- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048667760
作品紹介・あらすじ
魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。-それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。第13回電撃小説大賞「大賞」受賞作、登場。
感想・レビュー・書評
-
児童書? 童話? チックなストーリーだったけど、設定は激重だった。世界観は新しかったが、ストーリーには目新しいものは特にない。想像通りに進んだ。
描写が美しく、残酷だが綺麗だった。ラストに感動。それ以上でもそれ以下でもない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
話がさくさく進むのでとても読みやすかった。ものすごく意外な展開もないけれど、ストレスもない王道のストーリーという感じ。そして登場人物のだれもがきちんと優しさを持っていてとてもいい。愛するということは、そのひとを自由にしてあげることなんだな、と思った。
ミミズクちゃんが自分自身をかわいそうだと思っていないところがとてもよかった。だからこそ、たくさんの人から憐れまれ自分をかわいそうだと思って閉じこもっていたクローディアスを、自由にしてあげることができたのかな〜と思ったり。
優しいお話でとてもよかった。電車でしくしく泣きながら帰りました。隣に座っていた人たちごめん。
-
難しかった、登場人物をイメージしにくかった
けど、優しいストーリーやった -
いい作品は何も言うことがないですよネ…
-
童話のようなお話。
優しき魔物の王に自分を食べてほしいと願う少女の話。
ものすごく感動したとかはないけども、ラストの展開は「めでたしめでたし」といった感じで良かった。 -
月を仰いでいた死にたがりやの少女は、森の中でもう一つのお月さまを見つけた。
・過去話以外ではどうしようもなく悪い人間はいなかった。ずいぶん不器用さんだらけでしたが。
・ミミズクは、1度お城に来れて良かった。フクロウにも、城の人たちにも。 -
なんて素敵な結末!
自分より相手のことを思うのって、やっぱりだいじだよな〜。
それと同時に。我を通すのは嫌いだけど、自分にとって何が大切かということと、「自分はこうしたい!」ということを忘れないようにしようと思った。 -
色彩の暴力
好きだからあげる、好きだから伝える、好きだから奪われたくない。
短さと文章の淡白さに対し表現される色彩と感情の量が多い。 -
本当に本当にほんっっっっとうに学生の時から大好きな本
-
ファンタジックで心優しいお話を読んだ。お天気がいい休日にふさわしい、現実離れをしたお伽噺ふうの世界が広がっていた。
電撃大賞受賞作、電撃文庫と言うのは、門戸の広い印象を受けた。
人間の世界で奴隷でも最下層の仕事をしていた少女は、手足に鎖をつけたまま森に逃げてくる。そこは魔王が治めていた。彼女は自分をミミズクだと言って、魔王に食べてもらいたいと思っていた。懇願してみても魔王は人間は食べないと言って断る。少女はなぜか魔王が恐ろしくない、できれば食べて欲しいと思いながら、次第に馴染んでいく。
森のある国を収めている王様は魔王を捕まえて、殺してしまいたいと思っていた。聖なる剣士と呪術師たちは森を襲って魔王の住処を焼き払ってしまう。つかまった魔王を助けるために少女は刑場に行く。
ミミズクだというしかない、人間から乖離するほどの悲惨な過去を持っている少女の額に奴隷の番号が付いていた、魔王はそれを記憶を消す印に変える。魔王の過去も、絵を書く趣味も、何か淋しく、少女も過去の記憶は消えたが、何か物足りない。
城には生まれながら手足の不自由な王子もいた、二人は友達になっていく、ここらあたりも、事の成り行きが夢の様でもある。
呪術師が総力を挙げて処女の記憶を回復させようとする、そしてかすかな記憶が甦り、魔王の元に行く。
と言うあらすじだが、騎士や魔法を扱う巫女も登場して、中世ロマンの気配やラブストーリーの側面もあり、王様と王子の親子の情愛も絡む。騎士と巫女と言う子供の持てない夫婦が少女を可愛がり引き取りたいと思ったり、何か善意に溢れた話は、大人が読む童話のようで、たまにはこういう別世界で遊んでみるのも楽しい。
すぐに忘れてしまうようなものかもしれないが、何か心に残って、いつか読み返したくなるかもしれないと思う。
コメント この記事についてブログを書く