人にいえない仕事はなぜ儲かるのか? 角川oneテーマ21

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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100206

感想・レビュー・書評

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  • 本のタイトルだけみると、アンダーグラウンドの世界の話ばかりかと思ってしまうが、れっきとした経済の本である。

    まず、日本の税制について説明し、なぜいわゆる高額所得者は会社を作りたがるのか?を説明している。次に、所得がほぼすべて把握されているサラリーマンにたいして副業のすすめをしている。しかしながら、副業を本業にしてしまわないようにと釘をさしている。何だかんだと言ってもやはり、サラリーマンは色々と守られているのだ。

    節税を通り越し脱税に関連して、地下ビジネスの話が出てくる。ここでようやく本書のタイトル通りの内容になってくる。

    最後に、大増税時代を迎えるであろう日本の導入すべき税制として「支出税」を提唱している。これは、人々の消費支出に対して累進的な課税を行うことができる直接税。貧乏人の税負担がきつくなるといった問題を抱える間接税の「消費税」とは似て非なるもの。
    「支出税」は、現行の所得税のもつ様々な欠陥を克服できる唯一の税制であり
    税負担の増大による「地下ビジネス」の拡大も防ぐことが可能だそう。

  • 著者の提唱している支出税という考え方は、ケインズや、ニコラス・カルドアという経済学者が実際に提唱していた理論であり、インド&スリランカで実行に移されようとしたらしいが猛反対にあって消えた理論だったそうです。
    とても面白い考え方が満載の本なのでおすすめです。

著者プロフィール

神奈川県立横須賀高等学校出身。慶應義塾大学経済学部卒業。浜銀総合研究所入社。1999年日本経済研究センターへ出向。2000年シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)へ出向。2005年6月まで第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト。2005年7月からBRICs経済研究所代表。2007年同志社大学大学院非常勤講師。日本で初めて地下経済の研究に取り組み、地下経済に関する著作も多数発表している。またワーキングプアの啓蒙書も多数発表。BRICsに続く経済発展が見込まれる国々として、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンを総称したVISTAという造語を提唱した。

「2018年 『日本の「地下経済」最新白書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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