「ゼロ成長」幸福論 (角川oneテーマ21 A 6)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047040274

作品紹介・あらすじ

僕たちは、「経済化」されすぎた。「勝ち組」「大競争時代」「もっと経済成長を!」-ヒステリックな言説はもうおしまい。負け組だっていいじゃないか。僕らは僕らで生きていく。

感想・レビュー・書評

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  • 何もかもが希薄で薄ら寒いこの土地で生きる時、この何足も重ねてはいたわらじがそっと私の心を守る鎧になるんだろ。

  • 大好きな歌人・穂村弘さんを初めて知ったのがこの本。
    出版して10年ぐらいたつのに、ここで指摘されていた危険性は
    何も改善されていない。

  •  「経済成長」が本当に不要なのか、つまり「ゼロ成長」で良いのか、自分自身回答は得られていない。
     しかし、そのことについて、考えさせられる作品。

  • ちょっと古い割には今も通じて読める部分も多くてよかった。けれど最新版が読みたくなる

  • この本のテーマは、「脱競争主義」。
    表紙には、「僕たちは『経済化』されすぎた」
    とあって、その下には
    ・人間を幸福にしない経済成長至上主義
    ・「負け組」こそが多数派なのです
    ・「労働者」でも「消費者」でもない「自分」があるはずだ
    ・人生の「規格化」を迫るシステムから抜け出そう
    ・モノを買った上に働くのはやめたい
    ・暮らしの「スペック」を下げればなんとかなる
    ・「アメーバ的生き方」のススメ
    ・競争列車途中下車-それでも大丈夫
    と書かれている。
    まぁこれがこの本の要約かな。




    最近私が考えていることが色々書かれてて本当に面白かった。
    もうパラダイムシフトしか道はないんよなー
    だってほとんどの人がいわゆる「負け組」になるんやから。
    ダウンシフトした時に今までもっていたものにすがりついたり他の人をうらんだりせずに、その中で幸せになる能力が必要やと思う。
    日本人はモノを買うこと以外で幸福を感じる能力が欠けてるって書いてた。私は日本以外の社会をよく知らんけど、これは留学なり何なりで学びたいなと思った。日本でもできんことはないとは思うけど。

    それにしても、いいなと思えるオルタナティヴな生き方がたくさん紹介されていてわくわくした。
    ベンチャーっていうと巧妙なことして一攫千金なんて金儲けしてるイメージも強かったんやけど、どちらかというとNPOに近いようなベンチャー企業もあるねんね。
    国家公務員の仕事辞めてNPO活動でアジア諸国行き来したと思ったら山奥で農業やったり手作りパン売ったりして、いきなり南の島に引っ越して介護のNPOをやって…すごい人やな。アメーバ的生き方。

    後、去年めっちゃ行きたかった(が学校で行けなかった)NICEのワークキャンプの真木共働宿舎で暮らしている人の話がありました。
    今年は行けるではないか。というかNICEじゃなくても行けるなら別に期間関係ないか。

    「われわれに消費せよと迫るモノの洪水を前に、巻き込まれずに、どれだけ事態を客観化して、このことの意味を思索できるか、そして相対化できるか、という、心の強さの問題」だそう。
    私たちは消費社会で生きてきたしね。
    なかなか価値観を変えることは難しいし、勇気がいると思う。
    でもそうすることでより少ない消費でより幸福になれると思うし、それが地球環境の問題とか途上国の交易条件の悪化の問題の解決にもつながると思う。まぁこれは日本だけじゃなくて全世界がパラダイムシフトしないと変わらんと思うけど。



    それにしてもね、最後の方に出てきたんやけど、この著者がこういう考え方もったきっかけがラミスさんの『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』やったらしい。
    「ゼロ成長」という言葉を見て、ラミスさんを思い出してたら。
    何や、一緒やんか!



    この本ではっとさせられたのは、何で日本ではこんなに生きるのにお金がかかるんやということを考えた時に「住宅ローン」の問題がかなり大きい割合を占めていること。
    あんまり考えたことなかったけど、日本のローンの形は特殊みたい。
    住宅ローンがあって、子供の教育にもお金がかかって…ってなったらそら自由に身動きできんわな。
    考えることはたくさんありそうです。

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著者プロフィール

堀切 和雅(ほりきり・かずまさ):1960年生まれ。1984年岩波書店入社。『世界』『ジュニア新書』『へるめす』編集部を経る。平行して劇団「月夜果実店」主宰。2000年、岩波書店退社。著書に『三〇代が読んだ「わだつみ」』(築地書館 1993年)、『「30代後半」という病気』(築地書館、2000年)、『「ゼロ成長」幸福論』(角川書店、2001年)、『不適切なオトナ』(講談社、2002年)、『娘よ、ゆっくり大きくなりなさい──ミトコンドリア病の子と生きる』(集英社新書、2006年)、『なぜ友は死に俺は生きたのか―─戦中派たちが歩んだ戦後』(新潮社、2010年)、『演劇に何ができるのか?』(妹尾伸子、嶽本あゆ美との共著、アルファベータブックス、2017年)ほか。

「2024年 『岩波書店の時代から 近代思想の終着点で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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