特急便ガール! (メディアワークス文庫 み 3-1)
- アスキー・メディアワークス (2011年2月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048703857
感想・レビュー・書評
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4.1
面白かった。
買ってから時間が経ってしまって、どういう経緯で買ったのかも思い出せませんが、なかなか良かった。
突飛な設定だけど、主人公や登場人物が魅力的でバイクに乗る自分としてはこういう仕事もいいなぁと、すぐその気になってしまいます。笑笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一流企業を退職したOL陶子は後輩の伝手で新たにハンドキャリー便として働くことになるのだが……
メディアワークス文庫らしいライトな読み口なのですが、内容はしっかり爽やかです!
主人公陶子の元気の良さ、威勢の良さはもちろんのこと、その他のキャラのたちっぷりもしっかりしています。キャラの掛け合いも小気味よくてその場面は読んでいて楽しいです。
内容は各章で一つの荷物をめぐる物語が展開されていくので、切れ目も分かりやすく読み切りしやすいのもまた一つの特徴かなと思います。
ラストもしっかりしていて不覚にも少しだけ涙腺が刺激されてしまいました。最初はいきなりSF要素が入ってくるので少し戸惑ったのですが、その要素もがっつりと取り込んで陶子の成長、荷物をめぐる人々の思い、そして陶子の勤める運送会社の物語、それぞれをしっかりと紡ぎあげてくれた本でした。 -
設定が好き。
流されながらも、我が強いヒロインなので、話がおもしろおかしく転げます。 -
これは面白かった!キャラクターがみんな濃い。会話の掛け合いも面白いし、何より主人公が魅力的だ。直向きで格好良い。さすがに白菜という例えはどうかと思うけど(笑)すぐに挑発に乗っかってしまう単純さもかわいい。私はトーコさんを始め、このお話の登場人物をみんな好きになったから、こんなに楽しめたのかもしれない。
最終章のお届け物には涙腺を刺激されました。強いて言うならば最後の如月さんが言葉少なでちょっともの足りませんでしたが…もう少し彼の想いを聞きたかった。
でも、全体を通して読んでいて楽しかったし、個人的にはかなり好きなお話の1つになりました。 -
オカメインコが部長だというので読んでみました。
バイク便運営会社で、遠方へのハンドキャリー便のライダーとして働くことになった元一流商社OL・吉原陶子が東奔西走したり四苦八苦したりするお話。
社長がいい加減だったり、元ヤンみたいな強面の野郎とか自称「永遠の18歳」のきゃぴきゃぴな女性がいたり、オカメインコが部長だったりする中で、唯一の常識人を自負していた陶子だったが、ある日、とんでもない能力に目覚めてしまって――。
主人公が、御依頼人の「想い」の籠ったお届け物を手持ちで配達するハンドキャリー便のライダーということで、荷物を届けたあとにちょっと垣間見られるドラマに心が温まります。
そして、従業員同士のコメディのようなやり取りも魅力の一つ。
それぞれ経歴は様々ですが、仕事に対する情熱は一級品。
そんな彼らが力を合わせて困難を乗り切る後半部分は、特にのめり込んでしまいました。
陶子の能力自体がかなり非現実だったり、もっと言うなら主要人物も個性的すぎる面々ばかりなのですが、それ以外の部分はわりと現実に即して設定されているので、軽すぎず重すぎず、それでいてすっきりと読めます。
東京23区の交通事情に精通していたり、陶子が行くことになる各地の風景が頭の中で描きやすかったりするのは、作家さんの実体験のせいなんでしょうね。
……ってか、ドサ回りOLしつつこれだけの文章書いていけるってすごいポテンシャルだと思います。すごい。 -
文句なし。トーコさん素敵。
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設定が少しばかり古風なものではあるが、よくある設定というのはいつの時代にも適応しているものだと実感させられる。
このレーベルの小説に良くあることだが、山場が全くないか、それに等しいくらい少ない。 -
あんな無茶苦茶なことしておいて、後から気にするようなこと言ってもさ。圧迫面接よりまだ悪い。
まあ、それはそれとして。
実際手で運んだ方が早いお届け物もあるんだろうな。
持てる量に限りがあるから効率悪くて仕方ないから、全く儲からなさそうだけど。
他の交通機関とうまく連携できればいいのか。
というか、今までの移動が全て経費なら、早々にこの会社は…。トイレットペーパー云々どころの騒ぎじゃない。 -
面白かった。初読みの作家さんでしたがなかなかどうしてわたしには好みでした☆ただのお仕事小説かなと思っていたらなんというかファンタジー(笑)でもわりと内容も濃くて良かったと思います。なによりキャラが立っていた!陶子さんが実は闘子さんだったなんて(笑) 荷物を届けながらこちらも走ってるような爽快感も個人的には感じました。読後感も良かった☆
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「大人向けライトノベル」というMW文庫の立ち位置が良くわかる作品
ただこの作品はMW文庫だからライトノベルのように「見るひとには」見えるのであって
一般文庫(と「見られている」ところ)から出せば何も違いはない
そもそも「少女」「少年」でもなく「職業婦人」でも「Lady」でもなく
「青春」とくくられるでもなくて
「教養」を経ず「大人」でないと思っている世代に対することばがないのが問題
女性の場合はここに「Girl」であり「女子」と冠するだろうが
越谷オサム『ボーナス・トラック』とかはなんと呼んだら良いかわからない
よくみればミステリだのホラーだのでごまかしている現代もので
学生世代の上世代を扱っているものみななんだか言いようがない
「大人向けライトノベル」というのはなるほど
その世代が自分が子供だと思っていたころ思っていた大人が読むものでなく
子供のころ読んだライトノベルでもないものに対する言い方として
一周まわって皮肉に良い言い様
「なるほどね。時をかける少女ならぬ、距離をかける少女……ああ、少女って年でもない?こういう場合、何て言えばいいの?」
「女は永遠のガールだから、それでいいんだよ」