井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046533029

感想・レビュー・書評

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  • 元寇の勝利は神風ではなく鎌倉武士の奮闘によるもの、という論が特に印象に残った。

  • いくつかの行動から登場人物の性格を抽出し、そこから以降の判断・行動をした理由を説明するのはわかりやすい。

    授業だけだと、後醍醐天皇や足利尊氏がなぜそういう結果になったかという疑問すら持てなかった。けれど、本書を読んで、疑問も持ちつつ、その理由をしることができた。反復して考えることができたのがよかったと思う。

    軍事面での足利尊氏と楠木正成の天才ぶりもよく伝わってきた。結果をしっているだけでは、個々の能力についてはなかなか把握できない。政治情勢、軍の人数、士気、いろいろ絡んでいる。

    筆者の推測であるところはそう記してある。また、専門学者に対する恨みつらみが随所にあり、なにか嫌なことでもあったのかと感じる。もう少し心にしまっておけばいいのに、と感じる。

  • 理想主義者にしてエゴイストで立川流とかいうエロ宗教を信奉している複雑怪奇な後醍醐天皇が戦国時代の端緒となったという説は面白い。理屈に合わない行動も穢れ思想で確かに説明がつく。

  • 徳川300年安泰のシステムの1つに朱子学を武士の学問として採用した事を上げ、それが幕府の300年安泰を崩したという切り口で語っていく。朱子学は階級を重んじ、商売は人間のクズがやる仕事をした、だから開国し海外と貿易する事には反対し、現実を直視ぜずに海外の新しい知恵、技術を取り入れる事を拒否し続けた。それが幕府崩壊、維新につながったと説く。さらに現在の憲法9条改正問題にも、その共通点を示している点(平和念仏主義)が面白い。歴史のなぜを学校では教えてくれない考え方で切っていくところが興味深い。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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