角川インターネット講座 (5) ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代 (角川インターネット講座 5)

  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046538857

作品紹介・あらすじ

Web2.0以降、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどの普及で、オンラインでの人々のつながりは、重要性を増してきている。よりよいネット・コミュニティはどのようにつくられるべきかを解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ネットコミュニティ運営には技が必要
    人間同士のふれあいの補助としていたネットコミュが、情報技術の発達とともに、自己形成のための方法になってしまった
    デジタル情報とコミュニティはどに向かうのか

  • ”はてな近藤淳也さんが監修。執筆陣がとても気になる。yomoyomoさん、Hagexさん、古川健介さん(けんすうさん)、山極寿一さん、広井良典さん。


    以下、各章での気になる観点。

    ・コミュニティに必要な場所性(序章)
    ・アソシエーションとコミュニティ(第1章)
    ・メッセージングこそ次の本命(第1章)
    ・未知の同好の士を獲得する情報発信のイノベーション(第1章)
    ・コミュニティサイト運営と恋愛は同じである(第2章)
    ・ネットコミュニケーションの5要素(第2章)
    ・マンネリ化を防ぐための5箇条(第2章)
    ・コミュニティサイトの普遍的なゴール(第2章)
    ・立ち上げ期においては、とにかく書き手を優先(第3章)
    ・質問をする人は少なく、質問に対して答えたい人は無数にいる(第3章)
    ・「古参」問題の解決(第3章)
    ・「家族」と「コミュニティ」という、編成原理の異なるふたつの集団(第4章)
    ・ダンバー数160(第4章)
    ・視覚中心のコミュニティと同質性(第4章)
    ・「農村型コミュニティ」と「都市型コミュニティ」(第5章)
    ・地域密着人口増加の時代(第5章)
    ・身体性・場所性・ローカル性への着陸(第5章)
    ・「コミュニティ形成力」と経営能力は必ずしも一致するものではない(第6章)
    ・リアルとネットのハイブリッド(第6章)

    <抜き書き>
    ◎序章:近藤淳也さん
    ・「コミュニティが流行る」要因は複合的なものである。快適に楽しくコミュニケーションができる機能の豊富さや、使いやすいインターフェースといった「ハード」面も重要であるし、運営者のおもてなしや雰囲気作り、コンテンツの編集などの「ソフト」面も重要である。(p.013)

    ・日本のネットコミュニティを最初に使いはじめた人の中でも、とりわけ積極的に利用していた人の多くは、リアル社会になかなか居場所が見つからない人たちだったのではないだろうか。(p.016)
     ※たしかに!

    ・日本のインターネットコミュニティは、「インターネット完結型」のものから、「リアル社会接続型」のものへと拡大していったと捉えることができる。(p.019)

    ・コミュニティに必要な「場所性」(p.022-023)
     ※電話にはない。インターネットは場所を提供しうる。

    ◎第1章:yomoyomoさん
    ・投稿者の社会的属性が一律に漂白されフラット化された中だからこそ、特定の関心を追求し、特定の目的を実現するために形成される人為的な集団を指す「アソシエーション」としての機能が強化され、お互い何のつながりもない投稿者同士の玉石混淆の投稿が出尽くす中で、管理者やモデレーターが存在せずとも意見がまとまっていく集合性としてのソーシャル性にこそ2ちゃんねるの最大の美点がある。(p.041)

    ・SNSによってネットワーク形成とコミュニケーションが重視された後には、今一度新たな出会いを生み出し、未知の同好の士を獲得する情報発信を可能にするイノベーションがこれから求められるのかもしれない。(p.061)
     ※エヴァン・ウィリアムズが手がけるMediumはそのあたりを狙っている? Platisher=Platform+Publisher

    ◎第2章:Hagexさん
    ★コミュニティサイトの成功を考える場合に、最も役立つのが「恋愛術」である。(略)相手(ユーザー)をどれだけ自分(コミュニティサービス)に夢中にさせるか。(略)「高機能」や「ユーザビリティ」だけでは、相手の心を掴むことはできない。それらは恋愛する2人にとって「おまけ」であって「本質」ではないのだ。(p.068)

    ・ネットコミュニケーションの5要素(p.069)
     ・匿名性…社会的な属性、個人情報などを隠して活動ができる
     ・反応性…情報や質問を書き込んだことに対するリアクションが速い
     ・平等性…サービス利用者は平等である。平等性が保障されているため、いろいろなユーザーが集まり、多様性が生まれる
     ・正確性…集合知により、誤った知識や情報はユーザーの手によって排除され、修正される
     ・感情性…匿名性の高いユーザーはもちろん、記名のユーザーも本音、もしくはそれに近い感情が出やすい。
     ※この5つの要素でスパイダーチャートを作成するとわかりやすい、と。

    ・何度かデートを重ねて、告白してつきあうようになった。が、どうやらあなたの恋人は異性からモテモテだ。(略)どうすれば相手を自分にメロメロにさせることができるのだろうか?
     コミュニティサイトも同じく、ユーザーはとても浮気っぽい。(p.076)


    <きっかけ>
    はてな広報ブログの投稿( http://pr.hatenastaff.com/entry/2015/08/25/123049 )を偶然目にして知った。”

  • <閲覧スタッフより>
    インターネットの出現によってバーチャルな場に巨大なネットコミュニティが存在するようになった。ネットコミュニティとはどのような考えで作られ、ブレイクするにはどうすればいいのか。複数の著者によるさまざまなアプローチがおもしろい!今後の展望についても語られます。
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    所在記号:007.3||ネツ
    資料番号:10230575
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  • ネットコミュニティとユーザーの関係は出会い→恋愛→結婚。機能だけではない。

    コストがないからCGMは間違い。ユーザーがコンテンツを作る仕組みの構築の方がコストかかるかも。初期は読み手でなく書き手のためのサービスにする。

    拡散のために人を呼ぶ仕組み。初期pixivではコメント欄がなく自分のサイトにリンクを貼りそのサイトでコメントやりとりさせる。そうするとpixivが流行ってる感を出せた。
    流行ってけると読み手重視へ。古参排除。2ちゃんねるでも流行の板を意図的に変えていく。ランキングなど読み手に人気の書き手優遇。

    サルのコミュニティでは、複数のコミュニティに属することはできない。不在が続くと失格。しかしヒトは認識機能の向上により不在でもコミュニティの一員として把握することが可能。
    脳の容量と形成するコミュニティの最大数であるダンバー数、ヒトは160。
    家族親類で10~20、その他コミュニティで30人、というものを複数もっていて合わせて160くらい。
    30という数も、まとまって合意形成できるギリギリの数くらい。
    ヒトも視覚の動物のため、ネット上のコミュニティでも顔が見えないため文字だけだと裏のニュアンスなどを読んで不安に感じてしまう。そこを軽減するために絵文字やスタンプなどがある。
    信頼関係には接続した時間が比例する。それが対面であればなおのこと効果あり。

    日本は先進国の中でも孤独を感じる人の割合が多い。そして個人主義の国よりも家族主義の国の方が孤独を感じている人が多い。これは家族以外とのつながりが薄くなり、家族になじめないと即孤独になるため。
    福祉都市、保育と福祉とヤシロを都市の中心に。
    ローカル+デジタルのコミュニティに。

    コミュニティでは主催者の想い・キャラが影響を強く与えることも多い。会社の社長も飲み会の幹事も。ビジョン・熱量。
    ただしコミュニティの作成・拡大と、拡大後のコミュニティの維持・収益化には別の能力が必要になる。そもそもコミュニティの発展と収益化は相いれない面もある。
    Wikipediaなどの拡大を目指さない組織の可能性も検討の余地あり。
    ネットコミュニティは文字・画像だったがIoTやAR・VRが普及していくとより現実に近くなっていくのか?

  • ネットが人を機械にするという考えが興味深かった。

  • 前半はネットコミュニティが出来上がるまで、それが育つ要素などがまとめられている。これからネットコミュニティを作ることを考えている人にはとてもいいまとめだと思う。後半のサル学以降は打って変わったトーンになり、人間について書かれた本だと思った。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784046538857

  • ネットコミュニティについての本。ただし、そんな時代だからこそリアルのコミュニティも大事という趣を感じた。
    このシリーズの本にしては、分量は多くない気がした。
    自分もいろいろネットコミュニティと呼ばれるものは使ってきたつもりだけど、元来コミュ症な自分は、結局ネットでもうまくコミュニケーションとれないという……。
    最近の女子高生の平均スマホ利用時間は1日7時間らしい。いったいそんなに何をやってるんだろうか。
    なお、ネットのコミュニケーションは『匿名性』『反応性』『平等性』『正確性』『感情性』の5つの要素でなりたっているらしい。ツイッターは反応性、平等性、感情性は高いが、正確性はやや低めとのこと。なお、2ちゃんねるは5つの要素すべてが高いらしい(正確性は高いのだろうか……)。
    なお、はてなに熱心なファン(はてな村民)が多いのは、運営側がユーザーに対して情熱を持って接しているからとのこと(そうか?)。
    後、古川健介氏による、コミュニティの作り方についての話がよかった。立ち上げ期は読み手よりも、書き手を優先すべきとのことだ。なるほど。
    それと、近藤淳也氏は「この人について行くと、今より面白い未来が待っていそうだ」と思われる人物らしく、創業時も何をやるのか知らずに一緒についてくれた古くからの友人がいるらしい。自分のまわりにもそういう人がいたらいいんだけどなぁ。高校の時の友だちなら、もしかしたらそう思えるかもしれない。理想的には、自分がそう思われる存在になることだけど、まあ、無理だろうな……。

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