大学4年間の宗教学が10時間でざっと学べる

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046041241

作品紹介・あらすじ

政治、経済、文化、あらゆることの根底には
「宗教」の考え方が根付いています。

そうした背景を理解することは、グローバル時代における
コミュニケーションに必須です。

本書で基本を「ざっと」押さえましょう

感想・レビュー・書評

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  • 『大学4年間』シリーズの宗教学編。


    『大学4年間の◯◯学が10時間でざっと学べる』というシリーズの宗教学編です。
    タイトルにざっととある通り、一つ一つの項目を深く掘り下げるものではないですが、宗教とは何かから世界の宗教、新宗教の展開や宗教が必要とされる場についてなど、広い分野をこの一冊で学べます。
    個人的に理解が薄いと思っていた、仏教の諸形態や宗教と歴史の関りについて学びなおせたのも良かったです。
    日本に住んでいて日本的な宗教観に慣れていると感じにくいですが、やっぱり宗教は政治や歴史、心理など様々な分野と密接に関係していて面白い。

    今後も色々な本を読むにあたり、宗教学の基本の書として手元にあると便利かもしれません。

  • 各項目の説明は多くないけど、幅広く網羅されていて良い。まさに「ざっと」学べる本。
    世界・日本の宗教紹介以外にも、「宗教学とは何か」「何故宗教が必要なのか」についても述べられている点も良かった。
    あと、挿絵がかわいい。

  • 『大学4年間の◯◯学が10時間でざっと学べる』シリーズに、宗教学編が登場。

    タイトルはいかにも「お手軽本」という感じだが、読んでみたら、宗教学の概説書・入門書として大変よくできた良書であった。

    宗教史の〝基本のき〟から、戦後日本の新宗教、さらには「宗教とエコロジー」などのアクチュアルな問題に至るまで、幅広いテーマの全100項目からなる。

    1項目について、それぞれ見開き2ページで簡潔にまとめられている。 左ページが文章で、右ページが図表。つまり文章は1項目につきたったの1ページだから、深い掘り下げは当然ないし、総花的でもある。

    それでも内容はけっこう濃密で、社会人が読んでもためになる。私は図書館で借りて読んだが、「これは手元に置いておきたい」と思ってAmazonに注文した。

    この手の本には、著名人の著者が名前だけ貸して、実際は私のようなライターが〝にわか勉強〟をしてまとめる……というお手軽な作られ方をするケースも多い。その場合、「著者」は最終チェックをするのみなのである。

    が、本書はおそらくそうではなく、著者が実際の制作作業にも深く関わっていると感じた。
    ゆえに、東大等で長年にわたって宗教学概論、宗教史概論を教えてきた著者の蓄積が、きちんと活かされている。

    右ページの「図表でわかる! ポイント」も、よくできている。左ページの文章の理解を助ける役割を、きちんと果たしているのだ。

    「それはあたりまえじゃないか」と思われるかもしれないが、じつはあたりまえではない。出来の悪いビジネス書などの場合、図表がたくさん載っていても、それがほとんど意味を成していないケースも多いのだ。「こんなに図表があって、わかりやすい本ですよ~」と、書店で読者の目を引くアイキャッチでしかないのである。

    その点、本書は図表にもわかりやすさへの配慮がしっかりとなされていて、好感が持てる。

  • キリスト教や仏教だけでなく、オウムや創価などカルトや新興宗教にもページが割かれていて、総合的な理解が進みました。逃げずに知ることは大切です。

  • 宗教史をざっと学ぶには良い
    本書をインデックス的に使い、気になったところはより掘り下げて行くのが良いだろう。

  • 第1章まで呼んだ。グノーシス主義が、今まであまりよくわかってなかったが、簡単に簡潔にここで説明されていて良かった。右側に図も載っていて、楽しかった。
    もっと続きを読みたかったなぁ。今度時間がある時に読みたいな。
    この本の特に好きなところは、はじめににある著者の文章。
    宗教学について学ぶ時、様々な生き方を具体的な人間の実相から離れることはできません。
    宗教学は、人間が向き合う難しい問いを、それらの具体的な事例からつぶさに学んでいこうとするものです。
    人の生きる根拠となるものがなんだったのか、何を生きがいとして人は生きてきたのか。
    人類史を広く見渡せば、宗教抜きには語れないことが実に多いくあります。宗教を素材にすることで、人類の心の営みを広く捉える可能性が広がります。
    宗教学は、特定の方法論にこだわることがありません。宗教学を学んでいくと、自ずと柔軟な思考身についてくるはず。そう私は感じています。

  • ふりがなをつけてくれていたらもっと読みやすかった。

  • 1.この本を一言で表すと?
    世界の宗教の概要を網羅的に纏めた本。

    2.よかった点を3~5つ
    ・ユダヤ教とキリスト教(p36-55)
    →歴史と違いが簡潔に纏められていてわかりやすい。

    ・初期新宗教(p166)
    →天理教、金光教、黒住教は神道系とは知らなかった。

    ・イスラーム(p76-85)
    →知っているひ人にとっては内容は薄いかも知れないが、知らない者にとってはよくまとまっていてわかりやすい。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・著者自身も認めているが、日本の宗教の割合が多い。世界の他の宗教も載せてほしかった。
    ・1990年以降の日本のカルトについてもう少し記述があっても良かったのでは?
    ・宗教とスピリチュアルの繋がりがよくわからない。
    ・儒教は宗教と言っていいのか?個人的には違う気がする。
    ・アフリカの宗教はどうなっているのか?

    3.議論したいこと
    ・日本人に宗教があまり馴染みが無いのは何故か?


    5.全体の感想・その他
    ・世界の宗教の概要を知るにはよくまとまった本だと思う。
    ・個人的には知らないことが多かったので読んで良かった。

  • ○予定説と資本主義
    西洋の近代化が進んだ原因は、プロテスタント・カルヴァンの「予定説(*)」の影響が大きい。
    職業労働に専心し、自分は救われているとの確証を得たいとする態度が広がった。
    *人間が死後、天国に行けるか地獄に落ちるか予めすべて神によって定められており、どんなに神に祈ったり、祀ったとしても、救われない者は救われないものとした。

    ○宗教と生命倫理
    人工中絶への考え方

    ○宗教とエコロジー
    アニミズムの再評価

    ○正教分離
    ・宗教に友好的な政教分離(宗教の自由を守るための政教分離):イングランド、スコットランド、ギリシャ、ドイツ、アメリカ
    ・宗教に非友好的な政教分離(国家は宗教に関わってはいけない):日本、中国、フランス

    ○宗教対話
    ・世界宗教者対話会議

  • なんと言っても、天理教、金光教、黒住教に関心があった。他にも檀家制度の説明やキリスト教福音派の説明も面白かった。項目ごとに強弱つけながら読める。

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著者プロフィール

島薗進(しまぞの・すすむ) NPO東京自由大学学長、大正大学客員教授、上智大学グリーフケア研究所客員所員。著書に『現代救済宗教論』『現代宗教の可能性』『スピリチュアリティの興隆』『日本仏教の社会倫理』『明治大帝の誕生』『新宗教を問う』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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