先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21 C 201)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102842
感想・レビュー・書評
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東日本大震災後の日本が採るべき経済政策について述べた本。円高や国際競争についてわかりやすく解説する。
震災後の円高の原因はアメリカやEUの財政不安から、ドルやユーロが売られ、消去法的に円が買われていることが原因。日本も国債残高は高いが、企業などがそれ以上の資産を所有しているため、まだ財政的に持ち堪えている状況である。
また、国際競争と貿易という枠組みから、今話題のTPPやFTAについても解説する。日本の農家は農水省の保護主義や、自民党の票田であった
農協に補助金という形で守られてきたことに触れ、競争原理を働かせるためにTPPの参加も視野に入れるべきことを述べる。
どうやら池上氏はTPPには肯定的な様子。日本がTPPに参加しなければ日本抜きでのアジア太平洋の貿易・投資ルートが決められること、アメリカとFTAを締結し、自動車や家電の分野で国外向けマーケットを拡大している韓国との競争の観点についても言及している。
TPP賛成派の経産省と反対派の農水省がそれぞれTPP参加時と不参加時のGDPへの影響についての試算も結構極端な条件下で数字を弾き出しているので、そう易々と信用できない。数字だけ見れば、参加した方が良いように思ってしまうが…
とにかく、この本を読んだだけで簡単に「TPPに参加しよう」とか「消費税の増税はやむを得ない」と考えるのは早計だと思った。内容がわかりやすいだけに、特に。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
TPPについて説明があったので、すごく助かりました。
個人的には反対派だけど、もっと考えてみるべきかもと思った。
タイトル通り、ほんとに「先送りできない日本」の話で、池上さんの説明に「納得!」とすっきりしつつもじわじわ焦る。
明確なビジョンを持っていない、というのは自分にもあてはまるなぁと反省。 -
最近よく聞くようになったTPPについて、自分なりの考え方を深めようと思い購入。TPP参加に賛成派の意見はなかなかみることができないので、なるほどなぁ、と思いながら読んでおりました。
内容としては、TPPに対する言及がやや薄いかな?と感じましたが、池上さんお得意のわかりやすい説明で進んでいったので非常にわかりやすくコンパクトにまとまっています。
あとがきも面白かったので、是非読んでみることをおすすめします。 -
今の日本がおかれている状況、背景がどのようなものか、少しわかった。
一国民である限り、何ができるわけではないけれど、ちゃんと自分の国の状況、背景を理解して、何がよいのか考えていくことが、大事だと思った。
DK層を抜け出したい。 -
かの池上彰さんが震災直後の日本を考えながら書き上げた本。経済を中心に、今の日本を非常に分かりやすくまとめあげている。特にTPP関連や中国関連については複雑な背景についても簡潔に説明している。あとがきの「国に頼る前に『いい質問』を考えよう」という問いかけが心に残った。どんなに頭でっかちになろうが、常に情報は収集して自分で判断し、問いかけていく姿勢を忘れないでいたい。
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内容が簡単に説明されててわかりやすかった。新エネルギーの代替手段が必要だし、それが軌道にのるまでは原子力との最低限の併用を考えていくべきなのかなと。
また、日本の財政問題は先送りできない。政治家さん、なんとかして下さい!また、TTPの締結は是非前向きに検討して欲しい。世界を相手にビジネスできればもっといろんなものが見えてくるはず。 -
日本も今、海外の国々の過去の失敗例や成功例から学び、大きな一歩を踏み出さなければならない時なんだと感じた。
”高齢化社会の中のゆでガエル”とは笑い事では、済まされない。 -
2011/9/13読了。
分かりやすさを売りにしている池上さんの、本気に触れてみたいと感じた。 -
グローバル社会で生き残るために日本は今後どのようにすればよいか。TPPと農業、消費税率など。分かりやすい教科書のような内容。いちばんよかったのは「長いあとがき」。いい質問とは欠落した穴を埋めるもの。いい質問を考えることで思考が深まる上、質問受けた側も、その問題について深く考える。池上氏の原点のような話。