人間・動物・機械: テクノ・アニミズム (角川oneテーマ21 C 35)

著者 :
  • KADOKAWA
3.50
  • (2)
  • (2)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 20
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047040656

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『人間・動物・機械――テクノ・アニミズム』(奥野卓司 角川oneテーマ21 2002)
    著者:奥野 卓司[おくの・たくじ](1950-) 情報人類学。
    装画:小島 武[こじま・たけし]
    出版社:角川書店
    出版年月日:2002年01月
    版型:新書版
    シリーズ名:角川oneテーマ21
    シリーズ内分類:C-35
    NDC:007.11 情報科学

    【目次】
    目次 [003-005]

    第1章 人間はどこまで機械か――「テクノ・アニミズム」序説 007
    遺伝子という「新商品」 
    電子メールによる身体の拡張 
    人間と機械の融合 
    感覚する機械 
    ドーピング禁止の理由 
    サイボーグと人間の境界 
    コンピュータ道具論の破綻 
    クローン羊の夢 
    ヒトと動物と機械の間 
    サイボーグ人類学を含んで 

    第2章 動物から人間へ――情報人類学の視点から 047
    人間・動物・機械の対立 
    キリスト教と仏教の動物観 
    文科系科学の「人間の特別視」 
    接近する「機械」と「動物」 
    新機械は動物から生まれた 
    ぼくは何が知りたいか 
    カインがクワを食べるわけ 
    パソコンとの出会いから 
    ロボットがロボットをつくる時代

    第3章 ロボットの進化――「テクノ・アニミズム」の広がり 105
    心をもつロボットへの進化 
    ペット・ロボットの普及 
    口ボット製作に夢中
    日本人のアニミズム
    生き物らしさとは 
    家庭にロボットはいかに入るべきか

    第4章 ヒトと動物の移動機械による再現の可能性 131
    動物はなぜ移動するのか 
    移動と定住の神話 
    好奇心のための移動 
    情報革命で、人は移動しなくなるのか 
    トフラーの予言と都市の現実 
    人々は家庭と企業から溶け出す 
    二十世紀の道路と二十一世紀の情報路 

    第5章 機械化の果てに来る文明――世界のマクドナルド化を避けるために 165
    機械化で進む普遍化 
    インターネット上のマクドナルド化 
    機械化による漢字文化の制限 
    ドメスティック・インターネット 
    情報技術「鎖国」の国 
    技術とサブカルチャーの融合 
    マクドナルド化は現実か 
    機械と文化の相関 
    人間と機械の間に

    あとがき(二〇〇一年十二月、京都から 奥野 卓司) [196-201]

  • 最近SoftBankから家庭用ロボットpepperが出た。
    技術進歩が進むこの世界では、これから機械との共存の問題がより顕在化してくるであろう。
    本書では、古来からの日本の思想であるアニミズムを用いて、機械との共存を説く。
    人間との境についても書かれているため、その主張も受け入れやすい。

  • [ 内容 ]


    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • “コンピュータが道具だというのは、わざわざ識者に言われるまでもない常識である。だが、なぜそれを、識者と称される人が、あえて言わなければならないのだろうか。その方がぼくには気にかかる。(28頁)”と奥野氏は言い、

    “識者がわざわざ「道具」だと強調するのは、彼らはコンピュータを使っているうちについつい「道具」以上のものにみえてしまうという識者らの恐怖を告白しているように思えてならない(28頁)”と奥野氏は言う。
     
     道具または機械は多種多様であろう。そして時を経るにつれ進化されたり発明されてきたというのが、道具・機械の歴史なのではないかと思う。そしてその道具・機械を用いたり頼ったり振り回されたりと、正と負の両面があるのだと思う。
     
     また“人間が道具を一方的に使うのでなく、道具が人間の発想に影響し、人間の発想を解発する。コンピュータは、人間の道具として、人間の発想過程に入りこみ、人間の脳と協調して人間に発想させる。このような脳とコンピュータの「融合」が、近未来には様々な領域で起こってくるだろう。(30頁)”と言う。人間とコンピュータ(道具・機械)の在り方・付き合い方を考えさせる本なのだと思う。

    “マクルーハンにしても、ウィーナーにしても、ドーキンスにしても、一方で強引なまでに「人間機械論」を主張しておきながら、最終的には、人間が機械とはぎりぎりのところで「決定的に違う」と必死で言いたがる。おそらくそれは、彼らが西欧の近代的価値観にとらわれているからだろう。 
     ぼくたちに必要なことは、その西欧近代主義の価値観から、人間と他の生物、あるいは機械との違いを強調することではなく、遠いぼくたちの祖先がほかの動植物と交わしていたアニミズムの世界を、近未来の情報環境に取り返すことだ。
     かつて、東アジアに住む人々が、自分たちの周りの動物や植物、草木虫魚とあまねく話をしていたように、今日、この地域で電子機械が環境化するとともに、そこに生きる若者たちは、クルマやケータイ、コンピュータ、ロボットなどと親和的な関係をもっている。これを、今日のアニミズム、つまり「テクノ・アニミズム」と名づけることができるだろう。(45頁)“

  • 機械が増えて、人間と機械の境界が曖昧になってきているけど、でも動物と人間の境界だって曖昧だったぜ。/昔から東南アジアには「アニミズム」っていう物とか動植物なんかを崇拝する習慣があって、機械(テクノ)に魂とか感じて崇拝しちゃう習慣(アニミズム)が日本にはあるのかもねー、と。/機械ってのはもちろんパソコンも含むわけで、例えばインターネットによって人間はこれまでの人間と変わってしまったなあ、ということ。これはインターネットキッズの現実ですよね。特にしゃべるということとキーボードを操作することが同義になるなんて。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

京都市出身。1978年、京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。2001年、同学術博士。米国イリノイ大学客員准教授、甲南大学教授を経て1997年より関西学院大学社会学部教授。現在は公益財団法人山階鳥類研究所長。『パソコン少年のコスモロジー―情報の文化人類学』(筑摩書房)、『人間・動物・機械―テクアニミズム』(角川ワンテーマ21)、『ジャパンクールと江戸文化』『情報人類学の射程―フィールドから情報社会を読み解く』『江戸<メディア表象>論 イメージとしての<江戸>を問う』(いずれも岩波書店)など。

「2019年 『鳥と人間の文化誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥野卓司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×