大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 338
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046043153

作品紹介・あらすじ

「哲学」というと難しくて何を言っているのやらわからないものと思われがちですが、一度身につけると、これほど面白くてかつ役に立つ学問もありません。
西洋、東洋の主な哲学者50人を厳選し、その哲学・思想の本当の核心のみをわかりやすくコンパクトにガイド。
どこから読んでも面白くてためになる一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 共通テストの倫理の要点確認のような参考書的内容で、読むだけなら2時間程度で済むが、全部暗記するとなると10時間ではとても無理。こういう本は何をもって「学ぶ」とするのかという考え方の問題によって評価は異なるように思える。

  • 貫成人著『大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる (角川文庫 ; ぬ3-1)』(KADOKAWA)
    2019.5発行

    2023.7.17読了
     一人の哲学者を1ページで解説しようと言うコンセプトで書かれているので、確かにサクサク読むことができるのだが、あまりにも物足りない。ほとんど読書すらしたことないような人にはこれで十分なのかもしれないが、さすがにレベルが低すぎるように思えた。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/029664310

  • 10時間もかからない。2時間半で読める。

  • 桃山学院大学附属図書館電子ブックへのリンク↓
    https://web.d-library.jp/momoyama1040/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD201905000172

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  • ・プラトンは全ての人にとっての理想は善のイデアと説いた。人に限らず、全てがよりよい状態を目指している。
    ・デカルトは我思う故に我ありで主観こそ万物の存在する基盤と説き、自律的に存在する自分は近代個人主義の基礎となった。
    ・カントは実践理性批判で定言命法として人類全員がそれを行なっても構わないことしかしてはならないと説いた。それをやると最後は自分が困る。
    ・カントは判断力批判で、大自然や宇宙の神々しさを経験することを崇高と呼び、ひたすら想像力を拡げられるとした。全体の流れを阻害するものがなく適切なものが然るべき場所に置かれた宇宙全体の合目的性の流れに乗ることができ、すでにある知識や認識を超えて自然全体の中での方向性に乗る判断ができる(例えば、些細なことはどうでもよくなる)。芸術に触れるときも想像力が混乱なく拡がる点で同じく合目的性の流れに乗れる。
    ・マルクスは唯物史観で生産手段や生産活動などの下部構造が思想や言論、政治などの上部構造を規定すると説いた。
    ・ニーチェは善悪の根拠はルサンチマンによって弱者に有利なように作られたものであると説いた
    ・フロイトはナルシシズムで愛する自分というのは、ありのままの自分ではなく、もっと望ましい自分、理想自我とした。
    ・ハイデガーは日常の自分はつねに交換可能であり、自分の死を死ぬという非日常のみ、交換不可能な本来の自分に一瞬だけなれるという。
    ・サルトルは実存的決断を通じて自分の本質を決めるという実存主義を説いた。この困難さを、人間は自由の刑に処せられていると表現した。
    ・レヴィ=ストロースは人間が本人すら把握できない構造の一項としてのみ存在し、その行動が規制されているとして人間中心主義を否定した。
    ・フーコーは近代的自我は生の権力や性言説によってその行動と欲望を規格化されて作られたものに過ぎないと説いた。
    ・強権的政府の権力や、資本主義における生産体制からの疎外から自由になっても、欲望のままに生きるのであればそれは欲望の奴隷でありかえって不自由になっている。フーコーは生の権力や性言説に従って自分を縛る技術や技巧を自在に使いこなすことで、新たな自分だけの方向が創発的に形を結ぶという生存の美学を説いた。
    ・世界的な脳外科医と母親のどちらを助けるか。ベンサムの功利主義によれば医者、カントの規範主義によれば各人を対等に扱う、サルトルの実存主義によればどちらも不正でない限りどちらを選ぶかは自分の決断次第となる。公益重視の親不孝者か、親孝行者か。
    ・未来の世代のために環境問題を解決するという行為は、他人に危害を加えないのは自分が加えられたくないから(カントの定言命法など)、という近代倫理理論の範疇外にある。
    ・宗教、経済成長、戦争という超越的価値がなくなった今、人生の普遍価値はなくなった。ただ、個人レベルでは一期一会の状況で意味は自発的に発生し、それを積み上げるのがフーコーの言う生存の美学となる。哲学が教えるのはその人の人生の意味が何かということではなく、どこに意味があり得るかということである。
    ・状況が大きく変わりつつある現代では、いま・ここ・わたしよ哲学を自分で作り上げていかねばならない。

  • 網羅的に学べる

    キルケゴール、カント、デカルトがすこ

  • 気の抜けた昼下がり、或いはひと段落終えた合間に。
    「なぜ」という道具を日常に向けてしまって以降、
    背負い続けている疑問がある。
    なぜ、この料理を口にしているのだろうか。
    なぜ、この仕事をしているのだろうか。
    なぜ、ここに住んでいるのだろうか。
    別にこれらは代替可能で、他の物でも機能する。
    じゃあ、代替不可能な部分は、
    人間としての私ではなく、個人としての私を必要とする部分は何なのかを哲学に求めてみた。

    ハイデガー曰く、「日常の自分は常に代替可能で、他人が代われないのは自身の死」だそうだ。私は死について、身体的にも精神的にも無に近づいていく過程だと思っている。
    とするならば、自身の死について感じ続けることは出来そうに無い。一方で、終点の死が代替不可能であるならば、生じることも代替不可能ではないかと考えた。が、サルトルの「実存は本質に先立つ」がこれを阻んだ。
    個人としての意識が出来上がる前に、体が実存する我々にはもはや、代替不可能な個人を自身に感じることは出来ないのかもしれない。

    ダイジェスト的なこの本を切っ掛けに、よりマニアックな部分へ手を出してみたいと思う。

  • ミュンヒハウゼン・トリレンマが面白かった。

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著者プロフィール

現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。

「2007年 『ハイデガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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