アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048663335
作品紹介・あらすじ
わたしはアヤンナ。醜い娘。「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った"彼"だった-。醜い魔女の娘と美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多の物語を紡ぐ。
感想・レビュー・書評
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醜い傷があるから疎まれる魔女と、奴隷市場から助け出した男の子との恋愛話。全体的に悲壮感漂いますが、お互いが静かに暮らして小さな幸せに喜ぶのがまたいじらしいです。
主人公が周囲の反応に憤りを覚えつつも、その分だけ優しさを忘れないピュアさで、それが余計に悲しさに拍車をかけますね。。それがまた面白いのですが。 -
人に疎まれている魔女の女の子。女の子が助けた奴隷の男の人。美しいのだけれど、最初から最後までなんだか悲しい空気が流れている。
2015/8/19 -
美しく悲しい物語だった。インカ帝国のような世界観で、そこに暮らす人々の情景も目に浮かぶ。美しい王子と呪われた魔女。虐げられた二人がであったことで、彼らは互いにやっと羽を休める場所を見つけることができたのだろう。呪術の生きた世界はファンタジーそのものだけれど、人間の醜さや美しさは、すごく現実的だった。
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泣いた。なんて美しい物語なんだろう。おとぎ話ではなく、酷い描写も多いのにそれでもお互いを思いやるふたりに涙がこぼれた。めでたし、めでたし、で終わるハッピーエンドではないけれどアヤンナの美しい鳥は最後にきっと幸せを感じていたはずだから。
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2014.3.10
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多分、舞台はインカ帝国のイメージ。顔に醜いやけどの痕がある魔女の少女・アヤンナと、王族の血を引く美しい奴隷リリエンとの儚くも美しい愛の物語。虐げられ過酷で苦労続きの生活が早く終わって幸せな結末を!と願いながら読みましたが、アヤンナの紡ぐハッピーエンドの物語のようには…。でも、決して不幸だった訳ではないと確信できる結末が救い。