戦国武将の手紙を読む (角川選書 218)

著者 :
  • KADOKAWA
3.22
  • (0)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047032187

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1991年刊行。書簡は重要な古文書というのはいうまでもないが、本書は戦国時代に活躍した人物の書簡を紹介し、その人物像や歴史的事件の背景を解説するもの。一人一通ずつしか開陳されないのが残念。最も興味深かったのは関ヶ原への西軍参加を真田昌幸親子に求める石田三成の書簡である。確かに、著者の言うように、三成の書簡は高圧的命令口調で、同心して事に当たろうというものではなく、彼の性格の一端を垣間見させる。このように、それぞれの書簡が書き手の個性を表し、興味深い。なお、豊臣秀次が剣の達人であったという像は意外。
    信長・秀吉・家康、あるいは武田信玄、北条氏康、上杉謙信といった著名な戦国大名から、毛利隆元(元就の長男)、竜造寺隆信、加藤光泰などやや知名度の劣る人物まで網羅。

  • 気になる武将のだけ拾い読み。幼くして父を亡くした甥の養育をについて書く三好長慶、死の四年前に実質的な遺書を書いていた龍造寺隆信、辺境の領地などより名のある茶器が欲しかったと冗談めかすなかに本音をちらつかせた滝川一益、まだ見ぬ香宗我部親泰に秀吉打倒の助力を求める織田信雄、一度配下についたからにはとことん姿勢をみせ、蜂須賀正勝に秀吉へのとりなしを謝す長宗我部元親、息子信之へ十余年来の思いのたけを話し合いたいと書き送った真田昌幸。それぞれの人生の一場面、一断面を切り取り示してくれるやりとり。人間くさく、端的にその人となりをあらわしてくれていて興味深い。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

二木謙一

一九四〇年東京生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。専門は有職故実・日本中世史。國學院大學教授・文学部長、豊島岡女子学園中学高等学校長・理事長を歴任。現在、國學院大學名誉教授。八五年『中世武家儀礼の研究』でサントリー学芸賞を受賞。NHK大河ドラマの風俗・時代考証は「花の乱」から「軍師官兵衛」まで一四作品を担当。主な著書に『徳川家康』『中世武家の作法』『武家儀礼格式の研究』『時代劇と風俗考証』『戦国武将に学ぶ究極のマネジメント』など。

「2021年 『関ケ原合戦 戦国のいちばん長い日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二木謙一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×