ある島の可能性

  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047915435

感想・レビュー・書評

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  • プリズナーNo.6と言おうか猿の惑星と言おうか、ある種、ブラッドベリの「びっくり箱」のようでもあり。
    得意な方ではないけど、久しぶりに物語を読んだ満足感があった。
    しかし、科学的、歴史的に緻密なディティールを重ねていくあたりが今どきだなあと思った。
    好みとしては、背景は大雑把でいいから予想外な部分にリアリティがあるような作品がいい。

  • 宗教と性、老い。ウェルベックのメッセージは強烈。それでいて荒凉とした文章。

  • 【粗筋・概要】
    2000年後の未来。クローン技術の発展により永遠の命を手に入れたネオ・ヒューマンたち。彼らは、オリジナルの遺伝子コードを厳密に複写して生み出され、オリジナルが書き残した人生記を読み、それに注釈を加えていく。この物語は、フランス人のコメディアン・ダニエル1の人生記とそのクローンであるダニエル24とダニエル25の注釈によって構成されている。

    【感想】
    初めて読んだウエルベックの小説。なかなか面白かった。この小説自体読み返そうとは思わないけれど、この作品よりも面白いと云われている『素粒子』を読んでみたいとは思った。

    「そして人間の真の目的、望みのあるかぎり人間が自発的に求めつづけてきた目的が、もっぱらセックス方面にしかないという真相は、隠しようのないものになった。」(P290)というダニエル25の注釈を読んで、確かにそうだなと思った。少なくとも、主人公のダニエル1と私に限って云えば、正しい指摘だ。

    この作品では実在の有名人が多く登場するが、エロヒム教が「アメリカのビジネス界で集中的にキャンペーンを行った結果、まずスティーブ・ジョブスが改宗した」(P319)というところが、一番ウケた。

    2008年2月26日読了

  • オリジナルと何世代かあとのクローン?が交互に語って物語りは進むのだけれど、そういう構成っておもしろいと思うし、物語の設定自体もすごくおもしろく思ったのだけれど、うーん、私にはなんか読み進み難かった。

  • 面白い話だ。ただ二冊目のミシェル ウエルベックだけど、やっぱり読んでるとちょっと嫌な気分になる。それが消えない。

  • 邦題「ある島の可能性」。僕は正直なところ、正面切って「好きな作家はウェルベックですね」なんて言う人がいたら、その人の人格を疑いたくなると思う。読むことはあっても、それをフェーバリットに挙げてくるってのはちょっと。相も変わらず、読んでいて嫌な気分になること多々。相も変わらず。主題となっていることは「性」であり「セックス」であり。それらをSF的に散りばめていくという。過激で辛辣なようでいて、特にそれは過激でも辛辣でもなく、ただただ的を射ているからこそ、読んでいて嫌な気分にさせられるわけだけど。それにしても苦しい読書だった。(07/10/13)

著者プロフィール

1958年フランス生まれ。ヨーロッパを代表する作家。98年『素粒子』がベストセラー。2010年『地図と領土』でゴンクール賞。15年には『服従』が世界中で大きな話題を呼んだ。他に『ある島の可能性』など。

「2023年 『滅ぼす 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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