ウインド・ハート・ブレーカー (ビームコミックス)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047288614

感想・レビュー・書評

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  • 山本健太郎氏の作品『ウインド・ハート・ブレーカー(2013)』を読んでみた。 ”風”がテーマが良い!! 切ない恋物語もGood!!

  • 風の側の人間と比べて、島の側の人間はどこか卑怯だ。なんとなくそんな気がする。
    実際そういうふうに性格が分かれているのかもしれないし、主人公の心根によって島の人間が汚く見えていただけかもしれない。
    台風の次の日の朝、静かに体調を気遣ってくれた父親やアイスクリームをくれた売店のおばちゃんのような優しさは、実は主人公が意識していなかっただけで島の住人はそれなりに優しかったのかもしれない。

    この物語を経て、主人公はどう変化しただろう。
    とりあえずナルミへの想いは断ち切れた。
    人間的な成長もした気がする。しかし、果たしてそれは健全な方向だろうか。

    最後、サチ子からの告白を前向きに対処したのは優しさにもみえるし、想いを利用しようとしたようにもみえる。

    後者の考えが出てくるのは、自分が卑怯な人間だからかもしれない。
    しかし、サチ子の行動は寛大に受け止めるには度を超えているし、告白も言い訳めいている。主人公も苦い反応を隠せていない。

    主人公とサチ子の青春はここから始まるのだろうか?
    始まるのだとしても、単なる男女、単なる読書仲間ではない、どこかいびつなものが始まるような気がしてならない。
    風に守られなくなった島同様に、つい波乱の未来を考えてしまう。

    なんにせよ、面白い作品だった。

  • 望んでもいない失恋をするところから始まる一人の少年のお話。
    厭世な気分と風になった人たちの存在。憑き物が落ちたように髪型が直るところ。
    甘く感情に訴えかけてはこないので、何となく読んでいるとそのまま通り過ぎてしまいかねないが、この漫画は確かに、あちこちに切なさがあふれている。

  • 思春期時代における未熟さによる不安定さを瑞々しいまでに描きながらも風変わりな設定に驚きや感嘆を受けながらも、ラストに待ち構える淡くも切ない恋の結末には、ぎゅっと心が締め付けられた。一途な恋心に、真実を知った時の幻滅と絶望感。そして、それでも好きだった感傷的な想いが風に飛ばれていき、新たな気付きによる晴れ間。いや、最高の作品でした。

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著者プロフィール

北海学園大学講師

「2014年 『政治学の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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