果によって早生まれは不利という話とか。これはよく聞くよね。自分も2月生まれなので、やっぱりかと思ってしまう(さすがに今はあまり関係ないような気もするけど)。ただ、Jリーグ選手だと確かに早生まれより4月や5月生まれのほうが多いそうだけど、日本代表になると早生まれの比率が高くなるのは不思議だよなと思う。調べてみると、金メダル最多は1月生まれらしい。天才肌は早生まれのほうが多いということなんだろうか。
    ちなみに、権力格差により、旅客機の墜落事故は、副操縦士が操縦桿を握っている時よりも、機長が操縦桿を握っている時の方が起こりやすいらしい。お互いを尊敬できる関係がベストということなのかも。
    ちなみに、日本は男性らしい社会のスコアでダントツの1位らしい。そういやこないだ、男女平等ランキングで日本は過去最低になったというニュースがあったけど、日本で女性が社会で活躍するのはなかなか難しいのか。女性首相の誕生はまだまだ先になりそう。

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著者プロフィール

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻、同大学院文学研究科美学美術史学修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに、独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。

「2023年 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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