下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
3.91
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本棚登録 : 244
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047305151

作品紹介・あらすじ

平凡な高校生の青は、実はラノベ新人賞の下読みのエキスパートだ。そんな彼は、ある日応募原稿の中に、同じクラスの氷ノ宮氷雪の作品を見つける。"氷の淑女"と呼ばれる孤高の少女が、フォント変えや顔文字だらけのラノベを書いて投稿している!?驚く青だが、その後ひょんなことから彼女の投稿作にアドバイスをすることに。評価シートに傷つく氷雪をあたたかく導き、世界観、キャラ設定、プロットと、順調に進んでいくが…。爽やかな青春創作ストーリー!

感想・レビュー・書評

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  • 思い描いた世界を伝えるために。
    意図を知っていれば理解しようとするだろうが、ただ厳しくするだけでは意味が無いだろう。
    純粋な読み手として沢山の作品を見ていたからこそ、求められているものが分かるのかもしれないな。

  • 2.8

  • 全1冊完結。祖母の呪縛の檻に閉じ込められたヒロインを好男子がライトノベルの力で助け出す、青春キュンキュンラブストーリー。屋上両手逃げ道塞ぎとかフェンス越しの✕✕とか。自己評価が低くい者同士だとこんなにもめんどくさくなるのだね。主人公の青が何事も肯定から入るところに伯父と似た女殺しの素質をみた。
    声優の人可愛いけどけっこうな歳とは……いい

  • 男子が女子に教えるという構図が効いている。
    全てを肯定的に受け取れるのに、自分には自信を持てない男子。自己評価が低く自分を出せない女子。そんなふたりの想いのやり取りが素敵。
    ラノベを書くためのポイントは、そのままラノベの魅力にも繋がるだろう。

  • 下読みという仕事を丁寧に書かれているラノベ
    色々な情報が入っていて、斬新

    昔にこれ読んでたら、投稿してみたい欲から、書いて投稿してみる、まで実行してたかも
    本当にこんな下読みしてもらえるなら

    話の中身は、ボーイミーツガール
    あらすじ通りで、特に斬新な展開はなし
    良い意味で児童文学に近い感じの、普通に良いお話


    残念なのは、やたら地の文が、ですます、でした、が多くテンポ悪いこと

    展開的にも、キャラ的にも、記憶に残るほどの何かがなかったこと

  •  ラノベの下読みをする男子高生「青」と、周囲に内緒でラノベを書いている女子高生「氷雪」の2人が主人公。ひょんなことから氷雪のラノベ執筆を手伝うことになった青は、色々あって感情を表に出せない氷雪と関わってゆくなかで、彼女の心を溶かしてゆく。そんな中で困難が立ちはだかって・・・という、登場人物が少なく、かつ非常に素直な青春恋愛小説。

     今作が抱える問題は家庭の不和によるものであり、コミュニケーション不足による考えの行き違いがネックとなっている。以下、大幅に脱線する。

     なんというか、家の外を巻き込めば前進する可能性のある問題を、当事者で解決なんてできもしないのに家の外に持ち出そうとせず自力で解決しようとする傾向……フィクションに限らず身内や周囲でも聞くのだが、これどうにかならないんだろうか。
     家で問題が起きてるのが恥ずかしいとかあるんだろうが、そうした支援が得られない家庭というのは本当に不幸だし、家庭という枠組みの尊さと同時に、脆さを社会全体が意識すべきだよなと思う。子育て失敗したから今度はもっと厳しくとかじゃなくて、第三者へ話聞いてみるとかしないと、プライドとかはあるんだろうけどそれはあなたのエゴだろうと。善意でやっているとしても、むしろ善意で動いている時が一番内省的な視点を欠きうるだろうと。
     最近は子育てを終えた親達がうまくいっていないみたいな話をちらほら聞くので、結構思うところはあった。

     作品に戻る。
     大きな特徴はやはり主人公がラノベの下読みをやっているという点であり、これには著者自身による下読みの経験が反映されているようだ。あらゆる物語を慈しむという主人公や著者の姿勢は、文学少女シリーズにも色濃く見られる。
     読み手以上に、書き手を強く意識した小説だなと感じた。作家デビューしたいという動機以外にも、例えば氷雪のような切実な想い(作家志望も切実だろうがそれはそれとして)を作品に託している者もいるのだろう。
     だが、下読みというジャッジを前にして、書かれた動機は必ずしも判断には関係してこない。面白いものは面白い、つまらないものはつまらない。商品として世に出そうとする時点でそれは紛れもなく商売としてのシビアな世界に足を踏み込むことだ。評価シートにだって人件費がかかる。評価を得られない作品に対しぞんざいな評価シートを叩きつけられたところで文句は言えないし、どんな評価をするかはあくまで評価者の決めることだ。優しいアドバイスばかり書く義理はない。筆者によるあとがきはそうした事情を酌んだものだろう。
     だからこそ、物語を描く全ての人に向けて著者が届けようとしたエールが、この小説なのかもしれない。

  • ラノベ新人賞の下読みのアルバイトをしている高校生の青が、擬音他の多発する作風な反面、大人びた孤高のクラスメイトで話すと自信がなくてぎこちない投稿者の氷雪の作品を、良い所を伸ばしつつ新たに導く日々が爽やか。青の視線が温かくて、氷雪の作品に対する評価シートにもじんとした。知人の声優の裏名義の話も印象的。

  • よく取材されていると思ったら、あとがきを読んで分かる。これは下読み経験が豊富な野村美月さんにしか書けない作品。
    展開自体はベタ中のベタだったが、おばあちゃんの話はおもしろかった。あと、「特別」「執着」がない主人公の成長が見れてよかった。

  • ライトノベルの賞の下読みをしている主人公が、ひょんなことからクラスでとっつきにくいが人気のある女子生徒の作品を見つけ、その女子生徒空ラノベの書き方のアドバイスを求められるあらすじ。この人の作品を見て思うのは、どの自分の作品の登場人物にも対して「親しみ」を持ちながら作品を書いているという点。ホントに小説を書くことが好きなんだなとどの作品(3つしか読んでいませんが)を読んでもそう思う。体調を崩していることをあとがきで述べているけど、色々な作品をもっと読みたい作家の一人でもあるなと読みながら思った。

  • 【あらすじ】
    「わたしに、ライトノベルの書きかたを教えてください」

    平凡な高校生の青は、実はラノベ新人賞の下読みのエキスパートだ。
    そんな彼は、ある日応募原稿の中に、同じクラスの氷ノ宮氷雪の作品を見つける。
    "氷の淑女"と呼ばれる孤高の少女が、フォント変えや顔文字だらけのラノベを書いて投稿している!?
    驚く青だが、その後ひょんなことから彼女の投稿作にアドバイスをすることに。
    評価シートに傷つく氷雪をあたたかく導き、世界観、キャラ設定、プロットと、順調に進んでいくが……。
    爽やかな青春創作ストーリー!

    【感想】

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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