物価迷走 ――インフレーションとは何か (角川oneテーマ21 A 90)
- 角川グループパブリッシング (2008年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047101654
感想・レビュー・書評
-
社会
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
賃金にはねるかどうかが重要と理解
-
著者の本は何度も紹介しましたが、巷に蔓延るエセ経済学説とは意識的に一線を画し、経済学の基本的な知識をベースに実際の経済現象を説明しています。
『デフレはなぜ怖いのか』でデフレがなぜいけないのかがテーマでしたが、今回のテーマはインフレ論。インフレがつい最近まであった資源価格の急騰とは直接的には関係が薄く、インフレはそもそも貨幣流通と密接な関係があり、(財政政策ではなく)金融政策によって主にコントロールしうることを解き明かし、古今東西のインフレまで取り上げています。
経済学のベーシックな知識を整理しながら、跋扈する誤謬を払拭するのにうってつけです。 -
内容は難しいが、終盤の世界的な事例や歴史的な事例を振り返って解説した内容は分かりやすく、楽しめた。
-
[ 内容 ]
石油高・穀物高になぜ翻弄されるのか?物価形成とインフレのメカニズム。
[ 目次 ]
序章 物価が上がるとどうなるのか
第1章 原油価格はなぜ上がったか
第2章 資源価格と物価の関係
第3章 インフレーションとは何か
第4章 なぜインフレになるのか
第5章 先進国のインフレ
第6章 世界のインフレ
第7章 世界史の中のインフレ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
難しい。。
-
インフレーションについての解説で、インフレまたその逆のデフレは、長期においては金融政策と大いに関連すると言う説のデータをふんだんに使った経済学的合理的期待貨幣説による解説本。
筆者としてはこの説には大いに賛成であるし、経済学的にこれは分かっていることである。経済学には分かっていることといまだに論争が続いていることがあるが、この説はほぼ議論の余地はなさそうである。
しかしながら、原田の著作にいつもあることだが、結論にいたるところが省略気味であること、また、企業就業者で大企業に勤めるをエリートとして描き続ける人として見るという観察力のなさが、本作にはあまりにも目立つので、啓蒙書としてはかなり惨い出来だ、と思う。