最近、BL小説に微妙に違和感を感じていたので、「もう私、BL楽しめなくなっちゃったのかしら?」とちょっと不安に思っていたのですが、そうじゃなくて安心しました。
この話は、全寮制の学校に通う高校生のお話。
詩乃は、バカ高い授業料を払う全寮制の名門学校に通っていたけれど、父親の会社が倒産し、高校をやめなければならなくなってしまいそうになる。
何とか高校を辞めずに住む方法はないか、と考えた詩乃が見つけ出したのが「理事長推薦」という枠だった。
それは、各理事長が生徒一人に対して与えられる特権で、「理事長に気に入られれば、授業料免除」という内容だった。
おまけに、理事長の中には「学生理事」という役職があり、理事の中には一人、学生の立場から意見が言えるように、と学生が混ざっているのだという。
詩乃はその学生理事が、馬術部にいると聞き、馬術部に向かうけれど、その馬術部にいたのは美しく馬に乗る「王子」という苗字の気品ある先輩だった。
という話でした。
最初、「王子様はポリバケツに乗って」というタイトルだから、どんな話なのかと思ったら、王子が乗っている馬がポリバケツ、通称・ポリーな訳ですね。
面白いです。
内容は、典型的なキラキラBL。
王子が学生理事かそうでないかはさておき、詩乃は王子に惚れちゃって、奨学金の問題と自分が王子に近づいた理由は別にしたい! と思うぐらいに真面目な子で。
それでも、現実的には奨学金の問題は目を逸らせない現実で……と。
まあ、最後は「王子様」が現れて、ささっと解決してくれるわけですが。
そう、なんだか変にごちゃごちゃしてない王道BLが読みたかったのよ! となってしまいました。
あんまりうだうだ悩んでるシーンもなく(ちょっとツッコミたいところはあるけれど)、さらっと読めるBLが読みたい人にはオススメします。