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- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047778054
感想・レビュー・書評
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時代は昭和、戦前の物騒な空気を孕んだ5巻目は二・二六事件を描く。
明治から大正、昭和と時が流れ、加藤と戦って来た主要な人々は年老い、その幾たりかは鬼籍に入り、いつの間にやら辰宮雪子は成人している。
読者は代わる代わる活躍を見せられて来た寺田寅彦と幸田成行だが、実はこの巻で初めて会談する。
今回加藤は名前しか出て来ない代わりに、新たな魔王・北一輝と、加藤に関係のあるらしい甘粕正彦が暗躍する。
物語は軽快に読み進められたが、軍内部の派閥と人名が頭に入って来なかったので読後感としては★3つ。
気になったのは、この巻で雪子が自分の父を加藤保憲だと言っていること。前の巻では本当の父が誰か知っているようだったのだが、この巻での発言はすべて、知っている上であえてのものなのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見返し
帝都完全崩壊を策した怪人、加藤保憲は“将門の霊”との闘いに敗れ、満州へと去った。昭和初期、東京の町並みは近代化がおしすすめられた。だが世情は経済的にも不安の度を増し、さらに政治的にも、軍部の圧力が高まり、軍内部でも統制派と皇道派の対立が表面化していた。その最中、血気盛んな青年将校らを背後から操る怪しげな思想家がいた。その名は北一輝。『日本改造法案大綱』を引っさげ、法華経を信奉し、不敵にも“昭和維新”を企んでいた。そして遂に、“霊告”は下り、昭和十一年、二・二六の日を迎えたのだった・・・。時代の熱い要請に応えて放つ、話題のシリーズ第五弾!戦前篇完結!!
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