抄訳版 アメリカの鏡・日本 (角川oneテーマ21 A 39)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100015

作品紹介・あらすじ

何が日本を勝てない戦争に追い込んだのか?日米関係の原点を知るための歴史に封印された知られざる真実。

感想・レビュー・書評

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  • 第一次大戦後、五大国の一つとして西洋諸国と同等の地位が与えられた日本。そして西洋諸国と同様に振る舞いアジア諸国に進出した日本。西洋諸国には認められ、日本には許せないれないのはなぜか。
    アメリカ人によって書かれたことに意味があるが、同時に日本人だけが読んでいても意味がない本。アメリカ人にこそ読んでほしいが、アメリカでは恐らくキワモノ扱いだろう。
    徹底的に破壊することが目的化した事実は、現在のイスラエルとパレスチナにも通じる。

    ・近代日本は西洋列強が作り出した鏡。近代日本の犯罪は、それを裁こうとしている連合国の犯罪である。
    ・日本にはすでに反撃能力も抗戦意思もほぼない状態であることは分かっていたが、世界で最も軍国主義的な国民、狂信的軍国主義者のレッテルのもと、二度と戦えない状態に破壊し尽くすために原発も含め徹底的に破壊。
    ・アメリカは、アメリカ圏において、いかなるときに権益の防衛を必要とするか、その場合いかなる防衛手段を発動させるか、を決定する権利を留保している。つまり、アメリカは国際的制約を受けない立場にいて、他国を国際的に制約したいと思っている。アメリカは判定するが、判定されたくないのだ。

  • 何故日本はパールハーバー攻撃と言う無謀な賭けに出たのか?歴史をしっかり伝えてくれている良書である。東アジア研究者であるヘレンミアーズが、第二次世界大戦後1948年に描き、あまりにも史実に忠実だったが故に発禁になり、アメリカでも不人気だったといういわくあり名著。
    本当の近代史を知りたい人にはおすすめです。
    現在の世界情勢を読み解く為にも、遠因が分かります。

  • 戦後すぐにアメリカ人によって書かれた。当初は日本人が読むことはできなかった。中立な立場で語られているが、当時も今もアメリカ人にとってはNGな内容なのだろう。

  • 300ページほどの新書なんですが、やっと読み終わったという感じ。
    それぐらい、読み進めるのが大変な本でした。でも、その割に伝わってきたことはそれほど多く無いような気がする。

    内容は、ペリー来航以後の日本の国際社会との関わりを、日本、中国、韓国、米国、英国様々な立場から解説しています。

    この本の内容をどう捉えるかは人によって様々かなと思いますし、議論するつもりはありませんが、少なくとも「大東亜戦争は日本による侵略戦争」ということだけを信じて疑わない人には読んでみて欲しいです。

  • 1948年に、東洋学を研究したアメリカ人女性の手によって、「日本はこういう考えの元に戦争へと突入したのだろう」と解き明かされた原著を、翻訳した本。

    それにしても「アメリカの鏡・日本」というタイトルが秀逸である。このタイトルの意味が分かれば、本書の内容は8割以上読めたも同然である。

    このタイトルが言わんとしているのは、つまり
    「欧米諸国が批判している日本の行動は、まさに日本が欧米の“行動”(口先だけの理念でなく)から学んだことだよ。日本という鏡に映った姿が、私達アメリカの姿なんだよね」ということなのである。

    このように、自国の耳に痛い、他国のものの見方を解き明かせる人がいるというのが、アメリカの強みなのだろうと感じた(翻訳者の前書きを見るに、流石にアメリカに手厳しすぎて、アメリカ内での受け入れはよくなかったようだが)。

    同時に、現在、私達がある意味強国として見ている考え方と全く違う見方や考えを、国際社会から非難されている当事国は持っているんだろうなとも思った。

    このように、立場が違うとガラッと見え方が変わるというのを知るには、本書は最適であると思う。

  • 世界中の誰もが納得のいく歴史の教科書を書くというのは、そもそも無理だと思う。勝てば官軍というメリットは間違いなくあるし、虐げられた事実を強く訴えれば他国を悪者に出来るメリットも間違いなくある。

    この点で日本は、本当に外交が下手だと思う。目からウロコが落ちた本。

  •  近頃書店で目につく、日本礼賛の書かと思ったがそうではないようで。筆者は太平洋戦争前に日本と中国に渡ったアジア研究家で、GHQによる日本の占領政策にも関わり、深い知識をもった女性である。

     本書を通じて報告されているのは、驚くべき日本軍の欠点と、あり得ないほどに日本軍の力量を過大評価したアメリカ軍の失敗である。

     資源を海外に頼むしかない日本の事情を知りながら、石油や鉄鋼を禁輸とし、戦争へと追い込んだアメリカの思惑。

  • 日本専門家でありGHQの一員でもあった著者が、日本が敗戦に至るまでの国際関係を客観的に振り返り、母国アメリカを痛烈に批判した書。1948年に出版、日本語訳は当時マッカーサーにより発禁処分。60年以上経った今、新書で簡単に手に取れることがすばらしい。太平洋戦争についての本は何冊か読んだが、どれも人物の行動や思想を中心とした解説が多く疑問が残った。この本はその点、当時の国際経済の解説が豊富でとても分かりやすい。日本人であれば一度は目を通すべき。

  • アメリカの鏡・日本

  • 日本の敗戦後の歴史を学ぶのに格好の教科書

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著者プロフィール

1900年生まれ(1898年の説もあり)。20年代から日米が開戦する直前まで二度にわたって中国と日本を訪れ、東洋学を研究。戦争中はミシガン大学、ノースウエスタン大学などで日本社会について講義していた。46年に連合国最高司令官総司令部の諮問機関「労働諮問委員会」のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わった。48年、本書を著す。89年没。

「2015年 『アメリカの鏡・日本 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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